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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z01
管理番号 1032923 
審判番号 審判1998-18594 
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-11-24 
確定日 2001-01-04 
事件の表示 平成 9年商標登録願第102039号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第1類「革靴用防水剤」を指定商品として、平成9年4月1日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、てるてる坊主を模したと認識される形状よりなるものであるが、これをその指定商品との関係よりみると、商品の入る胴体の部分と塗るための部分が容易に認識できるものであるから、全体としてその商品を入れる収納容器の形状の一形態の範囲を出ない立体的形状よりなるものといわざるを得ない。してみれば、本願商標をその指定商品について使用しても、単に商品の収納容器(包装)の形状を普通に用いられる方法をもって表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)平成8年法律第68号により改正された商標法は、立体的形状若しくは立体的形状と文字、図形、記号等の結合又はこれらと色彩との結合された標章であって、商品又は役務について使用するものを登録する立体商標制度を導入した。
立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。
そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
(2)立体商標制度を審議した工業所有権審議会の平成7年12月13日付け「商標法等の改正に関する答申」P30においても「3.(1)立体商標制度の導入 需要者が指定商品若しくはその容器又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識する形状のみからなる立体商標は登録対象としないことが適当と考えられる。・・・ただし、これらの商標であっても使用の結果識別力が生ずるに至ったものは、現行法第3条第2項に基づき登録が認められることが適当である。」としている。
(3)これを本願についてみれば、本願商標は、別掲のとおりであるところ、指定商品「革靴用防水剤」との関係からみれば、目と口の付いたてるてる坊主を模した部分が商品を収納するための容器、また、帽子にあたる部分が容器のキャップであると容易に理解させるものであって、液体等を収納する容器の形状としての一形態を表したと認められるものであるから、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、単に商品の収納容器と認識するにすぎないものと判断するのが相当である。
請求人は、「本願商標で表される形状は、通常一般の容器形態としては目にしない特殊な形態をなしており、単に商品を入れる収納容器の形状を表したものと認識するよりは、容器の形状自体に独立した外観的付加価値、特異性が表されていると認識し得るものである。」旨主張する。
しかしながら、商品が液体である場合においては、それが液体であるが故に、特徴をもたせた形状(例えば、漫画・映画等に登場する人や動物等のキャラクターを模した形状)の容器を多種類採用し、その容器に商品を収納して販売していることは一般に行われているところであって、本願商標を構成する収納容器の特徴は、商品等の機能(使い易さ等)や美感(見た目の美しさ)を効果的に際立たせるための範囲内のものというべきである。
しかして、本願商標は、前記認定のとおり、その形状が特徴的なものであっても、それは商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであり、商品等の形状を普通に用いられる方法の範疇で表示する標章のみからなる商標というべきであって、本願商標は、その形状に特徴をもたせたことをもって自他商品の識別力を有するものとは認められないことは(1)で述べたとおりである。
また、請求人は、「本願商標は、その表された形態が通常一般に用いられていない外観特異性を有するものであるから、単に商品の収納容器(包装)の形状を普通に用いられる方法をもって表示したものでない。」旨主張するが、同号の商品の品質・形状(包装の形状を含む。)等を表示する標章とは、商品の品質・形状(包装の形状を含む。)等を表示する標章として認識されるものであれば足り、その標章が現実に使用されていることは必ずしも要求されないものと解すべきであるから、請求人の該主張も採用することができない(東京高裁昭和52年(行ケ)第82号判決参照)。
さらに、請求人は「登録例(甲第1号証)と比較して、本願商標における目と口を表したものと明らかに認識し得る模様又は図形が無視されるべきではない。」旨主張するが、本願商標中のてるてる坊主の目と口の部分は、てるてる坊主を表現するためのデザイン、即ち、収納容器の美観を発揮させるためのデザインの一部と認められる以上、該登録例とは事案を異にするものといわざるを得ない。

4 結 論
以上のとおり、本願商標は、商品の包装(収納容器)の形状を普通に用いられる方法をもって表示してなるにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本願商標


審理終結日 2000-10-20 
結審通知日 2000-10-31 
審決日 2000-11-13 
出願番号 商願平9-102039 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z01)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小川 有三 
特許庁審判長 為谷 博
特許庁審判官 久保田 正文
宮川 久成
代理人 稗苗 秀三 
代理人 大島 泰甫 
代理人 後藤 誠司 
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