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審決分類 |
審判 全部取消 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 126 |
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管理番号 | 1049033 |
審判番号 | 取消2000-30424 |
総通号数 | 24 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-12-28 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2000-04-10 |
確定日 | 2001-11-06 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2624712号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2624712号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第2624712号商標(以下、「本件商標」という。)は、「GEN」の文字を横書きしてなり、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、平成3年6月28日に登録出願、同6年2月28日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 請求人が市場を調査したところ、本件商標が商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれかにより、少なくとも過去3年間にその指定商品のいずれかについて使用された事実を発見できなかった。 したがって、本件商標は商標法第50条第1項によってその登録は取り消されるべきものである。 3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。 商標権者は本人が主催する国際自然医学会を通じて、本件商標を日本国内において3年以内に使用しているものである。 商標権者である森下敬一は、血液生理学を専攻し、「消ガン」と「長寿」を目指す自然医学の基礎理論を提唱し、1970年に自然医学会(国際自然医学会)、(社)生命科学協会、お茶の水クリニックを創設したものである。 この国際自然医学会において、森下浄血理論に基づく自然医学の健康運動を、国民的な運動に発展させるべく、地域や各分野で活動する食養指導者を養成する目的で、森下フードコンサルタント養成講座を1972年4月に開講した。その修了生の集まりである薫風会の機関紙「薫風」を1973年11月より創刊した。この機関紙「薫風」は、1978年4月号より「ゲン(Gen)」と改名し、会の名称も全国森下フードコンサルタント協会に変更した。 「ゲン(Gen)」は毎月1回定期刊行物として、発行され、1988年12月1日まで刊行されていたが、現在休刊中である。 「ゲン(Gen)」が休刊されている理由としては、当初の森下フードコンサルタント養成講座の目的が食事療法の基礎講座に相当するものであったが、森下氣能医学及び森下血液生態医学の2つの柱を持つ更に高度な内容の講座に発展させるため、その研究の実証のためにこの養成講座も現在休止しているものである。 しかしながら、この2つの医学は、今日では、最新の医学内容として具体化しており、来春の上級講座実現を目標として鋭意準備中である。この上級講座が開始されれば、その機関紙である「Gen/ゲン」の再発行も具体化される予定である。 このように、「Gen/ゲン」は、現在休刊中ではあるが、養成講座の修了生から、この雑誌のバックナンバーを入手したいという希望者が多数でたため、保存版として、バックナンバーを再編集して、1999年10月に「Gen/ゲン」というタイトルで1-4号発行し、修了生に実費販売したものである。 この雑誌は、通常の印刷物とは異なり、書店に卸して一般向けに販売するものではなく、修了生に対しての個別販売であるため、通常の注文書・納品書等の証拠は提出できないものである。 しかしながら、この保存版を購入した修了生のこの本をいつ、いくらで購入したかという証明書(乙第1号証及び乙第2号証)を提出するので、これにより、本件商標の使用は、証明できるものである。 尚、本件商標は、「GEN」と全て大文字であるが、使用に係る商標は、「Gen」である。 しかしながら、大文字と小文字の相違は、称呼・観念が同一である限り、社会通念上同一の商標として認められるから、「Gen」の使用は、本件商標の使用といえるものである。 3 当審の判断 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 しかして、商標法第50条の適用上、「商品」というためには、市場において独立して商取引の対象として流通に供される物でなければならない。 そこで、被請求人の提出した乙第1号証、乙第2号証及び被請求人の主張によれば、被請求人は、フードコンサルタント養成講座を1972年4月に開講し、その修了生の集まりの機関紙として、「ゲン(Gen)」を発行され(1988年12月1日まで刊行されていたが、現在は刊行されていない。)、その研修生に配布されもので、定価も定められていない。 さらに、乙第1号証及び乙第2号証をみれば、過去に発行された機関誌を希望する修了生に、保存版として、バックナンバーを再編集して、修了生に販売したものであり、これを離れて一般向けに販売されているものではなく、独立して取引の対象とされているものではないから、被請求人(商標権者)の使用する商品は商標法上の商品ということはできない。 また、被請求人の主張は、本件商標を使用していないことについての正当な理由とも認められない。 してみれば、本件商標は、商標権者により、継続して本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-09-05 |
結審通知日 | 2001-09-11 |
審決日 | 2001-09-26 |
出願番号 | 商願平3-67148 |
審決分類 |
T
1
31・
-
Z
(126)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 飯山 茂、澁谷 良雄 |
特許庁審判長 |
小松 裕 |
特許庁審判官 |
高野 義三 前山 るり子 |
登録日 | 1994-02-28 |
登録番号 | 商標登録第2624712号(T2624712) |
商標の称呼 | ジイイイエヌ、ジェン、ゲン |
代理人 | 小沢 慶之輔 |
代理人 | 磯野 道造 |