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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 129
管理番号 1033103 
審判番号 審判1998-35389 
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-05-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-08-26 
確定日 2001-01-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第2625142号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2625142号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2625142号商標(以下「本件商標」という。)は、別記(I)のとおりの構成よりなり、平成3年2月8日登録出願、第29類「柿茶」を指定商品として同6年2月28日に設定登録がなされたものである。

2 引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第1318401号商標(以下「引用A商標」という。)は、別記(II)のとおりの構成よりなり、昭和48年9月3日登録出願、第29類「柿の葉茶」を指定商品として同53年1月10日に設定登録、その後、同63年3月25日及び平成9年12月16日の2回にわたり、商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。同じく登録第1318402号商標(以下「引用B商標」という。)は、別記(III)のとおりの構成よりなり、昭和48年9月3日登録出願、第29類「柿の葉茶」を指定商品として同53年1月10日に設定登録、その後、同63年3月25日及び平成9年12月16日の2回にわたり、商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第80号証を提出している(なお、甲第10号証ないし同第80号証は、平成11年3月19日付けの物件提出書により提出されている。)。
(1)本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号に該当し、同法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。
(2)請求人所有に係る引用A商標及び引用B商標は、本件商標の先出願に係るものであって、本件商標と類似しており、その指定商品も同一又は類似するものである。
(イ)商標の類似について
本件商標は、「柿の葉会」と「京の柿茶」の文字からなり、「京の柿茶」の文字の「京の」の部分は、商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示しているに過ぎないから、自他商品の識別力を有する部分は「柿茶」であり、「カキチャ」の称呼を生ずる。
引用A、B商標は、「柿茶」または「KAKI‐CHA」の文字と柿の葉を模した図形とからなり、「柿茶」または「KAKI‐CHA」の文字部分は、親しみ易く、理解し易く、取引者、需要者は該文字部分を捉えて、「カキチャ」の称呼をもって取引されると認められるから、自他商品の識別力を有する。このことは、東京高等裁判所の判決(平成6年(ネ)第5358号、平成6年(ネ)第5408号、平成8年1月18日言渡)及び最高裁判所の判決(平成8年(オ)938号、平成9年10月9日言渡)から明らかである。
したがって、本件商標と引用A、B商標とは、称呼上類似する。
(ロ)商品の類似について
本件商標の指定商品は「柿茶」となっているが、「柿茶」は請求人所有の登録商標であり、本来、指定商品の表示は、「柿の葉茶」であるべきところを誤って表示したものである。
したがって、本件商標の指定商品と引用A、B商標の指定商品とは同一又は類似の商品である。
(3)請求人の弁駁
被請求人の主張は、既に訴訟(第一審・東京地方裁判所平成3年(ワ)第10542号事件、第二審・東京高等裁判所平成6年(ネ)第5358号及び平成6年(ネ)第5408号事件、第三審・最高裁判所平成8年(オ)第938号事件)の場においてされたものばかりで、いずれも審理の俎上に上り、結局全て否定されたものである。
(イ)被請求人は、「柿茶」なる語が品質表示として過去数回拒絶されているとか、「柿茶」が品質表示・内容表示であり、指定商品として認められているとか、「柿茶」が「柿(葉、実、へた等)を材料とした茶」を表示するものであるなどと主張しているが、「柿茶」は、特定の商品を表わすのではない。前記東京高等裁判所判決も、「柿茶」という名称は、単に商品の原材料ないし品質を示すものであるなどとの第一審被告(被請求人)の主張を完全に否定しているのである(甲第7号証の14丁及び同19丁)。
(ロ)被請求人は、引用A、B商標が、商標法第3条第2項の適用を受けての例外的登録であり、保護されるべき商標は「図形+文字」であり、「図形」のみとか、「文字」のみとかでは要部たり得ないなどと主張する。これも前記訴訟において被請求人が既に主張し、前記東京高等裁判所及び最高裁判所において否定されたものである(甲第7号証の20丁及び同第8号証)。
(ハ)被請求人は、本件商標は、引用A、B商標と非類似で商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号に該当しない旨主張しているが、引用各商標の図形部分からは特定の称呼は生じにくく、文字の「柿茶」「KAKI‐CHA」の部分は親しみ易く「カキチャ」の称呼をもって昭和26年以来今日まで取引されており、「カキチャ」の称呼が生じる。本件商標の顕著に表われた要部は、産地、販売地等の文字に「の」の字を加え、その次に「柿茶」の文字とからなり、「柿茶」から「カキチャ」の称呼が生じ、引用A、B商標と本件商標とは、称呼上類似し、指定商品も類似するので、商標法第4条第1項第11号に該当する。いうまでもなく、前記東京高等裁判所の判決も、「第一審原告の本件登録商標(引用A、B商標)と第一審被告標章とは、『カキチャ』の称呼をもって取引きされるものと認められる。そうとすると、称呼において同一であり、第一審被告標章は、いずれも本件登録商標(引用A、B商標)と類似するから、第一審被告の右標章の使用行為は第一審原告の有する本件登録商標(引用A、B商標)を侵害するというべきである。」旨判示しているのである(甲第7号証の19ないし20丁)。また、「柿茶」の文字を有する本件商標は、需要者をして請求人の商品かと誤認させ、出所の混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(ニ)被請求人は、特許庁において「柿茶」を指定商品として認めている旨主張するが、一定の名称が商品の普通名称等であるかどうかは、その文字と商品との関係を、取引界の実情に照らして判断した上で決定されるものである。そして、「商品及び役務区分解説」(社団法人発明協会発行)の「改訂第3版」(甲第9号証)の173頁の「3 茶」の箇所に『”はとむぎ””柿の粟茶””玄米茶”』とあり、「柿茶」の記載はなく、請求人の主張は独自の見解にすぎない。
(ホ)被請求人は、前記東京高等裁判所及び最高裁判所の判決が商標法の精神、制度の趣旨に反するなどと主張しているが、該判決は極めて妥当であり、被請求人は、需要者の利益の保護と取引界の実情を無視した独自の見解を主張するもので、全く理由がない。

4 被請求人の答弁
被請求人は、「請求人の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)本件商標は、引用A、B商標と類似しないので、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(イ)「柿茶」なる語は、品質表示として、過去数回拒絶されている(乙第1号証及び同第2号証)。
したがって、「柿茶」の文字のみの登録商標は存在しないといえる。
引用A、B商標は、商標法第3条第2項の適用を受けての例外的登録であって、通常の登録とは異なり、制約、制限を明らかに受けてのものである。そもそも「使用による特別顕著性での登録」は、それが「図形十文字」での永年使用が認められたものであれば、保護されるべき商標は「図形十文字」からなるものであって、「文字」のみでの永年使用でなく、したがって、「文字」のみでの登録では毛頭ない。
このことを引用A、B商標に当てはめれば、「柿の葉」の図形と「柿茶」及び「KAKI-CHA」の文字の組み合せが、永年使用による特別顕著性を認められたところである。
よって、「図形」のみとか、「文字」のみとかでは要部たり得ないし、「文字」のみのものまでその禁止権は及ばない。仮に「図形十文字」の商標において、称呼の生ずる部分が「文字」のみであっても、該文字部分を要部とするとの考えは、とんでもない出鱈目であり、許されるものではない。
(ロ)「柿茶」は、品質表示・内容表示として、既に特許庁において指定商品として認められているものである。
「柿茶」の文字のみでは商標登録がなされなかった事実から、「柿茶」は「柿(葉、実、へた等)を材料とした茶」を表示するものであり、乙第3号証の如く、指定商品の表示として当然に用いられているものである。
ちなみに昆布を材料とする茶は「昆布茶」(乙第4号証)であり、玄米を材料とする茶は「玄米茶」(乙第5号証)、高麗人参を材料とする茶は「高麗人参茶」(乙第6号証)というが如くである。
(2)本件商標は引用A、B商標の存在にかかわらず、商標法第4条第1項第15号には該当しない。
引用A、B商標が「柿茶」または「KAKICHA」の文字のみからなるものでないので、両者間に出所の混同は生じない。

5 当審の判断
(1)「柿茶(KAKI‐CHA)」と「柿の葉茶」について
引用A、B商標は、別記(II)及び(III)のとおり、柿の葉の図形と「柿茶」、「アスコルビン素」及び「ビタミンC」の文字及び柿の葉の図形と「KAKI‐CHA」、「ascorbin-so」及び「vitaminC」の文字の組合せからなるものであるところ、その構成中の「柿茶」、「KAKI‐CHA」の文字部分が、商品「柿の葉茶」について自他商品の識別標識としての機能を有するか否かについて検討する。
(イ)請求人提出の甲第10号証(昭和51年6月10日付け、主婦の友社通信販売部の証明書)、甲第11号証(昭和51年5月31日付け、国際食品開発株式会社の証明書)、甲第12号証(昭和51年6月3日付け、板山甲典堂薬品 板山典央の証明書)、甲第13号証(平成5年5月19日付け、甲典堂板山薬局 板山典央の陳述書)、甲第14号証(平成5年5月21日付け、渡辺医院 渡辺正の陳述書)、甲第15号証(平成5年5月17日付け、有限会社生化学研究所 代表取締役井上信幸の陳述書等)、甲第23号証(昭和29年10月20日、西勝造選集頒布会発行 「西医学健康管理実践宝典 増補第5版」)及び同第24号証(昭和25年9月15日、西会発行 「西医学第13巻第5号」)によれば、a)いわゆる西式健康法の創始者である西勝造は、ビタミンCの補給方法として柿の葉を蒸して後乾燥して湯を注ぎ、茶として飲む飲料(柿の葉茶)を研究開発したこと、b)井上信夫(請求人の先代の代表取締役)は、西勝造とともにこの柿の葉の茶の研究開発にあたり、昭和26年頃から「生化学研究所」の屋号で、柿の葉の茶に「柿茶」の表示を付して製造販売を始め、その後、井上信夫は、昭和33年6月に有限会社生化学研究所を設立して、該会社において、「柿茶」の表示を付した柿の葉の茶の製造販売を継続してきたこと、c)昭和26年当時においては、健康食品に関心を持つ者は少なく、その頃、柿の葉の茶を製造販売していた業者は、生化学研究所以外には見当たらなかったこと、d)井上信夫は、東京都所在の西会本部や全国各地の西会支部、薬局等で「柿茶」の表示を付した柿の葉の茶を販売したことが認められる。
(ロ)請求人提出の甲第10号証、甲第25号証(昭和43年7月1日発行 「主婦の友」7月号)、甲第26号証ないし同第39号証(株式会社主婦の友社発行 「主婦の友 メールオーダー1969 春夏特集号」、昭和47年6月1日発行 「主婦の友」1972 6月号、「主婦の友 暮らしの商品ガイド 81年保存版」等)及び甲第40号証ないし同第59号証(「わたしの健康」1976 10 創刊号 等)によれば、昭和43年7月1日に株式会社主婦の友社発行の月刊誌「主婦の友」7月号の記事において、肝臓病を克服した女性が愛用していた柿の葉の茶として、請求人の製造販売した「柿茶」が紹介されたことから、請求人が主婦の友社通信販売部から引合いを受け、これを機に、請求人は、同社の通信販売を通じて柿の葉の図形と「柿茶」の文字からなる標章を付した柿の葉の茶の全国的な販売を開始し、月刊誌「主婦の友」に、少なくとも、昭和43年8月号以来同56年まで、同社発行の「わたしの健康」にも、少なくとも、昭和51年(1976年)10月の同誌創刊以来平成5年(1993年)11月まで、それぞれ通信販売広告欄で「柿茶」の宣伝広告をし、主婦の友社通信販売部を通じて、これの販売を行ってきたことが認められる。
(ハ)請求人提出の甲第63号証(株式会社講談社 昭和50年6月1日及び平成6年1月1日発行「壮快」、平成6年1月5日付けの同社広告局作成による証明書)によれば、請求人は、株式会社講談社発行の月刊誌「壮快」にも、昭和50年6月号から平成6年1月号まで、引用A商標と同一とみられる商標を付した商品の写真等、自社製品の広告を掲載していることが認められる。
(ニ)上記甲第14号証及び同第15号証、そして、請求人提出の甲第60号証(「四国西会誌 1980.9.10 第4号」)によれば、請求人は、論文、雑誌、本等で「柿茶」の語を使用している者があるとき、あるいは、請求人の製造販売する柿の葉茶と同種の商品に「柿茶」の標章を付して販売する業者があるときに、これらの者に対し、「柿茶」の語の使用中止を、あるいは、「柿茶」の標章の使用中止を申し入れていたことが認められる。
(ホ)請求人提出の甲第16号証(平成4年7月1日発行「壮快」)の155頁等、甲第64号証(昭和54年7月20日、共立出版株式会社発行 「ライナス・ポーリングのビタミンCとかぜ、インフルエンザ」)の215頁、甲65号証(昭和56年2月10日、共立出版株式会社発行 「がんとビタミンC」)の296頁、甲第66号証(「ビタミンC健康法」 発行日、発行所は不明)の237頁上段、甲第67号証(「女性セブン」発行日は不明)の44頁下段、甲第68号証(平成5年8月20日、株式会社主婦と生活社発行 「生活シリーズ 食べて治す医学大事典」)の309頁の一覧表、甲第69号証(1993年1月20日、有楽出版社発行 「病気にかつ健康茶大百科」)の130頁及び132頁、甲第73号証(平成6年1月1日、主婦と生活社発行 「カラー百科 家庭の医学」)の202頁及び564頁の一覧表中、甲第74号証(主婦の友社発行「最新版 すぐわかるよくわかる 家庭の医学」 発行日は不明)の396頁『痔に効く薬草のいろいろ』の項、甲第75号証(「技術情報 醸造食品編(24)山形県工業技術センター 1985.9 No.118」)の1頁、そして、甲第80号証(平成7年10月1日、日本ジャーナル出版発行「自然薬健康法 10月号)」の表紙、22頁及び26頁に、それぞれ「柿の葉茶」「かきの葉茶」の語が記載されており、これらによれば、柿の葉で作られたお茶(柿の葉を蒸した後陰干しにし、これを刻んで作られたものなど)について、「柿の葉茶」の語が使用されていると認められる。
(ヘ)請求人提出の甲第17号証ないし同22号証、甲第71号証及び甲第76号証ないし同79号証によれば、請求人製造に係る「柿の葉茶」と同種の商品を取り扱う業者は、例えば、「かきのは茶」、「五木柿葉茶」「ITUKI kakihacha」、「柿葉茶(かきようちゃ)」、「柿の葉茶」「KAKI‐HA‐TEA」、「蒸製 かき葉」、「柿若葉茶」等の表示を使用していると認められる。そして、甲第62号証(410頁)によれば、被請求人は「柿茶」の表示を同種の商品に使用していると認められる。
そうとすれば、「柿茶」の文字は、被請求人が使用しているにしても、「柿の葉茶(柿の葉で作られたお茶)」の品質を表示するものとして、同種の商品を取り扱う業者の間では使用されているということができない。
(ト)そして、上記5(1)(イ)ないし(ヘ)を総合勘案すれば、a)請求人代表者の先代の井上信夫は、昭和26年頃、それまで商品として存在していなかった柿の葉の茶に、「柿茶」の名称を付して販売を開始し、引き続き有限会社生化学研究所において、これを、永年使用しており、柿の葉の図形と「柿茶」の文字あるいは「KAKI‐CHA」の文字部分が結合した引用A、B商標をみれば、請求人の製造販売する商品「柿の葉の茶」に付した標章であると取引者、需要者において認識されるに至っていると認められること、b)柿の葉で作られたお茶を指称するものとして、「柿の葉茶」の語が一般的に使用されており、「柿茶」、「KAKI‐CHA」の文字は、商品の品質・内容表示等として普通に使用されていないことが認められる。
してみれば、「柿茶」、「KAKI‐CHA」の各文字は、その文字自体が、請求人の製造販売する「柿の葉茶」の標章として取引者、需要者に認識されているとみられるから、自他商品の識別標識としての機能を有しているといわざるを得ないものである。
なお、被請求人は、「柿茶」の文字が、特許庁において商品の品質表示等として認められている旨、また、「麦茶」「昆布茶」等と同レベルで商標として機能しない旨種々述べて、乙第1号証ないし同第7号証を提出しているが、当庁における審査の際に、「柿茶」の文字が、商品の品質等を表示するものとして拒絶され、あるいは、指定商品名として登録されているとしても、上記のとおり、「柿茶」の文字が商品の品質等を表示するものとして普通に使用されているとは認められず、また、被請求人提出の乙各号証によっても、これを覆すに足る証拠を示しているとは認められないから、「柿茶」の文字は自他商品の識別標識としての機能を有するものと認めるのが相当である。
(2)本件商標と引用A、B商標の類否についての判断
本件商標は、別記(I)のとおり、「柿の葉会」と小さな文字で、「京の柿茶」と大きな文字で縦二行に書してなるものであるから、「柿の葉会」の文字部分と「京の柿茶」の文字部分とが視覚上分離して看取されるものである。
しかして、上記「京の柿茶」の文字部分中、前半部「京の」の文字は、「京」が「京都の特称」(岩波書店発行「広辞苑」第5版)であることより、京都で製造、加工等された旨表した部分と理解され、その指定商品の産地、販売地を表示したと認識されるものであるから、自他商品の識別標識として機能する部分は、後半部「柿茶」の文字部分にあるものと判断するのが相当である。
そうとすると、本件商標は、「柿の葉会」及び「京の柿茶」の文字に相応して、「カキノハカイキョウノカキチャ」、「カキノハカイ」及び「キョウノカキチャ」の称呼が生じるほかに、「柿茶」の文字部分に相応して「カキチャ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用A、B商標は、別記(II)及び(III)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の顕著に表された「柿茶」あるいは「KAKI‐CHA」の各文字部分が、上記のとおり、自他商品の識別標識としての機能を有していると認められるから、該各文字より「カキチャ」の称呼を生ずると判断するのが相当である。
してみれば、本件商標と引用A、B商標とは、外観及び観念においては相違する点があるにしても、「カキチャ」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定商品についても、上記5(1)で述べたとおり、本件商標の指定商品である「柿茶」と引用A、B商標の指定商品である「柿の葉茶」とは実質的に同一又は類似の商品と認められるものである。
したがって、本件商標は、請求人主張のその他の理由について論及するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効にすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
(I)本件商標(登録第2625142号商標)


(II)引用A商標(登録第1318401号商標)


(色彩については原本を参照されたい)

(III)引用B商標(登録第1318402号商標)


(色彩については原本を参照されたい)
審理終結日 2000-10-20 
結審通知日 2000-11-06 
審決日 2000-11-22 
出願番号 商願平3-12309 
審決分類 T 1 11・ 262- Z (129)
最終処分 成立  
前審関与審査官 須藤 祀久泉田 智宏 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 久保田 正文
宮下 行雄
登録日 1994-02-28 
登録番号 商標登録第2625142号(T2625142) 
商標の称呼 カキノハカイキョーノカキチャ、カキノハカイ、キョーノカキチャ 
代理人 松本 弘 
代理人 富坂 博 
代理人 井沢 洵 
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