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審決分類 審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 取り消して登録 Z12
管理番号 1049085 
審判番号 審判1999-17315 
総通号数 24 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-10-22 
確定日 2001-11-21 
事件の表示 平成10年商標登録願第51656号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「KANNON」の欧文字を横書きしてなり、第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,動力伝導装置,緩衝器,ばね,制動装置,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報器」を指定商品として、平成10年6月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次の(1)ないし(8)に示すとおり((4)以下は簡略する。)である。
(1)昭和29年8月13日に登録出願、「カノン」の片仮名文字と「KANON」の欧文字とを二段に書してなり、第17類「紙類裁断機、ライター、その他本類に属する商品」を指定商品として昭和30年5月14日に設定登録、その後、同50年10月9日、同60年5月15日及び平成7年8月30日の三回に亘り商標権存続期間の更新登録がされている登録第465690号商標(以下、「引用商標1」という。)。
(2)昭和29年8月13日に登録出願、「カノン」の片仮名文字と「KANON」の欧文字とを二段に書してなり、第7類「写真処理用金属製皿、その他本類に属する商品」を指定商品として昭和31年6月29日に設定登録、その後、同51年12月8日、同61年7月17日及び平成8年10月30日の三回に亘り商標権存続期間の更新登録がされている登録第483596号商標(以下、「引用商標2」という。)。
(3)昭和54年2月8日に登録出願、「CAMNON」の欧文字を書してなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として昭和57年11月26日に設定登録、その後、平成5年5月28日に商標権存続期間の更新登録がされている登録第1553176号商標(以下、「引用商標3」という。)。
(4)「CAMNON」の文字よりなる登録第1581081号商標(以下、「引用商標4」という。)。
(5)「カノン」文字よりなる登録第2140182号商標(以下、「引用商標5」という。)。
(6)「KANON」の文字よりなる登録第2140367号商標、2218109号商標、2252556号商標(以下、3件まとめて「引用商標6」という。)。登録第2140367号商標については、平成11年5月30日に存続期間満了により消滅している。
(7)「KANON」及び「カノン」文字よりなる登録第4065339号商標(以下、「引用商標7」という。)。
(8)「カノン」及び「KANON」の文字よりなる登録第4117587号商標、4122426号商標、4129714号商標、4129725号商標及び4148748号商標(以下、5件まとめて「引用商標8」という。)。

3 当審の判断
本願商標は、「KANNON」の文字よりなるから、「カンノン」の称呼を生ずるものであり、これより何らの意味合いをも看取させるものではないから、一種の造語と認識し把握されるとみるのが相当である。
これに対して引用商標1、引用商標2及び引用商標5ないし引用商標8は、「カノン」及び「KANON」の文字、「カノン」の文字、「KANON」の文字、「KANON」及び「カノン」の文字よりなるから、これより「カノン」の称呼を生じ、各文字はいずれも何ら特定の意味合いを看取させることはないから、一種の造語と認識し把握されるというのが相当である。
また、引用商標3及び引用商標4は、「CAMNON」の文字よりなるから、これより「カムノン」または「キャムノン」の称呼を生じ、何らの意味合いも有しない、一種の造語と認識し把握されるものとみるのが自然である。
そこで、本願商標より生ずる「カンノン」の称呼と上記引用各商標より生ずる「カノン」の称呼とを比較するに、両者は、第2音において「ン」の音の有無の差異を有し、したがって本願商標は4音、引用商標は3音とその構成音数を異にするものである。
しかして、前者は4音で構成されていて「カン」と「ノン」の各部分が抑揚を伴って称呼されるのに対し、後者は「カノン」と簡潔に一気に称呼し得る短い音構成であるから、両者は全体の語感印象を異にするものである。
次に、本件商標より生ずる「カンノン」の称呼と引用商標3及び引用商標4より生ずる「カムノン」の称呼とを比較するに、両者は、第2音において「ン」と「ム」の差異を有するところ、「ン」は舌面を軟口蓋部に押しあてて、有声の気息を鼻から漏らして発する鼻音であり、「ム」は両唇を密閉し、有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音(m)と母音(u)との結合した音節であって、それぞれ調音方法が異なり、また、「カンノン」は、抑揚を伴ってなめらかに称呼されるのに対し、「カムノン」は、「カム」と「ノン」との間に息の段落を生じ易く、中間において途切れがちにぎごちなく称呼されるから、全体の音感、語調が相違し、彼此聞き誤るおそれはなく、互いに区別し得るものと判断するのが相当である。
そして、前記「カンノン」と「キャムノン」の各称呼を比較しても、両者は前半部の「カン」と「キャム」の各音において明らかな差異を有するから、称呼において紛れるおそれはないというべきである。
してみれば、本件商標と前記引用各商標をそれぞれ一連に称呼しても、全体の音感、語調が相違し、彼此聞き誤るおそれはなく、互いに区別し得るものと判断するのが相当である。
また、外観、観念において両者が紛れ得るとする事由は見出せない。
してみれば、本件商標は、引用各商標とその称呼、外観及び観念のいずれの点よりしても紛れるおそれのない非類似のものというべきであるから、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当すると認定した原査定は妥当でなく、その理由をもって本願を拒絶することはできない。
その他、本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2001-11-01 
出願番号 商願平10-51656 
審決分類 T 1 8・ 26- WY (Z12)
最終処分 成立  
前審関与審査官 柳原 雪身 
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 野上 サトル
小川 敏
商標の称呼 カンノン、カノン 
代理人 岩木 謙二 

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