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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 113
管理番号 1029514 
審判番号 審判1999-30208 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1999-02-17 
確定日 2000-12-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第2232483号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2232483商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり「GTS」の文字を横書きしてなり、昭和62年8月17日登録出願、第13類「手動利器、手動工具、金具(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、平成2年5月31日に設定登録され、その後、平成12年2月15日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

2 請求人の主張
本件商標の登録は、その指定商品中「金具(他の類に属するものを除く)」についての登録を取り消す、審判費用は請求人(「被請求人」の誤りと認められる。)の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べている。
本件商標は、その指定商品中「金具(他の類に属するものを除く)」について、日本国内において継続して3年以上使用された事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきである。

3 被請求人の答弁
被請求人は結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を以下のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第8号証(枝番号を含む。)を提出している。(1)被請求人は添付の使用説明書で明らかなとおり請求人が主張する商品「金具」のうち「鍵」について、被請求人の主要商標の一つとして、平成4年1月20日頃より現在に至るまで継続して日本国内で使用するものである。
したがって、本件商標が取消されなけれはならない理由は全く存在しない。
被請求人は、本件商標を商品「鍵」に使用するものであるが、「鍵」については、鍵形をした平面の板を「生鍵」と呼び、「生鍵」に鍵溝の切ってあるものを「ブランクキー(元鍵)」と呼び、ブランクキーに鍵山を切ったものが「シリンダーキー」と呼ばれるものである。しかして、被請求人は合鍵のブランクキーを製造するもので、これを問屋及び一部の小売店へ販売するものである。したがって、個々の鍵をみれば明らかなとおり、鍵には元鍵の製造者の商標がプレスされているものである。
使用説明書について、本件商標の日本国内での使用の事実を示す証拠方法として、納品する状態の商品「鍵」が入った紙箱及び紙箱のなかの鍵(乙第2号証及び乙第3号証)、及び本件商標「GTS」を商品「鍵」にプレスするための金型(乙第4号証)、また商品カタログ(乙第5号証及び乙第6号証)等の写真及び一部実物を添付したが、これ等から本件商標「GTS」が商品「鍵」にプレスされており、また商品「鍵」の包装箱にも「GTS」が付されていることが証明されるものである。さらに商品カタログの包装箱の表面及び商品カタログの表紙の面にも本件商標「GTS」が付されており、商品カタログのなかには「GTS」がプレスされた鍵が印刷されていることを証明できるものである。
なお、これ等が日本国内で使用されているものであることは明らかであるが、乙第7号証の取引書類において、より証明されるものである。
次に、本件商標が平成4年1月20日頃から現在に至るまで継続して使用されている証拠方法としては、商品カタログの奥付(乙第5号証の8)に印刷された、初版から再版及び再再版された期間の長さをみれば、この商品カタログが長年使用されているものであることが明らかであるとともに、現在も使用されているものであることが充分に窺える。
しかして、乙第6号証の商品カタログの実物頁の下方に印刷された製作年(1993年)と相まって、本件商標が平成4年1月20日頃から現在まで継続して使用されているものであることは充分に証明されるところである。なお、この事実は乙第8号証の証明書でも裏付けされるものである。
また本件商標を、本件取消審判の請求の登録前3年以内に使用しているものであることは、商品「鍵」に本件商標をプレスするための金型の日付で充分証明されるものである。
すなわち、被請求人は登録商標をプレスするための金型には、その金型の製造年月日を全ての金型の裏面に刻んであるが、乙第4号証の3の金型の裏面には1996の数字及びその下の10・4の数字が、また乙第4号証の1及び2の金型の裏面には1997の数字と5・16の数字が明瞭に刻まれており、その製造年月日が1996年の10月4日、また1997年の5月16日であることが明らかである。しかして、この金型によってプレスされた鍵が商品として出荷されるところより、本件商標を本件取消審判の請求の登録前3年以内に使用していることが明白に証明されるものである。また乙第7号証の取引書類である請求明細書、注文書及び納品書に書かれた「GTS」の文字及び日付からも、同じく3年以内は勿論、現在も日本国内において使用している事実が証明されるものである。さらに、乙第8号証は商品の出荷先(問屋)、紙箱の製造業者、又「鍵」のメッキ業者等被請求人の商品「鍵」に関与する取引者による証明書で、本件商標の使用の事実及び本件商標が被請求人の主要商標であることを証明したものである。
(6)以上のとおり、本件商標は商標権者である被請求人目身が日本国内において、商品「鍵」に本件取消審判の請求の登録前3年以内は勿論、現在も継続して使用している事実は明らかなものである。
したがって、本件商標が、商標法第50条第1項の規定に該当するものであるとする請求人の主張は不当なものであることは明らかである。

4 当審の判断
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
(イ)乙2号証の1及び2並びに乙第3号証の1によれば、商品「鍵」の包装箱及びブランクキー(元鍵)と認められるものに、本件商標と社会通念上同一と認められる「GTS」の標章が表示され、商品名を表示したものと認められる「KEYs BLANK」及び商品の品番を表したものと認められる「No.H248」及び商品の数を表したものと認められる「100本入」の各表示が認められる。
(ロ)乙第7号証の3は、商標権者への取引者からの注文書と認められ、これによれば、1998年(平成10年)8月5日に「株式会社ヤナイ」から「GTS印(H)」の「248」について「300」(×100個)の受注があったことが認められる。
そして、同号証における表示において、(H)「248」は前記(イ)における「No.H248」の品番を表したものと認められるものである。
(2)以上の認定事実によれば、本件商標は、商標権者により、本件審判請求の予告登録前3年以内の1998年(平成10年)8月5日に、日本国内において、取消請求に係る指定商品中の「金具(他の類に属するものを除く)」に属する「ブランクキー」ついて使用されたものと認められる。
(3)したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により取消請求に係る指定商品についての登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本件商標

審理終結日 2000-09-19 
結審通知日 2000-09-29 
審決日 2000-10-11 
出願番号 商願昭62-93298 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (113)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 秋元 正義 
特許庁審判長 佐藤 敏樹
特許庁審判官 上村 勉
村上 照美
登録日 1990-05-31 
登録番号 商標登録第2232483号(T2232483) 
商標の称呼 ジイテイエス 
代理人 尾股 行雄 
代理人 橘高 郁文 

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