ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない Z16 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z16 |
---|---|
管理番号 | 1047193 |
審判番号 | 不服2000-5518 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-11-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-03-15 |
確定日 | 2001-08-17 |
事件の表示 | 平成11年商標登録願第42724号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第16類「紙類,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),事務用又は家庭用ののり及び接着剤,製図用具」を指定商品とし、平成11年5月18日に立体商標として登録出願されたものであり、その指定商品については同11年12月16日付提出の手続補正書により、「消しゴム」に補正されているものである。 2 原査定の理由 原査定は、「本願商標は、『消しゴム』の形状を表示したものと容易に理解し得る立体的形状からなるにすぎないことから、これをその指定商品中『消しゴム』に使用したときは、その商品の形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状と色彩とが結合された標章をも含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。 そして、商品等の形状に特徴的な変更や色彩等の装飾が施されていても、それは前記したように、商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者・需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。 また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。 そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状と色彩とが結合された商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者・需要者間において、当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。 (2)これを本願についてみれば、本願商標は、別掲のとおり、消しゴム及びそのカバー(包装)の立体的形状よりなり、該カバーの正面部分全体には、上から青、白、黒の色彩が、そして、同側面部分全体には、上から黒、白、青の色彩が、それぞれストライプ状に施されているものである。 ところで、消しゴムを取扱う業界においては、商品「消しゴム」のカバー(包装)等には、商品の美感を発揮させるため、若しくは需要者の注意を惹く目的等で、商品の出所を表示するための識別標識以外の装飾的な種々の文字、図形等及び色彩が使用されているとみられるばかりでなく、商品自体にも、種々の色彩が使用されているとみられるところである。 そうとすれば、商品のカバーの正面部分及び側面部分全体に、ストライプ状に青、白、黒の色彩が施された本願商標をその指定商品に使用しても、取引者・需要者は、単に商品の美感等を発揮するために装飾、模様等が施された商品「消しゴム」の形状の一形態を表示するにすぎないものとして理解するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。 なお、請求人は、「本願商標は、請求人所有の登録第4268401号商標と色彩、構成を同じくする図形商標を立体商標化したものである」旨主張する。 しかしながら、請求人が挙げる上記登録商標は、平面標章であって、それ自体で自他商品の識別標識として認識されるものであるのに対し、本願商標のように、カバーの正面部分及び側面部分全体に青、白、黒の色彩がストライプ状に施されている場合には、上記したように、商品の美感等をより発揮させるための装飾、模様等とみられるといわざるを得ないから、本願商標と請求人所有の既登録商標とは事案を異にするものであり、請求人の主張は採用することができない。 また、請求人は、本願商標は、昭和44年頃より、商品「消しゴム」に使用された結果、取引者、需要者間で周知、著名となっている旨主張する。 しかしながら、請求人は、その事実を立証する証拠を何ら提出していないから、該主張も採用することができない。 (3)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、同法第3条第2項の要件を具備するものとも認められないから、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
【別 掲】 本 願 商 標 (色彩については原本を参照されたい。) |
審理終結日 | 2001-06-12 |
結審通知日 | 2001-06-15 |
審決日 | 2001-06-26 |
出願番号 | 商願平11-42724 |
審決分類 |
T
1
8・
17-
Z
(Z16)
T 1 8・ 13- Z (Z16) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 飯島 袈裟夫 |
特許庁審判長 |
為谷 博 |
特許庁審判官 |
久保田 正文 小林 由美子 |
代理人 | 上田 克巳 |