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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z19 |
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管理番号 | 1048810 |
審判番号 | 審判1999-4125 |
総通号数 | 24 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-03-12 |
確定日 | 2001-10-03 |
事件の表示 | 平成 9年商標登録願第163542号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ガーデニングガレージ」の片仮名文字を標準文字により表してなり、第19類「車庫組立セット(金属製のものを除く。)」を指定商品として、平成9年10月1日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、指定商品との関係において、いわゆるガーデニング(ベランダ園芸)に使用することのできる構造を備えた「車庫組立セット(金属製のものを除く。)」を認識させるにとどまる「ガーデニングガレージ」の片仮名文字を書してなるにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記のとおり「ガーデニングガレージ」の文字よりなるところ、その構成前半の「ガーデニング」の文字(語)は、「園芸、造園」(広辞苑第五版)、「庭づくりや植物の手入れのこと」(現代用語の基礎知識1999年版)を意味する語であって、日常生活において普通一般に使用されているものである。 また、後半部分の「ガレージ」の文字は、前出の広辞苑第五版によれば「自動車の車庫」との記載があるように、一戸建て住宅等において普通一般に設置される建築物(設備)を指称するものである。 ところで、最近のガーデニングブームと住宅やビル等の「屋上緑化システム」との関連についてみると、例えば以下のような新聞記事に接することができる。 1999年11月4日付け日経産業新聞20頁には、「ビル・住宅向け屋上緑化システム、屋根に広がるガーデニング・・軽量・施工性向上」の見出しの下、「集合住宅やオフィスビルの屋上などに草木を植える『屋上緑化』が人気を集め、関連システムの商品化が相次いでいる。都市空間の緑化が十分とはいえないなかで、人気のガーデニングと屋根というスペースの有効活用に着目して新しい市場の形成をねらっている。また、建物に自然の潤いを持たせるという景観上の理由にとどまらず、建物の表面温度の上昇を抑え、省エネに役立てるという実用的なメリットを行政側も注目し始めた」との記載がある。 また、「ガーデニング」と「ガレージ」との関連についてみるに、1998年10月22日付け東京新聞朝刊27頁には、「ガーデニングは元大工にお任せ 愛知県大府市シルバー人材センター」の見出しの下、「・・大府市内の注文主に家のガレージの横に、フジ棚のようなバーゴラとよばれるものや、木を格子状に組んだトレリスを取り付け、同時にガレージ上の花壇の周囲も飾るガーデニング作業の現場だ。・・」との記載がある。 同じく、2000年9月23日付け読売新聞朝刊26頁には、「地球に優しい園芸 化学肥料・殺虫剤使わずに いい土作り、剪定に注意」の見出しの下、「・・東京・世田谷区の佐々木功子さん(60)は、92年から、自宅のガレージの上に作ったバルコニーでガーデニングに取り組んでいる。現在は、アイビー、スプレンゲリーなどの観葉植物や、パンジー、ユリ、ミニバラなど数十種類の植物を育てており、四季折々の花が咲き誇る。・・」との記載がある。 さらに、関連するインターネット、ホームページ情報をみるに、「ミサワホーム」の「misawa media net」(http://www.330.co.jp/MMN/HOMECLUB/specia107.html)には、「住まいとエクステリアのトータル設計から生まれるメリット」の見出しの下、「・・例えば、敷地を有効活用した車庫スペースの設け方として・・ガレージの屋上をガーデニングを楽しむ場所として利用するタイプなどがあります。・・」との製品情報が紹介されている。 以上、認定の事実を総合すれば、近時のガーデニングブームに乗って、ビルや住宅、ガレージ等の屋上等にガーデニング仕様の設計・施工が広く行われており、それに対応して屋上等のスペースを利用してのガーデニングするための各種用品又は関連建築資材の販売が行われていることか認められる。 以上のような事情から、本願商標「ガーデニングガレージ」をその指定商品である「車庫組立セット(金属製のものを除く。)」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、該商品がガーデニングに適した特殊なフレーム等を利用したガレージ組立セットに係る商品であること、すなわち、商品の品質、機能又は用途を表示したものと理解するにとどまり、それをもって、自他商品の識別標識とは認識し得ないもの判断するのが相当であり、また、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。 してみれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-07-19 |
結審通知日 | 2001-08-03 |
審決日 | 2001-08-16 |
出願番号 | 商願平9-163542 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Z19)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 三澤 惠美子 |
特許庁審判長 |
原 隆 |
特許庁審判官 |
野上 サトル 渡口 忠次 |
商標の称呼 | ガーデニングガレージ、ガーデニング |
代理人 | 岡村 憲佑 |