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審決分類 審判 一部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z30
審判 一部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z03
管理番号 1037893 
審判番号 無効2000-35322 
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-06-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-06-14 
確定日 2001-03-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第4342052号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4342052号商標の指定商品中「第3類 せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」及び「第30類 食品香料(精油のものを除く)」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4342052号商標(以下「本件商標」という。)は、「IMAX」の欧文字を左横書きしてなり、平成10年5月27日登録出願、第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同11年12月10日に設定登録がなされたものであるが、その後、同12年11月2日に、指定商品中「第3類 せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,化粧品,歯磨き」及び「第30類 食品香料(精油のものを除く)」について、一部放棄を原因とする登録の一部抹消がなされているものである。

2 引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2225341号商標(以下「引用商標」という。)は、「アイマック」の片仮名文字を左横書きしてなり、昭和58年12月28日登録出願、第4類「化粧品、その他本類に属する商品」を指定商品として平成2年4月23日に設定登録、その後、同11年12月21日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求める旨主張し、以下のように述べ、甲第1号証ないし同第12号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「IMAX」の欧文字よりなり、「イマックス」のほか、「アイマックス」の称呼を生ずる。
これに対し、引用商標は、「アイマック」の片仮名文字よりなり、「アイマック」の称呼を生ずる。
そこで、両者の称呼「アイマックス」と「アイマック」を比較すると、前者は6音構成であり、後者は5音構成であるが、両者は特に聴く者にとって注意を惹く5音目の「アイマック」まで共通にし、相違するところは聴く者にとって注意を惹かない語尾の「ス」の音の有無のみである。しかも、相違する該「ス」の音は、音声上響きの弱い摩擦音でもあり、さらに、前音の「ク」は、強く聴取される破裂音である。
そして、両者が特定の語義を有しない造語であることとも相まって、それぞれ一連に称呼した場合、その語韻、語調が極めて似たものとして聴取される。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼上類似の商標といわざるを得ず、本件商標の指定商品中第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」及び第30類「食品香料(精油のものを除く)」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項第1号により無効とされるべきものである。

4 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出している。
被請求人は、本件商標の指定商品中第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,化粧品,歯磨き」及び第30類「食品香料(精油のものを除く)」についての商標権を放棄する手続(商標権の一部抹消登録申請)を行っている。
したがって、本件商標と引用商標との商品間の類似関係は解消され、指定商品は相互に非類似となっているので、両商標を各々付した商品につき、需要者間に出所の混同を生じさせるおそれは全くなく、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しないことは明白である。

5 当審の判断
本件商標と引用商標との類否について判断するに、本件商標は、上記のとおり、「IMAX」の欧文字よりなるものであるから、これより「イマックス」及び「アイマックス」の称呼を生ずるというのが相当である。
他方、引用商標は、上記のとおり、「アイマック」の片仮名文字よりなるものであるから、「アイマック」の称呼を生ずること明らかである。
そこで、本件商標より生ずる「アイマックス」の称呼と引用商標より生ずる「アイマック」の称呼とを比較すると、両称呼は「アイマック」の4音を共通にし、相違するのは、語尾における「ス」の音の有無である。そして、相違する「ス」の音は、比較的聴取されがたい語尾に位置するばかりでなく、無声の摩擦音で、弱く響く音であることから、該「ス」の音の有無が両称呼全体に与える影響は小さく、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が相近似し、これらを互いに聴き誤るおそれが少なくないものと認められる。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観及び観念において相違する点があるにしても、称呼において相紛らわしい類似の商標であり、かつ、その指定商品についても、本件商標の指定商品中第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」及び第30類「食品香料(精油のものを除く)」と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、上記の指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項により、その登録を無効にすべきものである。
なお、被請求人は、指定商品中第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,化粧品,歯磨き」及び第30類「食品香料(精油のものを除く)」について、商標権を一部放棄する手続を行っているから、商標法第4条第1項第11号に該当しない旨主張するが、本件商標の指定商品中上記商品について、一部放棄を原因とする登録の一部抹消が平成12年11月2日でなされ、本件商標と引用商標の指定商品が非類似となったとしても、該放棄に係る登録の一部抹消の効果は、本件商標の登録査定時まで遡及するものではないから、上記手続によって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するという無効理由が解消したということはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-01-18 
結審通知日 2001-01-30 
審決日 2001-02-14 
出願番号 商願平10-43521 
審決分類 T 1 12・ 262- Z (Z03)
T 1 12・ 262- Z (Z30)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山内 周二 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 久保田 正文
小池 隆
登録日 1999-12-10 
登録番号 商標登録第4342052号(T4342052) 
商標の称呼 イマックス、アイマックス 
代理人 杉本 勝徳 
代理人 杉本 巌 

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