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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z03
管理番号 1045666 
異議申立番号 異議2000-90473 
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2001-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-05-12 
確定日 2001-07-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第4355627号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4355627号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4355627号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年5月27日に登録出願され、「ナイト&リペア」と「NIGHT&REPAIR」の文字を二段に併記してなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同12年1月28日に設定登録されたものである。

2.登録異議の申立ての理由
本件商標は、昭和57年12月20日に登録出願され、「NIGHT REPAIR」の文字を横書きしてなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く。)歯みがき 化粧品(薬剤に属するものを除く。)香料類」を指定商品として、平成10年2月20日に設定登録されている登録第4114988号商標(以下、「引用商標」という。)と類似するものであり、かつ、両者の指定商品は抵触するものである。また、引用商標は本件商標の登録出願前より、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が販売する「化粧品」を表示するものとして日本国内において周知となっていたものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当する。
さらに、引用商標は、申立人の業務に係る商品「化粧品」に使用されて取引者・需要者の間に広く認識されている商標であるところ、本件商標と引用商標は類似するものであり、かつ、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由
本件商標は、「ナイト&リペア」と「NIGHT&REPAIR」の文字とを二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品とするものである。
他方、登録異議申立人「エスティ ローダー コスメティックス リミテッド」(以下、「申立人」という。)の提出に係る甲各号証によれば、「NIGHT REPAIR」の文字を横書きしてなり、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする引用商標は、本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品「美容液」の商標として取引者・需要者の間において広く認識されていたものと認められる。
ところで、本件商標は、上記のとおりの構成よりなるところ、その構成中「&」の文字は二つの語を結び付ける記号として使用されるものである。そして、本件商標は、「NIGHT」「ナイト」と「REPAIR」「リペア」の両文字(語)の組合せよりなるものとしてこれが強く印象、記憶されるものであるから、同じく「NIGHT」と「REPAIR」の両文字(語)を組み合わせてなる引用商標とは、その印象、記憶される部分において共通性を有するものである。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合、前記周知、著名な引用商標を連想又は想起するといわざるを得ず、申立人の業務に係る商品、若しくは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見
(1)本件商標は、「ナイト&リペア」および「NIGHT&REPAIR」の文字を、それぞれ同書、同大、同間隔に、一体不可分の構成態様をもって表示されているものであることから「ナイトアンドリペア」として強く印象、記憶されるものであるのに対し、引用商標は「ナイトリペア」として印象、記憶されるものであるから、全く別異な商標といわざるを得ない。
(2)申立人が提出した証拠からも明らかなように、商標「NIGHT REPAIR」を付したナイトリペア製品は、「夜間の回復効果」を謳った製品であり、「NIGHT REPAIR」自体が効能効果の指標として使用されていることから、当該製品に係る一般の消費者においては、該製品をエスティーローダー社から販売されている「夜間の回復効果用製品」として認識し、購入しているものと考えられる。
即ち、「NIGHT REPAIR」が申立人の業務に係る商品「美容液」の商標として取引者・需要者の間において広く認識されている商標だとしても、「NIGHT REPAIR」自体それほど強い識別力を持ち得ない商標であることから、一般の消費者をしてみても、これを「NIGHT REPAIR」と一連風(一語風)に理解し、構成全体をもって印象的、記憶的に捉えるとみるのが経験則上も正しく、又、構成全体の印象でもって取引に当たるとみるのが妥当であり、「NIGHT」と「REPAIR」を単に組み合わた商標として捉えるべきものではない。同様に、本件商標にしてみても、単に「ナイト」「NIGHT」と「リペア」「REPAIR」を組み合わせた商標として理解されるべきものではなく、構成全体の印象でもって取引に当たるとみるのが妥当である。
つまり、本件商標「NIGHT&REPAIR?ナイト&リペア」(ナイトアンドリペア)と引用商標「NIGHT REPAIR」(ナイトリペア)とは全く別異な商標であり、他に両者が紛れ得るとする点は見出せないものであるから、本件商標をその指定商品に使用したとしても出所の混同を生じるおそれはない。

5.当審の判断
本件商標は、前記のとおり、「夜、夜間」の意味を有する「ナイト」「NIGHT」と「修繕、手入れ」の意味を有する「リペア」「REPAIR」の文字の間に「&」を配した構成よりなるところ、その「&」が、英語における接続詞「and」(・・・と・・・、・・・および・・・)の略記号として一般に親しまれているものであるから、「ナイトとリペア(夜間と手入れ)」の意味合いを表示したものとして理解されるといい得るものである。
そうとすると、本件商標は、その商標中の「&」が、前後の語を単に結合するにすぎない記号と認められるものであるから、顕著に表された「ナイト」と「リペア」及び「NIGHT」と「REPAIR」の文字部分のみが看者の記憶に残るというべきである。
そして、本件商標は、その商標中の「&」を含めて全体として称呼するときは「ナイトアンドリペア」と比較的冗長であること及び上記認定を併せ考慮すれば、簡易迅速を旨とする商取引においては、「&」の部分が省略され、「ナイト」と「リペア」及び「NIGHT」と「REPAIR」の文字より生ずる「ナイトリペア」の称呼をもって取引される場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そして、申立人提出の甲各号証によれば、引用商標「NIGHT REPAIR」は、申立人の業務に係る商品「美容液」を表示する商標として、本件商標の登録出願時には、既に、取引者・需要者の間に広く認識されていた事実を認め得るものである。
そうとすれば、本件商標は、その構成中の看者の記憶に残る「NIGHT」と「REPAIR」の欧文字部分が申立人の著名商標「NIGHT REPAIR」と綴り字を同じくするものであるから、これをその指定商品に使用するときは、取引者・需要者をして、該商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものとして、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものである。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2001-03-07 
出願番号 商願平10-44676 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (Z03)
最終処分 取消  
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 為谷 博
小池 隆
登録日 2000-01-28 
登録番号 商標登録第4355627号(T4355627) 
権利者 ホーユー株式会社
商標の称呼 ナイトアンドリペア 
代理人 高橋 美智留 
代理人 福島 栄一 

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