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審決分類 審判 全部無効 商4条1項16号品質の誤認 無効としない 104
審判 全部無効 称呼類似 無効としない 104
管理番号 1043711 
審判番号 無効2000-35327 
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-09-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-06-16 
確定日 2001-07-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第2723750号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2723750号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ケミコスヘアミルク」の片仮名文字を横書きしてなり、平成1年3月1日に登録出願、第4類「ヘアークリーム、ヘアーシャンプー、ヘアーコンディショナ一」を指定商品として、平成9年12月5日に設定の登録がされたものである。

2 引用商標
請求人が本件商標の無効を述べる理由に引用する登録第2044129号商標(以下、「引用商標」という。)は、昭和60年4月5日に登録出願され、「カミコス」の片仮名文字と「KAMICOS」の欧文字とを上下2段に横書きしてなり、第4類「せっけん類(薬剤にするものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、昭和63年4月26日に設定の登録、平成10年5月26日に存続期間の更新登録がなされたものである。

3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第10号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記のとおり「ケミコスヘアミルク」の文字を書してなるところ、その構成中後半の「ヘアミルク」の文字部分は、本件商標の登録査定時までに、化粧品業界において商品の種類名として一般に使用されていたものであるから、本件商標中自他商品の識別機能を果たす部分は「ケミコス」の文字部分であるということになる(甲第5号証)。
したがって、本件商標より「ケミコス」の称呼をも生じる。
他方、引用商標は、「カミコス」と「KAMICOS」の文字を2段に書してなるものであるから、これより「カミコス」の称呼が生じること明らかである。
そこで、本件商標から生じる「ケミコス」の称呼と引用商標から生じる「カミコス」の称呼を比較すると、両商標は語頭の「ケ」と「力」において相違するのみであって、その相違音「ケ」と「カ」は、50音図中、同行に属し、子音〔k〕を共通にする近似音であるから、「ケ」の音と「カ」の音は称呼上聴別しにくい音である。また、両商標は特定の観念もしくは何らかの暗示を看取させることのない造語商標であることから、これらを一連に称呼するときは、語調、語感が相似たものとなり、称呼上、類似の商標であることは疑いのないところである。
本件商標の出願における原査定において、『本願商標は、「ケミコスヘアミルク」の文字を書してなるところ、該文字中「ヘアミルク」の部分は、指定商品との関係において、「ミルク状のヘアクリーム」を容易に認識するものであるから、自他商品の識別機能を果たす部分は「ケミコス」の文字にあり、これより「ケミコス」の称呼を生じる。他方、引用商標より「カミコス」の称呼を生じる、してみれば、両者は「ケ」と「カ」の差異を有しているが、「ケ」と「カ」は同行音に属する近似する音であるから、これらをそれぞれ一連に称呼するときには、語調、語感が相似たものとなり、類似商標たるを免れない。』とする判断は至当なものである(甲第4号証)。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、上記のとおり「ヘアークリーム、ヘアーシヤンプー、ヘアーコンデイシヨナー」を指定商品として登録されたものである。
しかし、本件商標の構成中の「ヘアミルク」の用語は、本件商標の登録査定時までに、頭髪用化粧品に属する「ヘアクリーム」について、その性状が「乳液状」であることを表わすものとして(甲第4号証、甲第6号証、甲第7号証)、化粧品業界で一般に使用されているから(甲第5号証、甲第8号証ないし甲第10号証)、本件商標をその指定商品中の「ヘアーシヤンプー」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じることになる。

4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を以下のように述べた。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ケミコスヘアミルク」の構成文字よりなるところ、その構成中後半の「ヘアミルク」の文字部分は、「液状、乳液状、クリーム状」等の意味を有するものであるから、自他商品の識別標識として機能を果たし得る文字部分は、前半部分の「ケミコス」の文字にあるものである。
してみれば、本件商標は「ケミコスヘアミルク」の称呼のほか、「ケミコス」の称呼をも生じるものである。
他方、引用商標は、「カミコス」「KAMICOS」の文字に相応して、「カミコス」の称呼を生じるものである。
そこで、両者の称呼を比較するに、まず本件商標より生じる「ケミコスヘアミルク」の「ケミコス」と引用商標より生じる「カミコス」とは、4音構成の比較的短い称呼であり、重要な要素を占める語頭音を差異音とし、該差異音は、いずれも破裂音「ケ」と「カ」であって、極めて明瞭に発音されるばりでなく、その後に続く「ミ」の音が弱い音であるところから、一層明確な音となり、両者をそれぞれ称呼したときは、語頭音の「ケ」と「カ」が明瞭に発音され聴取されることにより、上記の差が比較的短い音構成の称呼全体に及ぼす影響は極めて大きいものであり、称呼上相紛れるおそれはないものである。
そうとすると、請求人が類似とする主張は、平成2年8月21日付け拒絶査定と同趣旨のものであり、この点は既に審判で審理され、本件商標と引用商標とが非類似商標と判断されたものであるから、理由がない。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本件商標の構成中の「ヘアミルク」の文字は、商品の品質を表すものとしてもすでに被請求人は自発補正により、指定商品を減縮補正し、審判での審理の結果、登録されたものであるから、商標法第4条第1項第16号には該当しない。

5 当審の判断
本件商標は、上記のとおり「ケミコスヘアミルク」の文字を書してなり、第4類「ヘアークリーム、ヘアーシャンプ一、ヘアーコンディショナ一」を指定商品とするものであるところ、請求人は、本件商標には、商標法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたとする無効事由が存在すると述べているので、その当否について判断する。
(1)商標法第4条第1項第16号について
請求人の提出に係る甲第6号証「香粧品科学」(日本毛髪科学協会1976年12月1日発行)、同じく甲第7号証「コンサイス外来語辞典第4版」(株式会社三省堂1987年4月1日発行)、同じく甲第8号証「1984 cosmetics in japan 日本の化粧品総覧」(株式会社週刊粧業 昭和58年9月10日発行)、同じく甲第9号証「1989 cosmetics in japan 日本の化粧品総覧」(株式会社週刊粧業 昭和63年9月26日発行)、同じく甲第10号証「1992 cosmetics in japan 日本の化粧品総覧」(株式会社週刊粧業 平成3年10月20日発行)によれば、主として頭髪用化粧品に「ヘアミルク」の表示が使用されていることは認め得るとしても、これら甲各号証には、「ヘアミルク」の文字が具体的に如何なる商品を指称し、また、如何なる品質(性状)のものであるのかについての明確な記載、説明がなされておらず、その品質を特定し難いものであるから、これらの証拠によっては、俄に「ヘアミルク」の文字が限定的な特定商品の品質(性状)等を表すものとして普通に使用されているとまで認めることはできない。
してみれば、商品「化粧品」を取り扱うこの種業界において、「ヘアミルク」の文字が請求人のいうところの「頭髪用化粧品」に属する「ヘアクリーム」についてのみ、その性状が「乳液状」であることを表すものとして普通に使用されているとの点は明かでなく、また、他に「ヘアミルク」の文字がヘアクリームの品質(性状)のみを表す商品の種類名であるとするに足りる証左は見出せない。
そうすると、本件商標中の「ヘアミルク」の文字が特定商品の品質(性状)等を表すものとは認め難いものであるから、これをその指定商品中「ヘアーシヤンプー」について使用された場合、商品の品質について誤認を生じるおそれはないものといわなければならない。その他、本件商標がその指定商品について使用された場合、商品の品質について誤認を生じるおそれがあるものとすべき事実は認められない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当するものということはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成前記に示すとおり、「ケミコスヘアミルク」と外観上まとまりよく一連に表されてなり、視覚上一体的に看取し得るものであり、かつ、これより生ずるとみられる「ケミコスヘアミルク」の称呼もさほど冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ構成中の「ヘアミルク」の文字部分がその用途向き等を想起させる故に前半の「ケミコス」の部分をもって取引に資される場合があるとしても、引用商標より生ずる「カミコス」の称呼とは語頭音の差異が明瞭であって彼此聴き誤るおそれはなく、また、その外観及び観念において両者が紛れるとする事由も見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりしても互いに区別し得る非類似の商標とみるのが相当である。その他、両商標を類似のものとすべき事由は見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものということはできない。
以上、(1)及び(2)に述べたとおり、本件商標は、前記法条の規定のいずれにも該当するものでないから、その登録は商標法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-05-22 
結審通知日 2001-06-01 
審決日 2001-06-13 
出願番号 商願平1-22780 
審決分類 T 1 11・ 272- Y (104)
T 1 11・ 262- Y (104)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柴田 良一 
特許庁審判長 原 隆
特許庁審判官 高野 義三
野上 サトル
登録日 1997-12-05 
登録番号 商標登録第2723750号(T2723750) 
商標の称呼 ケミコスヘアミルク、ケミコス 
代理人 武石 靖彦 
代理人 吉崎 修司 
代理人 村田 紀子 
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