• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 121
管理番号 1041696 
審判番号 審判1997-18755 
総通号数 20 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-08-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1997-11-05 
確定日 2001-02-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第2547305号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 商標法第50条の規定により、登録第2547305号商標の登録は、取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2547305号商標(以下、「本件商標」という。)は、「U.S.POLO」の文字と「ユーエスポロ」の文字とを二段に書してなり、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品とし、昭和63年10月28日登録出願、平成5年6月30日に登録され、現に有効に存続しているものである。
2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、商標権者により、少なくとも、過去3年以内に日本国内でその指定商品について使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、本件商標の使用例を提出しているが、使用している商標は,「U.S.」、「馬のマーク」、「POLO」そしてその下に「ASSOCIATION」と書かれたもので、本件商標とは全く異なっている。
その上、印刷日、印刷会社名、使用者名、その使用期間、使用場所(小売店、ブティック等)の名前の記載もなく、又それらの納品伝票、請求書、メーカーの売上報告等の提出もなく、全く使用証明とは言いがたいものである。
なお、被請求人は、商標自体が商標権者を表示すると主張しているが、甲第7号証(平成10年の被請求人の広告、新聞記事)、同第11号証(全米ポロ協会の会員名簿)を見る限り、使用されているのは、「USPA」、「U.S.POLO ASSOCIATION」又は「UNITED STATES POLO ASSOCIATION」の表示であり、本件商標は使用されていない。
そして、請求人は、アメリカのブランド「POLO AMERICA」をアメリカのポロ競技のコーディネーター「Randy Russell」と契約して日本国内で旧第21類の商品展開を計画しており(甲第12号証)、そのため、本件審判を請求したものであって正当なものである。
3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)被請求人会社は、その上部団体、全米ポロ協会(U.S.POLO ASSOCIATION)の商標権を初めとする各種権利の管理に当たる法人である。全米ポロ協会は、米国を初め、カナダ、北メキシコのポロ・プレイヤーおよびポロ・クラブを統括する団体であり、ポロ・スポーツのルールを管轄し、競技の公認等を含めた全てにわたる統括団体であり、「U.S.POLO ASSOCIATION」の正式名称の他に、「U S P A」または「U.S.POLO」の略称をもって表示されるものである。
本件商標「U.S.POLO」、「ユーエスポロ」は、商標権者の上部団体自体を表わす商号的な商標であって、商標自体が商標権者を表示するものであり、保護すべき信用が化体しているものである。したがって、本件商標が取消されても、それにより第三者が本件の登録の権利範囲において新たな登録が認められるものではないから、審判請求の利益を欠くものであり、このような防衛的な登録までも、不使用取消審判により取消すことは、不使用取消審判制度の法制定の趣旨に反するものである。
また、本件の審判請求は、商標権者を害することだけを目的になされたことは明らかであるから、請求の利益なしとして退けられるべきものである。
(2)被請求人は、本件商標を「さいふ、パス入れ、小物入れ、ポーチ」等に使用しており、使用の事実を示すために商標の広告資料の写真(乙第2号証)を提出する。
4 当審の判断
被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙第2号証の1ないし6(広告資料)によれば、同号各証には「さいふ、パス入れ、小物入れ、ポーチ」等の商品が掲載されており、乙第2号証の1には本件商標の欧文字部分に相当する「US POLO」の文字が表示されていることを認めることができる。
しかしながら、同号各証の広告資料は、いずれも印刷日の記載がなく、配布時期を確認できる証拠もないため、何時、印刷され使用されたものであるのかを把握することができない。
また、上記商品が実際に取引されていたことを証する納品伝票、請求書等の取引書類も提出されていない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人により、その請求に係る指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。
なお、被請求人は、本件商標が取消されても、それにより第三者が本件登録の権利範囲において新たな登録が認められるものではないから、審判請求の利益を欠くものである旨主張しているが、請求人を含めて第三者が新たな登録を取得し得るか否かは、そのような出願がなされた際の審査過程において判断されるべきことであって、被請求人主張の理由により、直ちに本件審判請求の利益を欠くことになるものとはいえないし、また、本件審判請求が商標権者を害することだけを目的にしてなされたものであると認めるに足りる証拠もない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-02-24 
結審通知日 1999-03-19 
審決日 1999-03-26 
出願番号 商願昭63-121890 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (121)
最終処分 成立  
前審関与審査官 栗原 精一小宮山 貞夫 
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 茂木 静代
大橋 良三
登録日 1993-06-30 
登録番号 商標登録第2547305号(T2547305) 
商標の称呼 1=ユーエスポロ 2=ポロ 
代理人 広瀬 文彦 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ