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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Z0620
管理番号 1033218 
審判番号 審判1998-14926 
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-09-21 
確定日 2001-01-12 
事件の表示 平成 9年商標登録願第101738号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、商標の構成を別掲(1)に示すものとし、第6類「金属製包装用容器,金属製ふた,金属製栓」及び第20類「プラスチック製包装用容器,プラスチック製ふた,プラスチック製栓」を指定商品として、平成9年4月1日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、キャップの使用方法の図を附してなるキャップの形状からなるものであり、これを本願指定商品に使用しても、取引者・需要者は、通常採用し得るキャップの形状にその使用方法の図を附したものと理解し、把握するに止まり、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができず、自他商品の識別機能を有しないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張
請求人は、本願商標は、自他商品識別標識としての機能を果たしている旨主張し、その理由を概要以下のように述べるとともに、証拠方法として甲第1号証ないし同第10号証(枝番を含む)を提出している。
(1)本願商標上面に描かれた図形部分(以下、「本願商標図形部分」という。)が表示された商品「キャップ」は、昭和41年6月頃から使用され(甲第1号証及び同第2号証)、今日まで32年間の販売総数は32億個に達しており(甲第3号証及び同第4号証)、他のキャップメーカーの誰も製造も販売もしていない。
(2)本願商標図形部分が表示された商品「キャップ」の販売先は、8割が製缶会社で、2割が缶の内容物のメーカーであって(甲第5号証及び同第6号証)、これらの会社に限定されており、これら大口需要者の間では本願商標図形部分が表示されたキャップは広く知れらている。
(3)本願商標に接した需要者・取引者が、「通常採択しうるキャップの形状にその使用方法の図を附した」と理解し、把握するに止まるとするのは妥当ではない。他の登録例も数多く存在する(甲第7号証)。
本願商標が示すようなキャップの開冠方法は50年間変わっておらず、開冠方法は周知であり、現在では、開冠方法を図で説明する事例は皆無である。
(4)本件キャップのふたのマークについては、製缶会社や内容物のメーカーの要請により各キャップメーカーが各社独自のマークを採択したものであり、請求人が本図形を採択したのは、親指のもつ「親しみやすさ」「ユーモア」「温かみ」に着目したものである(甲第8号証)。
(5)本願商標は、製缶会社と内容物メーカーの間でのみ顕著性、識別性を発揮しているとしても、本願指定商品の性質上、やむを得ないところであり、部品メーカーの商標である本願商標の識別性を判断する範囲を一般消費者にまで広げることは妥当ではない。本願商標は製缶会社等の大口需要者の間で請求人の製品を表示するものとして顕著な識別性を発揮しているものである(甲第9号証及び同第10号証)。

4 当審の判断
(1)本願商標の自他商品識別力について
本願商標に係る立体的形状についてみるに、該形状は、日本工業規格Z1607に区分される「金属製ふた・口金」中の「B型のふた」を表したと認められるものであり、本願指定商品中「金属製包装用容器,金属製ふた」との関係においては、本願商標の立体的形状部分は、指定商品「金属製包装用容器のふた」、あるいは、指定商品「金属製ふた」の形状を表示したというべきであって自他商品識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
次に、本願商標図形部分についてみるに、これは商品「金属製ふた」の上部に当該商品と「プロテクタ」(JIS1607所定のもの)の図形を描き、右手親指でこの「金属製ふた」を押している図形からなるものであって、これに接する取引者、需要者は、その開け方を図示したと理解するのが普通であり、この部分を自他商品の識別標識とは認識しないとみるのが相当である。
請求人は、本願商標に接した需要者・取引者が、「金属製ふた」の形状にその使用方法の図を附したと理解し、把握するに止まるとするのは妥当ではないとして甲第7号証(商標図形枝リスト写し。但し、甲第8号証と違えていると思われる。)を提出しているが、甲第8号証(及び同第7号証)の登録例において、直ちに請求人主張のごとき商標と理解されると認められるものは見当たらず、これらの登録例をもって本願商標図形部分が自他商品識別力を有するとの証左ということはできない。
また、請求人は、本件「金属製ふた」の開冠方法は周知であり、現在では開冠方法を図で説明する事例は皆無である旨述べているが、本願商標と同様に、ふたの上部にその開け方を図示したと理解される他人に係る商標の登録・出願例(別掲(2)ないし(4))に照らせば、この請求人の主張は採用できないものである。
したがって、本願商標は全体として需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。
(2)本願商標の使用による識別力の獲得について
本願商標が使用された結果、自他商品識別標識としての機能を果たしている状態に至っているかどうか判断するに、甲第2号証ないし同第6号証(枝番を含む)及び同第9号証並びに同第10号証によれば、遅くとも昭和48年3月以降本願商標に係る形状をした商品「金属製ふた」が、相当数販売された事実は認められるものである。
しかしながら、甲第2号証の2のパンフレット表紙に表された本願商標に係る形状をした商品の図は、単に、当該商品の形状を表示したものであって、このカタログに係る各商品は、「YASHIMA KOGYO CO.,LTD」や「ヤシマ」等の文字により識別されているとみるのが相当であり、この他の甲各号証をもってしても、本願商標自体が自他商品識別標識として使用されていることを把握できる証左は見出せない。
次に、甲第10号証の販売先業者による証明書についてみるに、これらは画一的な文面よりなる書面に証明者が署名・捺印したものであり、これらの者が、証明に係る「金属製ふた」を自他商品識別標識として認識した上で署名したものであるかどうかについては定かではなく、また、その内容も証明者の認識の程度を表明するに止まっており客観性に欠けるものであり、これらの証明書のみでは、本願商標が使用された結果、自他商品識別標識として機能しているとするには十分とはいえないものである。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商標であることを認識することができない商標というべきであって、提出された証拠方法によっても、本願商標が識別力を有する状態に至っているとは認め得ないものである。

5 結 論
してみれば、本願商標が商標法第3条第1項第6号するとした原査定の認定、判断は妥当なものであって取り消すべき理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別掲】
(1)本願商標

(この商標は写真によって表されたものであるから細部については原本を参照されたい)


(2)登録1924163号商標


(3)登録第2116701号商標


(4)平成9年商標登録願第101257号商標(立体)の一部

審理終結日 2000-10-31 
結審通知日 2000-11-14 
審決日 2000-11-27 
出願番号 商願平9-101738 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (Z0620)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神田 忠雄泉田 智宏 
特許庁審判長 為谷 博
特許庁審判官 久保田 正文
宮川 久成
代理人 林 信之 
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