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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない Z03
審判 全部無効 称呼類似 無効としない Z03
管理番号 1037089 
審判番号 審判1999-35696 
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-06-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-11-26 
確定日 2001-02-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第4219593号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4219593号商標(以下「本件商標」という。)は、別記(I)のとおり、「るるるる」の平仮名文字と「lelelele」の欧文字とを上下二段に左横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品」を指定商品として、平成9年8月1日登録出願、同10年12月11日に設定登録がなされたものである。

2 引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2205642号商標(以下「引用A商標」という。)は、別記(II)のとおりの構成よりなり、昭和62年6月29日登録出願、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成2年1月30日に設定登録がなされたものであるが、その後、平成12年1月30日に商標権の存続期間が満了し、その抹消の登録が同12年10月25日になされているものである。同じく登録第4137154号商標(以下「引用B商標」という。)は、別記(III)のとおり、「LULU」の欧文字を左横書きしてなり、平成8年9月27日登録出願、第3類「せっけん類、香料類、化粧品、歯磨き」を指定商品として、同10年4月17日に設定登録がなされ、現に有効に存続しているものである。同じく登録第66124号商標(以下「引用C商標」という。)は、別記(IV)のとおり、「LULU」の欧文字を左横書きしてなり、大正3年5月1日登録出願、第1類「化学品、薬剤及医療補助品一切」を指定商品として、同3年6月22日に設定登録、同13年10月29日に本権の登録の回復、その後、6回にわたり、商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。同じく登録第590192号商標(以下「引用D商標」という。)は、別記(V)のとおり、「ルル」の片仮名文字を左横書きしてなり、昭和35年9月12日登録出願、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、同37年6月20日に設定登録、その後、3回にわたり、商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」旨の審決を求め、その理由(要旨)を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第47号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標に対して、請求人は、自己の所有に係る引用A商標及び引用B商標を引用する。
そこで、本件商標と引用A商標及び引用B商標とを比較検討してみるに、前者からは、「ルルルル」の称呼を生ずるものであること明らかであるのに対して、後者からは、「ルル」の称呼を生ずるものである。
しかして、本件商標より生ずる「ルルルル」の称呼と引用A、B商標より生ずる「ルル」の称呼とは、前者のそれは、後者の「ルル」を反復するのみのものであって、その称呼の構成要素である「ルル」の音を完全に包含しているばかりでなく、「ルル」と軽快な響きをもつ音を、「ルル」「ルル」と2度繰り返したにすぎず、これを全体として一連に称呼するときは、両者の語感、語韻は、互いに相近似したものとなり、これらに接する聴者をして、彼此の称呼を聞き誤らせるおそれの充分にある、互いに相紛らわしい称呼である。
してみれば、本件商標は、引用A、B商標と称呼において、彼此相紛らわしい類似の商標であること明らかであるばかりでなく、その指定商品も互いに相抵触しているものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
請求人は、引用C商標及び引用D商標を所有しているところ、昭和59年10月20日 商標調査会発行 「日本商標名鑑’84」、 同63年6月20日 同会発行 「日本商標名鑑’88」、平成3年9月21日 同会発行 「日本商標名鑑’91」、同6年11月20日 同会発行 「日本商標名鑑’94」及び同9年10月1日 同会発行 「日本商標名鑑’97」(甲第12号証ないし同16号証)、1970年及び1998年 社団法人日本国際工業所有権保護協会(AIPP1・JAPAN)発行「FAMOUS TRADEMARKS IN JAPAN日本有名商標集」(甲第17号証及び同第18号証)、昭和26年10月24日 薬事日報社発行 「薬事日報」第1446号(甲第19号証)、平成7年11月30日 株式会社薬業時報社発行 「一般薬日本医薬品集」(甲第20号証)、1993年6月21日 株式会社富士経済発行 「’93一般用医薬品データブック(上巻)」及び1998年4月9日 同社発行 「’98一般用医薬品データブック(中巻)」(甲第21号証及び同第22号証)、平成7年8月8日、同8年8月8日及び同9年8月8日 薬事日報社発行「医薬品・医療衛生用品価格表」(甲第23号証ないし同25号証)の各記載に徴するも、請求人の所有に係る引用C、D商標が、請求人の業務に係る商品「総合感冒薬」を表示するためのものとして、少なくとも昭和26年以降、今日に至るまでの永年の間、継続して使用され、かつ、請求人による盛大なる宣伝、広告活動がなされているばかりでなく、上記甲第21号証及び同第22号証に示すとおり、請求人の業務に係る一般大衆用医薬品の市場占有率(マーケットシェア)は、日本全国で第2位を占めており、しかも、「ルルブランド」はその柱となっている事実等と相まって、本件商標の登録出願以前より、取引者及び需要者の間において、極めて広く認識されているものである。
また、引用C、D商標を、原登録商標として、それぞれ(旧)第4類、第10類、第31類、第32類、第30類及び第29類の各商品を指定商品として、防護標章登録がなされている事実があり、更に、引用C商標を、原登録商標として、国際分類の第3類、第4類、第2類、第18類、第22類、第23類、第24類、第25類、第26類、第29類、第30類、第31類、第32類、第33類、第14類、第16類、第21類、第1類、第5類及び第9類の各商品を指定商品として、防護標章登録がなされており、これらをもってしても、引用C、D商標の周知著名であることの証左に外ならないものである。
そうであれば、引用C、D商標の構成要素である「LULU」及び「ルル」の各文字から生ずる「ルル」の称呼と類似すること明らかな本件商標を、その指定商品について使用をするときは、請求人の業務に係る、上記著名商標を付した商品「総合感冒薬」等の一般保健市販薬が、最近、コンビニエンスストアやスーパー等で、販売されることが認められ、本件商標の指定商品である「せっけん類、化粧品、香料類」等も、コンビニエンスストアやスーパー等で、また所謂、薬屋又は薬局と称する同一の販売場所において、相近接して陳列されている実情に鑑みるとき、本件商標を付した商品は、請求人の業務に係る上記商品と、同一の取扱者に係る商品であるかの如く、それらの商品の出所につき、取引者及び需要者をして、誤認、混同を生ぜしめるおそれの充分にある商標であるといわざるを得ない。
(3)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、無効とされるべきである。

4 被請求人の主張
被請求人は、「請求人の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由(要旨)を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第20号証を提出している。
本件商標は、平成9年8月1日に登録出願、平成10年12月11日に設定登録をうけ、平成11年2月10日発行の商標公報に掲載された後、本件請求人より、引用A、B、C、D商標を引用して異議申立(平成11年異議第90493号)を受けたものである。その異議申立書においても、請求人は本件審判請求と同様の理由を挙げ、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に該当する旨主張している。
しかし、被請求人が送達をうけた平成11年7月19日付けの平成11年異議第90493号登録異議の申立てについての決定謄本において、「本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び第15号に違反して登録されたものでない。」旨(乙第2号証)の認定を受けたものである。
本件商標からは、「ルルルル」と一連の称呼のみが生じ、「ルル」の称呼が生じる引用A、B商標並びに請求人が周知・著名であると主張する引用C、D商標とは、上記異議決定のとおり、外観、称呼、観念のいずれについても類似しないものである。

5 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用A、B商標との類否について判断するに、本件商標は、別記(I)のとおり、「るるるる」の文字及び「lelelele」の文字を同書・同大・同間隔で表してなり、その構成中の、「るる」及び「lele」の文字部分が独立して認識されるとみるべき特段の事由も見いだせないものである。そして、上段の「るるるる」の平仮名文字は、下段の「lelelele」の欧文字の読みを特定した文字と認められるから、該平仮名文字に従って「ルルルル」の一連の称呼のみを生ずる商標とみるのが相当である。
他方、引用A、B商標は、別記(II)、(III)のとおりの構成よりなるものであるところ、引用A商標の「LULU」及び「ルル」の文字部分及び引用B商標の「LULU」の文字よりは、「ルル」の称呼を生ずるというのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「ルルルル」の称呼と、引用A、B商標より生ずる「ルル」の称呼とを比較するに、両者は、「ルル」の2音を共通にしているとしても、全体の音構成が4音と2音と相違するものであるから、これらを一連に称呼した場合には、その語調、語感が相違し、互いに相紛れるおそれはないものといえる。
さらに、本件商標と引用A、B商標とは、上記のとおりの構成よりなるものであるから、外観上は互いに区別し得る差異を有し、かつ、いずれも、特定の観念を有しない造語と認められるものであるから、観念上は比較することができないものである。
してみれば、本件商標と引用A、B商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
請求人提出の甲各号証によれば、引用C、D商標は、請求人が永年にわたり「総合感冒薬」に使用した結果、本件商標の登録出願前に、請求人の業務に係る上記商品を表示する商標として取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認め得るものである。
ところで、引用C、D商標は、別記(IV)、(V)のとおり、「LULU」及び「ルル」の文字よりなり、引用A、B商標と同様「ルル」の称呼を生ずるものである。
そうとすれば、本件商標と引用C、D商標とは、上記5(1)の本件商標と引用A、B商標との比較同様、称呼はもとより、その外観及び観念においても著しく異なる商標と認められるものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、引用C、D商標を連想、想起させるものでなく、該商品が請求人または請求人と組織的・経済的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、取引者、需要者間にその商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものと判断するのが相当である。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効にすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
(I)本件商標(登録第4219593号商標)

(II)引用A商標(登録第2205642号商標)

(III)引用B商標(登録第4137154号商標)

(IV)引用C商標(登録第66124号商標)

(V)引用D商標(登録第590192号商標)

審理終結日 2000-11-22 
結審通知日 2000-12-05 
審決日 2000-12-18 
出願番号 商願平9-144741 
審決分類 T 1 11・ 262- Y (Z03)
T 1 11・ 271- Y (Z03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 幸一 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 久保田 正文
小池 隆
登録日 1998-12-11 
登録番号 商標登録第4219593号(T4219593) 
商標の称呼 ルルルル 
代理人 宇佐美 利二 
代理人 浅村 肇 
代理人 浅村 皓 
代理人 高梨 範夫 

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