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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z09
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z09
管理番号 1029869 
異議申立番号 異議1999-91120 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-08-26 
確定日 2000-11-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第4278751号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4278751号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4278751号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年3月16日に登録出願され、「DIGITALK」の文字及び「デジトーク」の文字を二段に書してなり、第9類「携帯用電話機のケース」を指定商品として、平成11年6月4日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、平成8年4月26日に登録出願され、「DIGI」の文字と「TALKIE」の文字とをハイフンで結合し、「DIGI-TALKIE」と表してなり、第9類「電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具,電池,電線及びケーブル」を指定商品として、平成10年1月16日に設定登録されている登録第4103434号商標(以下「引用商標」という。)は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る無線機を表示するものとして、本件商標の登録出願前に取引者、需要者の間に広く認識されているところ、本件商標は、引用商標と類似し、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品中に含まれるものであり、また、本件商標をその指定商品について使用した場合、申立人又は申立人と経済的または組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由の要旨
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたとして商標権者に対して通知した取消理由の要旨は、つぎのとおりである。
本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標からはその構成文字に相応して「デジトーク」の称呼を生ずるものであり、引用商標からは同様にその構成文字に相応して「デジトーキー」の称呼を生ずると認められるものである。そして、それぞれの称呼は、比較的印象に残りにくい語尾において、子音(k)を同じくする「ク」と「キー」の音の微差にすぎないから、それぞれを一連に称呼するときは語調語感が近似したものとなり、彼これ相紛れるおそれがあるものである。
それゆえ、本件商標と引用商標とは、称呼において紛らわしい類似の商標といわなければならない。かつ、両商標は、「DIGI」及び「TALK」の8文字を共通にするものであって、外観においても相紛らわしい類似する商標といえるものである。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見
(1)本件商標と引用商標との対比
(ア)外観による対比
本件商標は、「DIGITALK」のローマ字と「デジトーク」のカタカナ文字を二段に表記してなり、観者には上下分離して目に映り、一方、引用商標は「DIGI」と「TALKIE」の文字を「-」を介して横書きしたものであり、観者には横に分離して目に映るから、二段表記と一段表記の違いだけでも一目で明らかな相違感を与える。
また、本件商標は、8文字のローマ字と5文字のカタカナ文字の合計13文字数で構成し、引用商標は4文字の「DIGI」のローマ字と6文字の「TALKIE」のローマ字を「-」を介して合計11の文字数で構成されており、これもまた相違点は一目瞭然である。仮に、ローマ字の部分のみ比較しても本件商標の8文字と引用商標の11文字では、3つの文字数の差は大きく、本件商標と引用商標を並べてみると、引用商標は本件商標より長いスペースを要していることは、文字数を数えなくても一目瞭然であり、また、文字構成の全体のスペースを同じくしようとすれば、引用商標は本件商標より目詰まりした印象を与え、これもまた本件商標と引用商標の相違が一目瞭然に強調されることになる。
さらに、語尾の形状は強い印象を与えるので決しておろそかにできない部分である。
本件商標の語尾は「K」であり、引用商標の語尾は「E」で「I」とその右側に上下に開いた二本の斜線からなる「K」と、「I」とその右側に並ぶ上下三本の平行線からなる「E」は、遠目からでも見間違うことがなく、視覚から受ける相違は著しいものである。
このように本件商標の語尾と引用商標の語尾が全く異なる印象を与えるものであるから、上述した文字構成の相違と相乗的に本件商標と引用商標の全体から受ける印象は、観者に対して相紛らわしいものではなく、別個のものとして強烈に認識させること大である。
(イ)称呼による対比
それぞれを一連に称呼すると、本件商標は「デジトーク」の称呼を生じ、引用商標は「デジトーキー」の称呼を生じるものであり、語尾の「ク」と「キー」を異にするものであり、語尾に位置しているために音の相違が判然とするものである。
「ク」と「キー」は、子音の(k)を同じくするとしても、「ク」は唇の形を丸く窄めて発音し、「キー」は上下の唇をうすく開け、口角を横に広げて発音するものである。いずれも語尾に位置しているので、後に続く音に影響されたり吸収されるということはなく「ク」と「キー」はそれぞれの音として聴者は間違いなく認識する。
殊に、「キー」と語尾をのばして発音すると「イ」の音が強調され、「ク」と聞き間違えることはあり得ないものである。
また、発音するに際して、本件商標は、「デジトーク」と一連に平易に称呼するのに対して、引用商標は、「デジ・トーキー」のように、「デジ」と「トーキー」の間に一拍の意識を与えるので、「トーキー」が意識的に強調され、この点において本件商標と引用商標との相違を認識させることになる。
(2)指定商品について
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、第9類に属するが、本件商標の指定商品「携帯用電話機のケース」は、「携帯用電話機の付属品」であり、袋メーカーで製造され、引用商標の指定商品は、「電気メーカー」で製造されるもので、袋メーカーが引用指定商品を製造することも、電機メーカーが本件指定商品を製造することもないものである。したがっておのずと流通ルートは異なるものである。
販売形態においても、本件指定商品は袋物や鞄類の店舗でも、携帯電話機の店舗でも販売されるものであるが、引用指定商品は袋物や鞄類の店舗で販売されることはない。
上述のように、本件商標と引用商標は、顕著な差があり、類似関係はうすいので、相紛れて混乱を生ずることはないものである。

5 当審の判断
本件商標の登録を取り消すべきものとして商標権者に通知した前記取消理由は妥当なものであり、これに対する商標権者の意見は採用できない。
(1)本件商標は、「DIGITALK」の文字と「デジトーク」の文字とを二段に書してなるものであり、これより「デジトーク」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、「DIGI-TALKIE」の構成に相応して「デジトーキー」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標から生ずる称呼は、語尾における「ク」と「キー」の音にその差を有するものであるが、この差異音は、同行に属する音であり、しかも称呼識別上、聴者の印象の弱い語尾に位置することと相俟って、前音「トー」が強く発音される音であるところから明瞭に聴別し難い弱音として聴取されるものというべきである。また、両者は一種の造語よりなるものであり、欧文字部分の綴りの前半8文字が同じ文字より構成されていることから、同じように発音され、同じ音調、音感で聴取される場合が多く互いに紛れるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本件商標と引用商標は、それぞれ一連に称呼した場合、互いに聞き誤るおそれがあるものといわざるを得ない。
(2)本件商標の欧文字部分は独立して商品の出所表示機能を有するものと認められるところ、これと引用商標とを構成する欧文字部分は、引用商標においてハイフンが付加されているものであるとしても、「DIGITALK」の綴り文字を同じくするものであり、この場合その構成の前半部分の文字の印象は強く認識され、後半部分の綴り文字の印象が弱くなるというべきであり、後半の「IE」の文字部分の有無の差が外観の印象に与える影響は小さいものというべきである。したがって、本件商標と引用商標とはその構成において欧文字部分については外観上も相紛らわしいものであり、本件商標と引用商標とは、その称呼及び外観においても類似するものといわなければならない。
(3)また、本件商標の指定商品「携帯用電話機のケース」は、引用商標の指定商品中の「電気通信機械器具」の範疇に属する「携帯用電話機」の附属品と認められるから、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品の中に含まれるものである。
さらに、「携帯用電話機のケース」は袋物、鞄類の製造メーカーにより製造されるとしても、携帯用電話機の専用附属品として用いられるものであり、機械本体とその専用附属品という密接な関係の商品であるから、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品中「携帯用電話機」とは類似する商品というのが相当である。
(4)そうすると、本件商標は、商標において引用商標と類似し、その指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
したがって、本件商標は同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-10-05 
出願番号 商願平10-21950 
審決分類 T 1 651・ 261- Z (Z09)
T 1 651・ 262- Z (Z09)
最終処分 取消  
前審関与審査官 大森 健司 
特許庁審判長 佐藤 敏樹
特許庁審判官 上村 勉
板垣 健輔
登録日 1999-06-04 
登録番号 商標登録第4278751号(T4278751) 
権利者 田中 貞夫
商標の称呼 デジトーク 
代理人 藤村 直樹 
代理人 本城 雅則 
代理人 大貫 進介 

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