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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z0921242834
管理番号 1033402 
異議申立番号 異議1999-91484 
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2001-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-11-08 
確定日 2000-12-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第4294673号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4294673号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4294673号商標(以下「本件商標」という。)は、平成9年4月1日に登録出願され、別掲に示したとおりの構成よりなり、第9類、第21類、第24類、第28類及び第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年7月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、他人の名称の著名な略称を含むものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
また、平成7年5月17日に登録出願され、別掲に示したとおりの構成よりなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成11年4月9日に設定登録された登録第4260052号商標(以下「引用商標」という。)は、日本国内において周知著名となっているところ、本件商標は、この著名な引用商標と類似する商標であるから、本件商標をその指定商品に使用された場合には、申立人の販売に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。さらに、本件商標は、引用商標が日本において本件商標の指定商品に関して登録出願されていないことを奇貨として引用商標の著名性に乗じて不正の利益を得る目的をもって使用するため出願されたものであるから、商標法第4条第1項第第15号及び同第19号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由
本件商標は、「メークアップ アート コスメテイックス」の文字と「MAKEUP ART COSMETICS」の文字とよりなるものであるが、該構成文字は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の名称「メークアップ アート コスメテイックス インコーポレーテッド(MAKE-UP ART COSMETICS INC)」の著名な略称を表すものとして、本件商標登録出願の時前はもとより登録時において、需要者の間に広く知られていたものと認められるから、他人の著名な略称よりなるものといわざるを得ず、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見
(1)申立人メークアップ・アート・コスメティックス・インコーポレーテッドは、化粧品及び医薬部外品の製造、供給、販売及びこれらに付随する行為を事業目的とするアメリカ合衆国デラウエア州法人であり、その正式な商号は「MAKEUP ART COSMETICS INCORPORATED」である。これについては、商標権者は出願前には殆ど知悉していなかった。
日本においても、申立人は、その商号の略称である「M.A.C」及び 「MAKEUP ART COSMETICS/メークアップ アート コス メティックス」並びにそれらを含む様々な標章の商標登録及び商標登録出願を行っているが(甲第2号証の3)、甲第2号証の3によると、申立人の20件の商標の内、登録されているものは、16件で登録日は一番早いもので平成9年7月11日で、本件商標の出願日が平成9年4月1日であるので、本件商標の商標権者が出願した時には、申立人の商標の登録の有無を知悉していなかった。
(2)申立人の所有する申立人商標及び引用商標は、カナダのメークアップディレクターであるフランク・タスカンによって、1985年に、その企画、製造及び販売が開始されたものである。
M.A.C製品は、メークアップ・アーティーストであり写真家でもあるタスカン氏が、自分で納得のいく発色をもつ化粧品を自ら研究して開発したものであり、「メークアップ・アート・コスメティックス」という会社名も示すように、主としてメーキャップ品のカラー物を得意の分野としている(甲第6号証)とあるが、甲第6号証では、「Frank Toskan」が、1985年に「M.A.Cブランド」として発売した事は分かるが、「メークアップ・アート・コスメティツクス」という会社名は不明である。
又、申立人は、申立人商標と引用商標を一緒にして「申立人商標」と統合している。これは甲第6号証の商品名が「M・A・C」であり、会社名が付記されていない為に取られた苦肉の策であると思量するものである。
即ち、本件商標が「メークアップ アート コスメティックス/MAKEUP ART COSMETICS」である事を意識して、甲第6号証の申立人商標では、商標権の侵害に該当しない事を予測して取られた牽強付会の論理であり、この展開に付いては争う。
(3)「日本においては、M.A.C製品の本格的な輸入販売は、平成10年4月、新宿の伊勢丹デパートをはじめとする5店舗で開始された。」と申立人は述べているが、これに付いては商標権者は不知であると共に、平成10年4月は、本件商標の出願から遅れる事1年経過していて、「MAKEUP ART COSMETICS LTD」は「LLC」を合併した頃でその頃の申立人商標及び引用商標の帰属は需要者に誤解を与えていたと考えらる。
(4)本件商標は、申立人の名称の著名な略称である「メークアップ アートコスメティックス」及び「MAKEUP ART COSMETICS」をその承諾を得ることなく含んでいるとある。」と申立人は述べているが、これは「申立人の名称の著名な略称である」を「著名な名称である M.A.C の略称である」と修正すべきである。
したがって、件商標は商標法第4条第1項第8号に該当しない。

5 当審の判断
本件商標は、別掲に表示したとおりの構成よりなるものであるところ、登録異議申立人「メークアップ アート コスメティックス インコーポレーテツド(以下「申立人」という。)の提出に係る甲号各証によれば、申立人の「M・A・C」の文字よりなる商標は、「メーキャップ化粧品」等に使用され、カナダ、アメリカ、ロンドン、ホンコン等、世界中に広がる人気商品となっていたものであることを認めることができる。
そして、我が国においても同様であって、本件商標の出願前から、雑誌「J.J」(光文社発行)をはじめ、数多くの雑誌において繰り返し紹介又は特集され、取引者・需要者の間に広く知られていた事実を認めることができる。
また、「『SPUR』1994年12月号、『MORE』1996年7月号、何れも(株)集英社発行」(甲第47号証の(1)及び(5))及び「『CanCan』1995年2月号小学館発行」(甲第11号証の(1))の雑誌をみると、著名な商品「口紅」等の商品写真と共に「『M・A・C』とは、『MAKE-UP ART COSMETICS』の略」と紹介され、同じく、「『JJ』1995年1月号光文社発行」(甲第47号証の(2))の雑誌をみると、著名な商品「口紅」等の商品写真と共に「『M・A・C』とは何か!、『Makeup Art Cosmetics』の略」と紹介され、更に「『CAZ』1996年8月8日号(株)扶桑社発行」(甲第11号証の(1))の雑誌をみると、「『M・A・C』…正式名は『MAKE-UP ART COSMETICS』」と紹介されている。
以上の事実を総合すれば、引用商標の「Makeup Art Cosmetics」の文字部分は、本件商標の登録出願時には、既に、申立人の名称(商号)の著名な略称であったとみるのが相当である。
しかして、本件商標を構成する「MAKEUP ART COSMETICS」の文字部分は、申立人の名称の著名な略称でもある「Makeup Art Cosmetics」とその綴り字を全く同じくするものである。 してみれば、本件商標は、他人の名称の著名な略称を含む商標といわなければならない。また、商標権者は、本件商標を登録することについて、申立人の承諾を得ていたものとは認められない。
したがって、前記3の取消理由は妥当なものであり、本件商標登録は、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。
別掲 本件商標


引用商標


異議決定日 2000-10-31 
出願番号 商願平9-102096 
審決分類 T 1 651・ 23- Z (Z0921242834)
最終処分 取消  
前審関与審査官 木村 幸一 
特許庁審判長 佐藤 敏樹
特許庁審判官 板垣 健輔
上村 勉
登録日 1999-07-16 
登録番号 商標登録第4294673号(T4294673) 
権利者 -
商標の称呼 メークアップアートコスメティックス、メークアップアート、コスメティックス、メークアップ、アートコスメティックス 
代理人 福島 栄一 
代理人 高橋 美智留 

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