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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z25
管理番号 1021717 
異議申立番号 異議1999-91323 
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2001-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-10-04 
確定日 2000-07-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第4281261号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4281261号商標の登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件商標は、「JOHN CAPER」の文字を横書きしてなり、平成10年6月22日に登録出願され、第25類「洋服,セーター,水泳着,帽子,靴,サンダル」を指定商品として、平成11年6月11日に登録されたものである。

2 通知した取消理由の要旨
異議申立人の提出に係る甲各号証によれば、異議申立人であるジョン カーパー(John Carper)は、アメリカ合衆国 カリフォルニア州の出身で、サーフィン歴40年余の経験を持ち、特に、サーフボードのシェイパー(製作者)としてサーフィン関連業界において著名な者であり、現在ハワイ州において「サーフボード、ティーシャツ、帽子」等を販売する会社「JC ハワイ」を経営していることが認められる。そして、同人の製作(シェイプ)したサーフボードは、日本の販売店を通して購入することができ、これらのことが提出に係る複数のサーフボード関連雑誌に掲載されていて、本件商標の登録出願前には既に取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められる。
そして、本件商標は、前記したとおりの文字よりなるところ、その構成文字に相応して「ジョン カーパー」又は「ジョン ケーパー」の称呼を生ずるものであって、その綴り字は、異議申立人(ジョンカーパー/John Carper)とは「R」の文字の有無という微差であり、加えて、その指定商品中には「水泳着、帽子」等が含まれていることを考慮すると、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、前記した実情よりして、容易に異議申立人を想起するといえるものである。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合、異議申立人の業務に係る商品、又は、異議申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 商標権者の意見
(1)本件商標は、「JOHN CAPER」であって、引用の商標「JOHN CARPER」とは綴りを異にするだけでなく、称呼においても、本願商標が「ジョン ケィパー」と発音されるのに対し、引用商標は「ジョン カーパー」であって、全く相違している。
(2)本件商標中、「CAPER」の部分は、「はねまわる」との意味を有する語であって、重要語にランクされている単語であるから、「CAPER」の部分からは「ケィパー」との称呼が生ずることは容易に認識されることであって、本件商標からは、「ジョン ケィパー」との称呼のみが生ずるものである(乙第1号証)。
(3)しかも、商品に付して使用されているのは、「JC HAWAII」であって、引用商標「JOHN CARPER」ではなく、引用商標「JOHN CARPER」が商標として使用された実績については立証されていない。
したがって、商標「JOHN CARPER」が著名であるとはいえない。
さらに、「JOHN CARPER」は前述のとおり「ジョンカーパ-」との称呼が生ずるのが通常であるところ、本件商標は「ジョンケィパー」であって、称呼が相違することと綴りが相違することとが相まって、本件商標は引用商標とは相紛れるおそれはないものである。
(4)以上のとおりであるから、本件商標は取消理由に該当しないものである。

4 当審の判断
商標権者は、商標「JOHN CARPER」が著名であるとはいえない旨主張する。しかし、通知した取消理由は前記2のとおりであって、「JOHN CARPER」はサーフボードのシェイパー(製作者)としてサーフィン関連業界において著名な者であるとの認定をしているが、商標「JOHN CARPER」が著名であるとの認定はしていないし、これが著名な商標であることを根拠に本件商標が商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたとするものでもないことは、その文面より明らかである。したがって、この点の商標権者の主張は、それ自体失当である。
また、乙第1号証によれば、「CAPER」は、「ケイパー」と発音される英語と認められる。しかしながら、辞書によれば、「capercaillie」及び「Capernaum」のように「caper」の綴り部分が「カパ」あるいは「カパー」と発音される英語もある(株式会社研究社発行「研究社新英和大辞典」参照)ことに加え、申立人であるジョン カーパーがサーフボードのシェイパーとして著名な者であるとしても、その氏名の正確な綴りまで需要者において認識しているとは限らないため、本件商標を構成している「JOHN CAPER」の文字を異議申立人の氏名を表す文字と思いこんで、これを「ジョンカーパー」と称呼して取引に資する場合が少なくないと認められるから、本件商標は、「ジョンカーパー」の称呼をも生ずるものとするのが相当である。
そうすると、前記2の取消理由は妥当なものと認められるから、本件商標の登録は、この取消理由により商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-05-29 
出願番号 商願平10-52753 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (Z25)
最終処分 取消  
前審関与審査官 大森 健司 
特許庁審判長 佐藤 敏樹
特許庁審判官 板垣 健輔
上村 勉
登録日 1999-06-11 
登録番号 商標登録第4281261号(T4281261) 
権利者 サンセット商事株式会社
商標の称呼 ジョンケーパー、ジョンキャパー、ジョンカパー 
代理人 野中 誠一 
代理人 藤田 耕三 
代理人 福島 三雄 
代理人 小山 方宣 

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