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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 125
管理番号 1047148 
審判番号 取消2000-31007 
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-11-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2000-08-29 
確定日 2001-09-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第2154392号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2154392号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、昭和46年10月8日に登録出願、平成1年7月31日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第31号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において使用された事実が存在しない。
本件商標には、商標登録原簿を見るも、専用使用権及び通常使用権のいずれも設定登録されておらず、専用使用権者及び通常使用権者が存在しないものと推定される(甲第1号証の2)。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(イ)被請求人は、本件商標の使用事実を示すとして乙第4号証を提出しているが、乙第4号証に示された標章(以下、「使用標章」という。)はいずれも本件商標とは同一あるいは社会通念上同一と認められるものではないので、本件商標の使用事実は何ら立証されていない。
(ロ)東京高裁昭和60年9月3日判決(まるよね事件)は、不使用取消審判において「登録商標を使用しているか否かの認定は、使用に係る商標が登録商標と社会通念上同一のものと認識しうるか否かによって決すべきものであり、判断に当たっては、登録商標に係る指定商品の属する産業分野における商取引の実情を考慮する必要があるものと解するのが相当である。」と判示している(甲第2号証)。
また、不使用取消審判については、平成8年の商標法改正で、登録商標と「社会通念上同一と認められる商標」の使用があれば不使用取消しを免れることができる旨の規定が設けられ、その例示として「外観において同視される図形からなる商標」が挙げられている(商標法第50条第1項)。そして、「外観において同視される図形からなる商標」については、審判便覧に具体例が示されている(甲第3号証)。
(ハ)そこで、本件商標に係る指定商品の属する産業分野における商取引の実情を考慮しつつ、使用標章が本件商標と「外観において同視される図形からなる商標」に該当するか否かについて検討する。
本件商標は、笑顔マークあるいはスマイルマークなどと一般に呼ばれるもので、顔の輪郭を表す丸の中に、一対の目と円弧状の口を配した図柄であり、その要素が3つと少なく、かつ構成が、極めて簡単であるため、その丸の形、一対の目の位置及び形並びに円弧で描かれている口の位置及び形により、多種多様な表示方法が可能であるという特色がある。
そのため、本件商標に係る指定商品に属する産業分野において、多種多様な表示方法の笑顔マークが、商標として登録されまた商品のデザインとして使用されている(甲第4号証ないし甲第31号証)。それゆえ、笑顔マークにあっては、顔の輪郭、目や口の形状及び配置等の表示方法の異同が、商標の同一性に重大な影響を及ぼすことは明らかである。
(ニ)そこで、本件商標と使用標章をその外観について対比すると、両者は目の位置や間隔、口の位置や形状においてその表示方法を著しく異にしているから、詳細に検討するまでもなく、「外観において同視される図形からなる商標」に該当しないことは明らかである。
してみれば、使用標章は、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められないものであるから、その使用をもって本件商標の使用があったとすることはできないというべきである。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)被請求人は、1963年末に米国マサチューセッツ州ウスター市で本件商標「スマイリー・フェイス」を創作した。
そして1998年2月2日に日本国内の「ジャス・インターナショナル株式会社(代表取締役 高橋 功)」(以下、「ジャス・インターナショナル」という。)と、本件商標を使用した総合的な商品化契約を行った。
そのことを示す、被請求人からジャス・インターナショナルに宛てた「委任状」を提出する(乙第1号証)。その後、被請求人は、1999年8月18日に本件商標の前権利者「株式会社国際貿易」より商標権の譲渡を受けた(乙第2号証)。
現在、ジャス・インターナショナルは、「株式会社プールクール」、「バーゼル株式会社」、「株式会社奥山商会」、「マルカイコーポレーション株式会社」、「株式会社山野紙業」、「株式会社カミオジャパン」、「スルガ株式会社」及び「南貿易株式会社」の8社とサブ・ライセンス契約を締結し、本件商標を使用した商品化事業を行っている。各企業との契約を示す「サブ・ライセンス契約書」を提出する(乙第3-1号証ないし乙第3-8号証)。
上記のサブ・ライセンス契約に基づき、上記8社は直ちに商品化販売を行っている。各企業の商品カタログ及び売上報告書を提出する(乙第4号証及び乙第5号証)。
よって、本件商標は、請求日に遡る3年間について実際に使用している。

4 当審の判断
被請求人は、ジャス・インターナショナルと契約(1999年5月1日)し、本件商標を使用して各種文具、紙製品の商品化を行う事について合意していることが認められる(乙第1号証)。
さらに、ジャス・インターナショナルは、「株式会社プールクール」、「バーゼル株式会社」、「株式会社奥山商会」、「マルカイコーポレーション株式会社」、「株式会社山野紙業」、「株式会社カミオジャパン」、「スルガ株式会社」及び「南貿易株式会社」の8社とサブ・ライセンス契約を締結していることが認められる(乙第3-1号証ないし乙第3-8号証)。
つぎに、前記した各社の商品カタログ(乙第4号証)において、各種紙製品、文房具に使用している使用標章と本件商標とを比較すると、色彩を施してなるか否かの違い、図案化した目の大きさ、図案化された口の部分の差異及びその位置に些細な違があることは認め得るとしても、全体の構成は、ほぼ同一の印象を与えるばかりでなく、同一視されるものであるから、使用標章は、本件商標と社会通念上同一のものというのが相当である。
しかして、前記した各社の商品カタログ及び月間販売高報告書並びに株式会社カミオジャパンの商品カタログ(2000年6月発行)に徴すれば、審判請求登録前3年以内に日本国内において、請求に係る商品に属する「紙製品、文房具」に使用していたことも認められる(乙第4号証及び乙第5号証)。
してみれば、本件商標は、商標権使用許諾者により、審判請求登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品について使用していたものと認める。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本件商標


審理終結日 2001-06-15 
結審通知日 2001-06-29 
審決日 2001-07-27 
出願番号 商願昭46-109743 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (125)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小泉 勝義佐久間 光夫宮田 金雄 
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 高野 義三
大川 志道
登録日 1989-07-31 
登録番号 商標登録第2154392号(T2154392) 
代理人 高田 修治 

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