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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 027 |
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管理番号 | 1047413 |
審判番号 | 取消2000-30234 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-11-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2000-02-28 |
確定日 | 2001-10-01 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3264888号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第3264888号商標の指定商品中「敷き物、壁掛け(織物製のものを除く。)、ござ、花むしろ、人工芝」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第3264888号商標(以下、「本件商標」という。)は、「Anjo」の欧文字と「アンジョー」の片仮名文字とを上下二段に横書きした構成よりなり、第27類「敷き物、壁掛け(織物製のものを除く。)、畳類、洗い場用マット、人工芝、プラスチック製の壁板、壁紙」を指定商品として、平成6年4月28日に登録出願、平成9年2月24日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品中「敷き物、壁掛け(織物製のものを除く。)、ござ、花むしろ、人工芝」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。 よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。 (2)弁駁の理由 (ア)被請求人の提出した乙第1号証のパンフレットの商品については、その用途等の記載がされていないとしても、常識的にみればその商品は「浴室用のマット」である。事実、乙第1号証のパンフレットの右下部分には注意書きがあり、「浴室用スノコ・マット以外には、使用しないでください。」と記載されている。 そうすると、乙第1号証のパンフレットの商品は、「浴室用スノコ・マット」専用の商品であって、本件商標の指定商品中の第27類「洗い場用マット」の範疇に属する商品であり、商品「敷物」の範疇に入るものではない。 したがって、乙第1号証によっては、本件審判請求に係る指定商品中「敷き物、壁掛け(織物製のものを除く、)、ござ、花むしろ、人工芝」のいずれかについて、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標を使用していることの証明をしているとはいえない。 (イ)乙第2号証のパンフレット中の右下に見える商品については、そのパンフレットには用途等の記載がされていないとしても、常識的にみればその商品は「浴室用のマット」である。そして、この商品(ピンク色)が乙第1号証のパンフレットの実際の商品であることは、乙第2号証の右下表中の「JANコード」(ピンク色側)と乙第1号証の「バーコード」の下6桁の番号が同じであること、及び乙第1号証の「バーコード」の上7桁も乙第2号証の一番下の右部分に記載されている「メーカーコード」と一致していることで解る。 したがって、乙第2号証によっても、本件審判請求に係る指定商品中「敷き物、壁掛け(織物製のものを除く,)、ござ、花むしろ、人工芝」のいずれかについて、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標を使用していることの証明をしているとはいえない、 (ウ)被請求人は、答弁書にて、「本件商標を使用している商品「敷物」は浴室が主な使用場所であるとしても、裏面が吸盤状となっており、床面との密着性が優れているので玄関マットないし靴ぬぐいマットとしても充分使用できるものである。」とした見解を述べている・ しかしながら、上記述べたように、乙第1号証及び乙第2号証の商品は、常識的に判断すれば「浴室用スノコ・マット」以外のなにものでもないし、事実、乙第1号証の商品パンフレットの右下部分の注意書きには「浴室用スノコ・マット以外には、使用しないでください)」と記載されている。 つまり、乙第1号証及び乙第2号証の商品は「浴室用スノコ・マット」の商品として以外にはその品質を保証されていないことが解り、商取引上において乙第1号証及び乙第1号証の商品は、「浴室用スノコ・マット」専用として取り引きされ、流通していること明白である。 (エ)乙第1号証及び乙第2号証はともに、日付の記載がなく、本件商標の使用時期が特定できない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。 本件商標は、乙第1号証及び乙第2号証の各パンフレットに示すとおり、本件商標の所有者である東プレ株式会社によって、商品「敷物」について実際に使用に供されており、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべき理由は何ら存在しない。 なお、本件商標を使用している商品「敷物」は浴室が主な使用場所であるとしても、裏面が吸盤状となっており、床面との密着性が優れているので玄関マットないし靴ぬぐいマットとしても充分使用できるものである。 該当商品についての実際の取引事例については必要に応じ提出致する。 4 当審の判断 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 これを本件についてみるに、被請求人が、本件取消審判の請求に係る商品中「敷物」について、本件商標を使用している事実を証明するものとして提出したのは「商品パンフレット」とする乙第1号証及び乙第2号証のみである。 そこで、乙第1号証をみるに、該パンフレットには、具体的商品が明示されてないとしても、その「うたい文句」、「商品の特長」及び「安全上の注意」の各記載事項に照らせば、そのパンフレットは「浴室用スノコ・マット」に関する商品のためのものであるというのが相当であり、また、乙第2号証のパンフレット中、右下に掲げてある商品は、その形状、構造からみて「浴室用スノコ・マット」であると看取し得るものである。 そうすると、上記商品は専ら浴室に用いる商品であり、その用途、材質、製造者及び販売場所等の異なる「靴ぬぐいマット、毛皮の敷物及びじゅうたん」等の商品が属する「敷物」の範囲に属する商品といえない。 さらに、乙第1号証及び乙第2号証の該パンフレットからは、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用されていたものであること、即ち、具体的にどの時期に、どの地域で取引きしたものか等の点について客観的に認めることはできず、それら状況は不明というほかないから、提出に係る乙各号証の該パンフレットのみをもってしては、本件商標がその指定商品について使用されていたものとは認められない。 その他、本件商標がその指定商品について使用されていることを示す証拠はない。 してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)により、本件審判請求に係る指定商品について使用されていたものとは認められず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとは認められない。 なお、被請求人は、本件商標を使用している商品「敷物」は、浴室が主な使用場所であるとしても、裏面が吸盤状となっており、床面との密着性が優れているので玄関マットないし靴ぬぐいマットとしても充分使用できるものである。また、該当商品についての実際の取引事例については必要に応じ提出致する旨述べているが、本件商標の使用に係る当該商品は、「敷物」の範囲に属さないこと上記認定のとおりであって、玄関マットないし靴ぬぐいマットとは、自ずとその機能、構造等が異なり、一般市場でこれにも使用できることを目的として製造され又は取引される商品と解することはできず、かつ、被請求人が提出した乙第1号証及び乙第2号証の該パンフレットは、「浴室用スノコ・マット」に関する商品に限定して商取引のための媒体として流通に供されるものといえるから、その点を無視して述べる被請求人の主張は単に事情を述べるに止まるものであって妥当でなく、採用の限りでない。また、被請求人は、請求人の上記2(2)の弁駁の後、相当の期間を経過した現在に至るも、何ら、証拠資料を提出するところがない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-08-02 |
結審通知日 | 2001-08-07 |
審決日 | 2001-08-20 |
出願番号 | 商願平6-43016 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(027)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 飯山 茂、渡邉 健司 |
特許庁審判長 |
小松 裕 |
特許庁審判官 |
大川 志道 高野 義三 |
登録日 | 1997-02-24 |
登録番号 | 商標登録第3264888号(T3264888) |
商標の称呼 | アンジョー |
代理人 | 八鍬 昇 |
代理人 | 玉田 修三 |