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審決分類 審判 全部取消 審理一般(別表) 無効としない 128
管理番号 1043497 
審判番号 審判1999-31549 
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-09-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1999-11-19 
確定日 2001-07-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第1581234号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1581234号商標(以下、「本件商標」という。)は、「家の光」の文字を横書きしてなり、第28類「酒類(薬用酒を除く)」を指定商品として、昭和52年9月13日登録出願、同58年4月27日に設定登録、その後、平成6年5月30日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張
(a) 取消事由
本件商標は、その指定商品「酒類(薬用酒を除く)」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出している。
(b) 取消原因
商標法第50条第1項による商標登録の取消しの審判の請求があった場合、同条第2項の規定により、商標権者・専用使用権者または通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品に係る商標登録の取消しを免れない。
しかしながら、本件商標は、商品酒類について、商標権者により継続して3年以上日本国内において使用されていない。また、本件商標の商標権には専用使用権が設定されていない。さらに、当該商標権には通常使用権の登録もなされておらず、通常使用権者も存在しないことが推認される。
したがって、本件商標については、その登録は商標法第50条の規定により取消されるべきである。

3 被請求人の答弁
(答弁の趣旨)
結論掲記の審決を求め、答弁書においてその理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第6号証を提出している。
(1)被請求人は、請求人のこのような断定および推認に対し、本答弁書を以て反証する。
本件商標は、「西尾亮三」(長野県木曽郡大桑村大字須原893番地所在)個人の所有となっていたが、本人並びに本人と親子関係にある「西尾稔夫」(同所同番地所在)が代々代表を務める「西尾酒造株式会社」(同所同番地所在)を通常使用権者として、商品「日本酒」の銘としてこれに付して長年使用されてきたものである。
今回、本件登録商標の権利は、商標権者であった「西尾亮三」の死亡により開始された遺産分割協議を経て、平成12年4月5日付にて息子である「西尾稔夫」に相続による移転登録手続が完了し、これに伴い、被請求人の権利の移転があり、以下、移転後の商標権者が、当該取消審判請求を不当であるとし、答弁するものである。
(2)本件商標「家の光」の使用状況について説明すると、上述したように、本件商標は、権利を取得して以来、被請求人が代表である「西尾酒造株式会社」を通常使用権者として、現在まで継続して使用中ではあるが、ただ残念なことに、本件商標を付した清酒「家の光」は本権利人の主力製品とは云えず、現在、製品カタログには掲載していない。
そこで、カタログ・パンフレット等に匹敵する「使用証明」となり得る、通常使用権者である「西尾酒造株式会社」の商品清酒に関する物件として、以下のものを提示する。
(a) 商品価格表、商品コード表および在庫管理一覧表
平成11年4月27日付「商品価格表」及び平成11年5月7日付「商品コード表」により、清酒「家の光」が、「西尾酒造株式会社」の取扱い商品であることが判る。さらに、平成10年11月29日付「在庫管理一覧表」を見てみると、主力製品「木曽のかけはし」の在庫に比べて「家の光」の在庫は僅かではあるが、清酒「家の光」が確かに「西尾酒造株式会社」にて取扱われている状況を確認することができる。
(b) 「家の光」関連・商品受払元帳
過去3年強(平成8年10月〜)の清酒「家の光」及び上撰「家の光」の各年間出荷明細について商品受払元帳により提示する。
出荷数量は下記のとおりである。(1.8リットルビン、本)
「家の光」 上撰「家の光」
H.08.10.1〜H.09.9.30 186 69
H.09.10.1〜H.10.9.30 153 46
H.10.10.1〜H.11.9.30 86 80
H.11.10.1〜H.12.5.31 41 59
他の銘柄を含めた清酒の出荷数量が、現在の処、年間およそ 60,000本あるが、その中、清酒「家の光」の出荷数量の占める割合は、上記のように、その取引高としては僅少にすぎないが、現に継続して3年以上、製造販売している銘柄の一つであることを証明している。
(c) 商品発送の際の送り状その他
清酒「家の光」は、出荷数としては先細りのような現況ではあるが、被請求人の会社における店売等で購入する個人の方など古くからの愛飲者もおり、引き続き、製造販売をしている銘柄なのである。ちなみに、清酒「家の光」は、地元木曽郡、塩尻・松本市、中津川周辺をはじめ各方面に愛飲者がおり、大正・昭和年間から根強いファンを獲得している清酒である。そこで、一部ではあるが、注文に対する商品の送り状、宅急便の送付控、その際の管理上の物品受領書を提出する。これらより、清酒「家の光」の実際の消費者を伺い知ることができる。
また、当該審判事件を憂慮し、上記した顧客の一人である吉森善昭より、清酒「家の光」を購入し愛飲しているとの証明書をいただいたので、併せて提示する。
(d) 雑誌「家の光」記事(p.59)
社団法人家の光協会発行の、雑誌「家の光」9月号[「家の光」第74巻、第9号(平成10年9月1日発行)]の記事「ニッポンの旅/信濃の国から美濃の国へと木曽路を歩く」の中に、木曽路のおみやげとして西尾酒造株式会社の清酒「木曽のかけはし」が紹介され、その写真の中で清酒「家の光」も共に撮影され紹介されている。
また、「家の光」の銘を商品酒類に使用していた、古くからの使用実績を示すチラシもあるので、添付する。
(e) 清酒「家の光」写真、ラベル、包装袋、請求書他
清酒「家の光」の実際の製品の形態写真および酒ビンに貼付するラベル3種、ビニール包装袋、「家の光」の文字の入った未使用の請求書を提示する。(d)(e)の存在により、本件商標「家の光」を商品酒類に使用していることは、一目瞭然である。
(6)以上、詳述したとおり、(a)〜(e)に示した証拠物件を以て、本件商標についての指定商品「酒類(薬用酒を除く)」が現に取引され、本件商標が継続して3年以上使用されていることが明らかであるから、本件商標は、商標法第50条の規定には該当せず、請求人の取消請求の趣旨が何らの根拠もないものであり、取消の理由が全くないものである。

4 当審の判断
乙第6号証は、商品「清酒」の写真と認められるところ、正面の下側のラベルに本件商標と社会通念上同一と認められる「家の光」の商標が付けられていることが認められる。
乙第4号証をみるに、乙第4号証の1枚目は、通常使用権者である「西尾酒造株式会社」から「大桑村野尻(有)大平屋商店」に宛てた平成11年6月11日付けの「物品受領書」の写しと認められるところ、この書類には商品名に「清酒 家の光」と記載され、「商品コード」、「容量」、「総数量(本)」、「バラ数」、「総容量ml」の欄があり、各欄に必要事項が記入されていることが認められる。
また、乙第4号証の1枚目の下には、通常使用権者である「西尾酒造株式会社」から「(有)大平屋商店」に宛てた平成11年6月11日付「送り状(写)」の写しと認められるところ、この書類には銘柄に「清酒 家の光」と記載され、「酒別」、「容器別」、「数量」の欄があり、各欄に必要事項が記入されていることが認められ、右上に受領印が押されていることが確認できる。
次に、乙第4号証をみるに、乙第4号証の2枚目は、通常使用権者である「西尾酒造株式会社」から「大阪府貝塚市久保413-10 吉森善昭」に宛てた平成11年9月8日付けの「物品受領書」の写しと認められるところ、この書類には商品名に「清酒 上撰 家の光」と記載され、「商品コード」、「商品名」、「容量」、「総数量(本)」、「入数」、「ケース数」、「総容量ml」の欄があり、各欄に必要事項が記入されていることが認められる。
また、乙第4号証の2枚目の下には、通常使用権者である「西尾酒造株式会社」から「大阪府貝塚市久保413-10 吉森善昭」に宛てた平成11年9月8日付「宅急便」の写しと認められる。
そうすると、上記の乙各号証より、本件商標を使用した商取引があったものと認められる。
してみれば、被請求人の提出に係る乙各号証より、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により指定商品中の「清酒」について使用されていたものと認めることができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
以上のとおりであって、請求人の審判請求は、理由がないから成り立たないものとし、審判費用の負担については、商標法第56条第1項、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定を適用して、請求人の負担とすべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-04-25 
結審通知日 2001-05-15 
審決日 2001-06-05 
出願番号 商願昭52-64963 
審決分類 T 1 31・ 0- Y (128)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 市川 久雄 
特許庁審判長 廣田 米男
特許庁審判官 大島 護
江崎 静雄
登録日 1983-04-27 
登録番号 商標登録第1581234号(T1581234) 
商標の称呼 イエノヒカリ 
代理人 秋山 泰治 
代理人 秋山 佳子 
代理人 田村 武敏 
代理人 秋山 鳳見 

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