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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z03
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z03
管理番号 1039785 
審判番号 不服2000-4993 
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-02-18 
確定日 2001-05-16 
事件の表示 平成10年商標登録願第76257号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「海洋ミネラル」の文字を横書きしてなり、第3類「せっけん類、香料類、化粧品、歯磨き」を指定商品として、平成10年9月8日に登録出願されたものであり、平成11年8月5付けの商標登録出願人名義変更届で、出願人は、株式会社資生堂から東洋ビューティ株式会社になったものである。

2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『海洋ミネラル』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該ミネラルは、各種ミネラル成分を豊富に含む海水を原料とし、近年では、肝炎や糖尿病、アトピー性皮膚炎等の病気に効果があるとの報告もなされ、その代謝促進を高める効果が関心を集めているところである。そうとすれば、本願商標をその指定商品中、該ミネラルを配合した商品に使用しても、これに接する需要者は、その商品が該ミネラルを配合されたものであることを理解するにとどまり、単にその商品の品質を表示するにすぎないものと認める。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定判断して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張
(1)本願商標「海洋ミネラル」は、原審において指摘された薬事日報の発行日やインターネットに記載されている中日新聞の記事よりはるか前に着想され出願されているものであり、海洋にまつわって連想・創作した一連の造語であり、最も新しい各種の用語を掲載している辞典等をみても掲載されておらないところから単に商品の品質を表示するものではない。
(2)本願に対し平成11年7月1日付けで、登録第2299640号商標(「海洋」)を引用して、本願商標はこの引用商標と類似するとして商標法第4条第1項第11号の規定に該当すると拒絶理由が通知されたが、これは本願商標が商標としての出所識別機能及び価値を有しており、いわゆる顕著性を備えた商標であることを前提して初めて成立する理由であると思料されるのである。
これに対して、同一の審査官から新たに通知された第二の理由は、前回の第一の拒絶理由を発する段階では存在しないと認定された理由に基づくものであり、第一の拒絶理由と第二の拒絶理由とは互いに相矛盾するものであって、第一の拒絶理由通知を解消するために当初の出願人が苦労して行った手続(商標登録出願人名義変更届)は全く無意味なこととなってしまい、このような審査は、あまりに審査官の恣意的判断にすぎないものであって審査の法的安定を欠くと共に、審査に対する信頼性を損なうものである。

4 当審の判断
本願商標は、「海洋ミネラル」の文字からなるものであって、そのうちの「海洋」の文字部分は海の意を有し、「ミネラル」の文字部分はカルシウム・鉄・亜鉛・コバルト・マンガン等の栄養素として生理作用に必要な無機物の総称である。
そして、海の水には多くのミネラルが含まれ、原査定で指摘のように、それらミネラルが栄養補助食品や化粧品に使用され、「海洋ミネラル」と称されていることは、薬事日報(1999/9/22、7頁)の記事等からも認められるものである。
してみると、本願商標をその指定商品に使用した場合、それに接する需要者・取引者は、海水から取り出したミネラルの成分を含んだ商品と認識し自他商品を識別するための標識とは認識できないものと認められる。
そうすると、本願商標は、その指定商品について品質を表示するものというべきであり、商標法第3条第1項第3号に該当する。
ところで本件登録出願の審査手続きにおいて、請求人が前記3(2)で主張するような経緯があった事実は認められるが、本願商標が、上記のとおり商標法第3条第1項第3号に該当し、拒絶の理由がある以上、これを登録することができない。
したがって、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-03-07 
結審通知日 2001-03-16 
審決日 2001-03-27 
出願番号 商願平10-76257 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z03)
T 1 8・ 272- Z (Z03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 奥冨 宏大塚 順子 
特許庁審判長 佐藤 敏樹
特許庁審判官 泉田 智宏
上村 勉
商標の称呼 カイヨーミネラル、カイヨー 
代理人 竹内 裕 

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