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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) 025
管理番号 1029900 
異議申立番号 異議1998-91816 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-09-09 
確定日 1999-08-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第4145081号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4145081号商標の登録を取消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4145081号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年12月17日に登録出願され、「COACH CLUB」の文字を横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成10年5月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人(以下、「申立人」という。」)の異議理由
本件商標は、申立人会社の旧名称「コーチ レザーウエア カンパニー インコーポレーテッド」の法人形態及び業態を表す部分を除いた名称自体で著名な略称を含む商標であるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
また、昭和60年4月5日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第21類「ハンドバッグ、その他のかばん類」を指定商品として、昭和62年8月19日に設定登録された登録第1980347号商標、同じく、平成4年8月28日に登録出願され、「COACH」の文字を横書きしてなり、第18類「ハンドバッグ,折りかばん,肩掛けかばん,手提げかばん,書類入れかばん,アタッシュケース,その他のかばん類,カード入れ,財布(貴金属製のものを除く。),キーケース,パスポートケース,その他の袋物,携帯用化粧道具入れ」を指定商品として、平成7年12月26日に設定登録された登録第3108383号商標、同じく、平成4年8月28日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第18類「ハンドバッグ,折りかばん,肩掛けかばん,手提げかばん,書類入れかばん,アタッシュケース,その他のかばん類,カード入れ,財布(貴金属製のものを除く。),キーケース,パスポートケース,その他の袋物,携帯用化粧道具入れ」を指定商品として、平成7年12月26日に設定登録された登録第3108386号商標、同じく、平成4年8月28日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第18類「ハンドバッグ,折りかばん,肩掛けかばん,手提げかばん,書類入れかばん,アタッシュケース,その他のかばん類,カード入れ,財布(貴金属製のものを除く。),キーケース,パスポートケース,その他の袋物,携帯用化粧道具入れ」を指定商品として、平成7年12月26日に設定登録された登録第3108384号商標、同じく、平成8年3月11日に登録出願され、「COACH」の文字を横書きしてなり、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具いれ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ」を指定商品として、平成10年3月20日に設定登録された登録第4125696号商標、同じく、平成8年3月11日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具いれ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ」を指定商品として、平成10年3月20日に設定登録された登録第4125698号商標、同じく、平成8年3月11日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具いれ,かばん金具,がま口口金,傘,スチッキ,つえ」を指定商品として、平成10年4月10日に設定登録された登録第4133349号商標、同じく、昭和30年3月30日に登録出願され、「COACH」の文字と「コーチ」の文字とを二段に併記してなり、第36類「レインコート、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和31年1月31日に設定登録された登録第476313号商標、同じく、平成4年8月28日に登録出願され、「COACH」の文字を横書きしてなり、第25類「被服(但し,和服を除く),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」を指定商品として、平成9年8月22日に設定登録された登録第3340478号商標、同じく、平成4年8月28日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第25類「被服(但し,和服を除く),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」を指定商品として、平成9年8月22日に設定登録された登録第3340479号商標、同じく、平成4年8月28日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第25類「被服(但し,和服を除く),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」を指定商品として、平成9年8月22日に設定登録された登録第3340480号商標(以下、これらを合わせて「引用商標」という。)を引用し、本件商標はこれらの引用各商標と類似するものである。
また、これらの引用各商標は、申立人の業務に係る商品「バッグ類、ベルト、革と真鍮を素材としたアクセサリー、革手入れ用ローション」等を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されている商標であるから、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するのでその登録は取り消されるべきである。
3 当審の取消理由
当審では、登録異議申立人の異議理由に基づいて、本件商標は、「COACH CLUBU」の文字を書してなるものである。そして、申立人の証拠を総合勘案すれば、商標「COACH」が本件商標登録出願時には申立人の業務に係る商品「バック類」等の商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
そうとすれば、「COACH」の文字を含む本件商標をその指定商品に使用した場合には、該商品が申立人又は申立人と関係にある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認められる、との取消理由を商標権者に通知した。
4 上記3に対する商標権者の意見
本件商標は、「COACH CLUB」の欧文字からなり、第25類のほぼ全商品を指定商品とし、「COACH」の文字を含むものである。
申立人は、本件商標の出願時はもとより現在でも、一般消費者間において全国的な著名性のみならずその周知性も確立しているとはいえない。
本件商標構成中の「COACH(コーチ)」の語が「スポーツで選手の技術指導を専門に行う人」(講談社発行「日本語大辞典」)を表す語として一般に知られているもので、実際、かばん類の販売店内を除けば、「コーチ(COACH)」の語を見聞きしても、申立人の商品を直観する日本人はほとんどいないであろう。「コーチのバッグ」といっても、まだ圧倒的多数の国民は「スポーツ指導者(野球のコーチ)の持っているバッグ」と考えるであろう。そのように創作性の乏しい語は、造語商標に比べて、周知性を確立するのもそれを維持するのも非常に困難である。その基準に照らしてみると、申立人が立証している程度の宣伝販売活動では到底周知性を確立することなどできないというべきである。
申立人提出の証拠には、「COACH」製品について申立人(サラ・リー・コーポレーション)が使用している事実は見いだせない。また、製造販売元に関する記載が一切なく、さらに、申立人が「COACH」商標を使用したという形跡はないものであり、需要者は誰かが「COACH」商標を使ってバッグを販売している、という程度の認識しか持ちようがないものである。
本件商標権者が知る限り、申立人は、「COACH」に関する商標権をコーチ・レザーウエア・カンパニー・インコーポレーテッドから譲り受け、名目的に商標権者になっているにすぎない。
したがって、本件商標には取消理由がないものと言える。
4 当審の判断
よって判断するに、本件商標は「COACH CLUB」の文字よりなるものであるが、これを構成する前半部の「COACH」の文字は、我が国において「(スポーツ)コーチ、指導者」等の意味を、また後半部の「CLUB」の文字は、「クラブ(ゴルフ)、(社交、スポーツなどの)クラブ、同好会」等の意味を有する語としてそれぞれ親しまれているところである。
しかしながら、これらを一連に書してなる「COACH CLUB」の文字よりは、特定の意味合いを看取させず、取引者・需要者はこれを一連の造語よりなる商標と認識するものとみるのが相当である。
ところで、申立人が提出している甲第4号証の「英和商品名辞典」(1990年 「株式会社研究社発行」)には、「COACH」の文字よりなる商標が、1941年に米国ニューヨーク市で創業した皮革製品メーカー「Coach Leatherware Co.」のブランドであり、同社のバッグ類はNEWYORKのキャリアウーマンに人気があると記載されている。また、甲第3号証の2の申立人の広告実績及び同第5号証の2の1「月刊VISIO」、同第5号証の4「Can Cam」、同第5号証の6「marie claile」、同第5号証の7「MEN’S CLUB」等の雑誌の記事及び広告等をみれば、申立人が「バッグ」に使用する「COACH」なる商標は、本件商標の登録出願時、既に取引者・需要者間に広く知られていたことを窺い知ることができる。
そうとすれば、本件商標の登録出願時、既に取引者・需要者間に申立人の業務に係る「バッグ」を表すものとして広く認識されていたものと認められる「COACH」の文字を一部に含んでなる本件商標を、その指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、当該商品が申立人(「Coach Leatherware Co.」=現「サラ リー コーポレーション」)又は申立人と何等かの関連を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について誤認・混同を生ずるおそれがあるものと認められる。
したがって、申立人のその余の申立理由について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認められるものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別記

異議決定日 1999-07-07 
出願番号 商願平8-142757 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (025)
最終処分 取消  
前審関与審査官 岩内 三夫 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 宮下 行雄
滝澤 智夫
登録日 1998-05-15 
登録番号 商標登録第4145081号(T4145081) 
権利者 西森 進
商標の称呼 1=コ-チクラブ 
代理人 広瀬 文彦 
代理人 竹内 卓 
代理人 岡本 昭二 
代理人 高松 薫 

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