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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項19号 不正目的の出願 登録しない(当審拒絶理由) 025 |
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管理番号 | 1021497 |
審判番号 | 審判1998-4886 |
総通号数 | 14 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-02-23 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-03-27 |
確定日 | 2000-07-14 |
事件の表示 | 平成 6年商標登録願第 60887号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「MARIEFRANCE」の欧文字を書してなり、第25類「フランス製の靴類(靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具を除く),フランス製の靴合わせくぎ,フランス製の靴くぎ,フランス製の靴の引き手,フランス製の靴びょう,フランス製の靴保護金具,フランス製の運動用特殊靴(乗馬靴を除く),フランス製の乗馬靴」を指定商品として平成6年6月21日に登録出願されたものである。 2 当審の拒絶の理由 当審において、「本願商標は、フランス国の代表的な女性月刊誌で周知著名な(MARIE FRANCE)の名称を表示してなるものと認め得るものであり、フランス国において周知著名な商標と同一の文字よりなる商標を我が国において出願し、権利を取得しようとする行為は国際信義に反するものというべきであり、かつ、その行為には不正の目的があるものといわざるを得ないから、本願商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。」旨の新たな拒絶理由を請求人に通知した。 3 当審の拒絶理由に対する請求人の意見 請求人が調べた限りでは、海外の有名な雑誌のタイトルでも日本国内において多くの日本人の登録が認められており、それが一般化している。それらの状況を考えると、本願商標の見解は大変一方的過ぎる。 日本国内のファッション雑誌に対しても、その各種商品の分野に該当する商標登録を調査したところ、それぞれ他人の商標が多数存在している。以上を見ても、ファッション雑誌名が全ての商標分野に権利が及ぶとは思えない。 「MARIE FRANCE」はフランスで4万部程度の発行であり、それ程有名な雑誌ではない。「MARIE FRANCE」は日本では全く知られておらず、日本では「日本語版」も発行されていない為、同じフランスの雑誌でも「日本語版」を既に発行している「MARIE CLAIRE」や「ELLE」とは全く違った意味合いである。 日本で「MARIE FRANCE」は請求人の関連商標として消費者に幅広く知られている。それはフランスの雑誌名とは関連の無いものとして認識されている。 4 当審の判断 「MARIEFRANCE」の欧文字を書してなる本願商標は、「MARIE CLAIRE(マリークレール)」、「ELLE(エル)」等と並ぶフランス国の代表的な女性月刊誌の名称「マリーフランス(MARIE FRANCE)」を表示してなるものと認め得るものである。そして、マリーフランス(MARIE FRANCE)誌は、1944年に週刊誌として創刊され、その発行部数は1980年代には約52万部に達しており、本願商標の出願時には、フランス国において周知著名であったものと認め得るものである。 また、マリーフランス(MARIE FRANCE)誌の掲載内容は女性のファッションを中心とするものであるところ、本願商標の指定商品である履物は、ファッションに関連する商品であって、上記雑誌の掲載内容に重要な位置を占めるものであり、上記雑誌と本願商標の指定商品とは強い因果関係にあるものとみるのが相当である。 してみれば、フランス国において周知著名な雑誌名と同一の文字を有してなる本願商標を我が国において出願し、権利を取得しようとする行為は、偶然の一致とは言い難く、また、本願の指定商品を取り扱う業者であれば上記雑誌の存在を当然に知っていたものと推認され、該雑誌名が本願の指定商品について商標として登録されていないことを奇貨として該雑誌名を剽窃して出願されたものと言わざるを得ないから、国際信義に反し、かつ、その行為には不正の目的があるものというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第19号の規定に該当する。 なお、請求人は、「MARIE FRANCE」誌は、それ程有名な雑誌ではなく、その雑誌名が全ての商標分野に権利が及ぶものでない旨、日本では、「MARIE FRANCE」は、フランスの雑誌名とは関連の無い請求人の関連商標として認識されている旨主張しているが、上記認定・判断に照らし、請求人の主張はいずれも採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-04-27 |
結審通知日 | 2000-05-16 |
審決日 | 2000-05-29 |
出願番号 | 商願平6-60887 |
審決分類 |
T
1
8・
222-
WZ
(025)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 旦 桂子 |
特許庁審判長 |
大橋 良三 |
特許庁審判官 |
大渕 敏雄 酒井 福造 |
商標の称呼 | マリエフランス、マリエ、マリーフランス、マリー |