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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 117
管理番号 1025831 
審判番号 審判1998-30701 
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1998-07-08 
確定日 2000-10-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第0970850号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第970850号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和45年6月3日に登録出願、「アガサ」及び「AGASA」の文字を上下二段に横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同47年7月10日に設定登録され、その後、同57年11月26日、平成4年8月28日の2回に亘り、商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続するものである。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
1 請求人が調査した結果、本件商標が使用されている事実を発見することはできなかった。さらに、本件商標については、専用使用権通常使用権も登録されておらず、その使用の事実を確認することもできなかった。
ところで、商標法第50条第1項は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが各指定商品についての登録商標の使用をしていないときは、その指定商品に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる、旨規定している。
以上のとおりであるので、本件商標は商標法第50条の規定によりその登録を取り消すべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1) 被請求人は、本件商標を使用している事実があるとし、その証拠として乙第1ないし第11号証を提出している。
しかし、以下の理由により、請求人の提出した証拠をもっては本件商標がその指定商品について使用されていることが立証されているとはいえない。
(2) 乙第1ないし第4号証には、展示会見本アガサ、アガサ引受サンプル分、アガササンプル分、AGASA展示会サンプルとの記載はあるが、いかなる商品に使用されたかについて不明である。
乙第5号証の1、2には、アガサとの記載はあるが、いかなる商品について使用されているか明らかでない。
乙第6ないし第8号証にはアガサとの記載はあるが、いかなる商品に使用されているか、何時使用されたものであるか明らかでない。
乙第9号証は平成10年9月4日に撮影されたもので、本件審判請求登録後の撮影に係るものであり、これをもって、本件審判の請求登録前の使用であるとはいえない。
乙第10号証はその36頁に昭和60年1月31日現在と記載されていることから、昭和60年に作成されたものである。
したがって、これをもって、その後10年以上後も同じ商品に使用されたとはいえない。しかも、いかなる商品に使用されたか具体的に明らかでない。さらに、乙第10号証は会社概況を説明する資料であって、該資料に記載していたとしても、商標の使用に当たらない。
乙第11号証は昭和60年1月の資料であって、これをもって、その後10年以上も後に同じ商標が使用されていたとはいえない。しかも、いかなる商品に使用されていたか明らかでない。さらに、乙第11号証はブランド一覧表にすぎないものであって、これをもって、商標が商品に使用されていたとはいえない。
(3) 以上のとおりであり、被請求人の証拠のいずれをもっても、本件商標が指定商品に使用されたことが明らかであるとはいえない。
したがって、本件商標については使用について立証されたとはいえない。

第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第27号証(枝番を含む。)を提出している。
1 本件商標は、その指定商品について使用されている事実があるので、商標法第50条第1項には該当しない。
使用している事実の証拠として、仕入伝票(乙第1ないし第4号証)、98年1月度年間前売実績(ブランド別店別)(乙第5号証の1及び2)、POST CARD(乙第6ないし第8号証)及び商標「AGASA」の使用の事実を示す写真(乙第9号証)を提示する。
2 本件商標の使用は、すでに昭和60年1月31日現在の会社研究資料「アパレルとレナウン」(株式会社レナウン発行)の14頁に「3.総合アパレルメーカーのレナウン」「レナウングループで創られる商品の数々主要ブランド」として婦人既製服欄に「アガサ」の記載がある(乙第10号証)。また、昭和60年1月(株)レナウン販売促進部発行「ブランド一覧」の「第3営業部婦人服関係」の24頁に第27商品課「ブランド名(アガサ)AGASA」の記載(乙第11号証)があるように、当時より主要ブランドと使用しており、現在も継続使用している商標である。
よって、商標法第50条第1項には該当しないので、本件商標の取消しの理由は存在しない。
3 請求人は、被請求人が証拠として提出した乙第1ないし第11号証をもってしては、本件商標がその指定商品について使用されていることが立証されているとはいえない旨を主張している。
しかし、本件商標は、被請求人である商標権者自身によって、日本国内において、本件審判請求の登録前3年以内にその指定商品中「ドレス、スーツ、ジャケット、スカート、ズボン、オーバーコート、レインコート、セーター、カーディガン、チョッキ、ブラウス、開襟シャツ、スポーツシャツ、ポロシャツ、ワイシャツ、キャミソール、スカーフ、マフラー」等について使用されており(乙第12号証)、現在においても使用されているものであるから、当該使用事実の疑義を無くすために、改めて以下に答弁する。
(1) 請求人は、乙第1ないし第4号証及び乙第5号証の1、2からは、本件商標がいかなる商品について使用されたかについて不明である旨を主張する。
乙第1ないし第4号証の仕切伝票には、商品名の代わりに、品番が表示されているに過ぎないが、通常、仕切伝票において、仕入れ商品は品番等の記号によって特定されることが一般的であり、商品の名称が仕入伝票に記載されることは稀である。
そして、被請求人はアパレルメーカーであり、本件商標が使用されている商品は、乙第12号証が示すように、「ドレス、スーツ、ジャケット、スカート、ズボン、セ-夕ー」等であるから、乙第1ないし第4号証の仕切伝票の品番によって特定される商品は、本件商標の指定商品であると考えられるものである。
また、乙第5号証の1、2は、1998年1月度(1997年2月〜1998年1月)の東京と大阪の「アガサ」ブランドの年間前売実績であるが、その右上方に記されている文字「婦人」は、「婦人服」を意味するものである。
(2) 請求人は、乙第6ないし第8号証からは、本件商標が、いかなる商品について使用されているか、何時使用されたものであるか明らかでない旨を主張する。
乙第6ないし第8号証は、小売店及び顧客に配布された宣伝広告用のポストカードであるが、そのポストカードに記載されている「AGASA I997 FALL & WINTER COLLECTION」「しなやかな着こごち、明るく、豊かな彩り、エレガントに秋めいた<アガサ>のコレクションが揃いました。」(乙第6号証)、「AGASA 1998 SPRING & SUMMER COLLECTION」「やわらかな彩りで女性らしさがひろがる季節。繊細なし一スや細やかな刺繍使いで、一層上品に薫る<アガサ>をどうぞお楽しみください。」(乙第7号証)、「AGASA 1998 AUTUMN & WINTER COLLECTION」「しなやかさを羽織るジャケット・コーディネイト。新しくエレガントな<アガサ>のウェアリングで、大人の美しさが実ります。」(乙第8号証)のそれぞれの文章、及びモデルが婦人服を着ている写真から、本件商標が、1997年から1998年にかけて、その指定商品中の「婦人服」について使用されていたことが容易に確認し得るものである。
(3) 被請求人は、本件商標がその指定商品について本件審判請求の登録前3年以内に使用されていることをより明らかにするために、以下の証拠を提出する。
(イ) 乙第13ないし第16号証は、商標権者(被請求人)が小売店に配布した「AGASA」ブランドの1996年及び1997年の秋物商品に関する注文書である。
「I」の表示は「秋物前期」、即ち納品が9月〜10月であることを意味し、「II」の表示は「秋物後期」、即ち納品が10月下旬〜11月下旬であることを意味するものである。
なお、その注文書の商品リストの内容から、本件商標が使用されていた商品がその指定商品であることは明らかである。
(ロ) 乙第17号証及び乙第18号証は、本件商標が使用された商品の、納品伝票、ピッキングリスト(出庫リスト)である。
それぞれの右下方に記されている数字が伝票及びリストの発行日時を表しており、当該伝票及びリストが1997年10月13日及び10月14日、1997年3月13日及び17日にそれぞれ発行されていることが明らかである。
また、「納品伝票」の文字の下に記されている「A/G」の文字は、「アガサ/AGASA」の略称として商標権者である株式会社レナウンの社内において用いられているものである(乙第19号証)。
なお、納品、若しくはピッキング(出庫)された商品は、品番によって特定されているものであるが、乙第1ないし第4号証の仕入伝票の場合と同様に、当該商品は指定商品に含まれるものである。
(ハ) 乙第20号証及び乙第21号証は、1999年1月度(1998年2月〜1999年1月)の東京と大阪のブランド別の年間前売実績である。
そして、その右上方に記されている「婦人」の文字は、その年間前売実績の対象商品が「婦人服」であることを、その下に記されている「アガサ」の文字は、その年間前売実績がブランド「アガサ」のものであることを示している。
(ニ) 乙第22号証及び乙第23号証は、1997年度及び1998年度の「ファッションブランド年鑑」であるが、その中で、商標権者の取り扱うブランドとして、「アガサ(AGASA)」が記載されており、服種の項目には、「婦人服Lサイズ」と記載されている。
また、乙第24号証は、「アパレル名鑑’98」であるが、その中でも、商標権者の取り扱うブランドとして、「アガサ」が記載されており、価格の項目には、「ジャケット ¥33,000- ブラウス¥15,900- スカート¥16,900-」と記載されている。
(ホ) 乙第25号証は、日本繊維新聞の写しであるが、商標権者のブランドとして「アガサ」が取り上げられている。
そして、「ニット素材広がりでのソフトな重ね着、イージークロージング」「セーター、カットソー。リラックスした軽さ、タウンから旅行着まで着回しができることを訴求。サイズはパンツでヒップ回りなどを改善。」との記載から、「アガサ」が商標権者に係る婦人服のブランドであることが理解されるものである。
当該新聞は、本件審判請求の登録後の平成10年10月22日の発行に係るものであるが、「各社は、最強化ブランドにおける強化アイテム、同季のサイズ見直しを次のように挙げている。」、「レナウン『アガサ』=…。サイズはパンツでヒップ回りなどを改善」等の記載から、ブランド「アガサ」が当該新聞の発行日より以前から存在していたことを窺うことができるものである。
(ヘ) 乙第26号証及び乙第27号証は、商標権者自身が1996年及び1997年に発行した刊行物「FMI & fan」である。
当該刊行物は、商標権者の社内のみならず、百貨店等にも配布されたものであるが、その中で優秀店頭販売社員の特集が組まれており、「アガサ/AGASA」ブランドの店頭販売社員も多数紹介されているものである。
(4) 以上を総合的に勘案すれば、被請求人である商標権者が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係るその指定商品に使用していたことは明らかである。

4 当審の判断
(1) 被請求人は、本件商標をその指定商品について使用しているとして証拠を提出しているので、該証拠について検討する。
乙第1ないし4号証は日本毛織株式会社等が被請求人から商品を仕入れたことを示す仕入伝票の写し、乙第17号証は被請求人が(有)エルファン等に商品を納入したことを示す納品伝票の写し、乙第18号証は被請求人が(株)トラヤ等に対して商品を出庫したことを示すピッキングリストの写しと認められるところ、これらの伝票はいずれも本件審判請求の登録前3年以内の期間内に発行されたものであり、その品番の欄に数字が記載されていることが認められる。そして、この品番の数字によって商品を特定することは、この種業界において一般に行われていることである。また、乙第13ないし第16号証は、被請求人が小売店に配布した1996年及び1997年の秋物商品の注文書の写しと認められるところ、その表紙には「AGASA」の文字が、次頁には「AGASA サイズ表」がそれぞれ表示され、以下の頁には商品の詳細が図入りで品番と共に掲載されていることが認められる。この注文書に記載された品番によって特定された商品と上記伝票に記載された品番によって特定された商品とが一致することは、例えば、乙第16号証中の「JACKET品番7130510」と乙第17号証中の「絵留」宛ての納品伝票に記載された「品番7130510」によっても明らかである。
なお、乙第9号証の写真によれば、洋服(スカート)に「AGASA」の表示がされた布片及び下げ札が付されていることが認められることからしても、上記注文書に記載された商品にはそれぞれ「AGASA」の商標が付されているものと容易に推認できるものである。
さらに、乙第5号証の1及び2、乙第20号証は98年1月度及び99年1月度の年間前売実績(ブランド別店別)の写しと認められるところ、その右上方に記載された「婦人」の文字は、その年間前売実績の対象となっている商品が婦人服であることを示し、その下に記載された「アガサ」の文字はブランドが「アガサ」であることを示しているといい得るものである。
しかして、上記「AGASA」及び「アガサ」の文字は本件商標と社会通念上同一のものと認められる。
(2) これらを総合すれば、被請求人提出に係る他の証拠をみるまでもなく、本件商標は、本件取消請求に係る指定商品に含まれる婦人服について、本件審判請求の登録前3年以内に被請求人によって使用されていたものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-07-06 
結審通知日 2000-07-18 
審決日 2000-08-15 
出願番号 商願昭45-56330 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (117)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 大橋 良三
特許庁審判官 寺光 幸子
小池 隆
登録日 1972-07-10 
登録番号 商標登録第970850号(T970850) 
商標の称呼 アガサ 
代理人 佐藤 一雄 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 中川 拓 
代理人 野中 誠一 
代理人 吉武 賢次 
代理人 福島 三雄 
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