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審決分類 |
審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効としない 121 審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない 121 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない 121 |
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管理番号 | 1021071 |
審判番号 | 審判1996-6656 |
総通号数 | 14 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-02-23 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1996-04-24 |
確定日 | 2000-06-30 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2547455号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第2547455号商標(以下、「本件商標」という。)は、下記(1)に示すとおりの構成よりなり、第21類「イギリス製の装身具、イギリス製のボタン類、イギリス製のかばん類、イギリス製の袋物、イギリス製の宝玉および模造品、イギリス製の造花、イギリス製の化粧用具」を指定商品として、昭和63年11月25日に登録出願、平成5年6月30日に設定登録がなされているものである。 2 請求人の主張 請求人は「本件商標の登録は無効にする。審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求める。」と申し立て、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同4号証までを提出している。 (2)請求人が本件商標と同様の「ST.ANDREWS」に関する他の商標について行った「異議申立」の最近の決定において、特許庁より「『セント・アンドリュース・リンクス・トラスト』とは如何なるものであるのか明らかではない」との指摘があった為、以下に請求人が日本で代理人をつとめる「セントアンドリュース・リンクス・トラスト」について説明する。 被請求人は、英国の「オールド・セント・アンドリューズ・リミデッド」の代理人であって同社はスコットランドで実際に本件商標関連の商品を製造していると説明しており、本件商標も「イギリス製」商品に指定されている。しかし、その「オールド・セント・アンドリューズ・リミテッド」は元々スコッチ・ウイスキーのメーカーでありスコッチ・ウィスキー専用のメーカーが本件商標関連の商品を作っている事はありえない。もし製造しているとしても、スコッチ・ウィスキーの販売の為の「プレゼントに過ぎないと思われる。日本で発行されている講談社「世界の名酒事典 ’95年版」より、被請求人がスウィスキーのメーカーである事を示す資料を提出する(甲第25証)。請求人は「ST.ANDREWS」のゴルフ場を管理運営する団体である「ST.ANDREWS LINKS TRUST(トラスト)」との契約に基づき、10数年間に亘って日本国内で「ST.ANDREWS」ブランドを幅広く展開している。現在は14の国内契約のもとに各メーカーが商品展開を行っており、日本の消費者に広く知られている。又、「ST.ANDREWS」がゴルフによって有名であることを示す資料を提出する(甲第30号証)。 3被請求人の答弁 (1)本件商標に対しては、平成8年4月24日付にて無効審判が請求されたが、この審判請求書に述べられた請求の理由は根拠のないものであり、本件商標は無効とされるべきではない。 (3)以上に述べたように、請求人の主張はいずれも不当であって理由のないものである。 3 当審の判断 (1)請求人の主張は、本件商標が商標法第何条に該当し無効であるか具体的に述べていない。そこで、当審では請求の趣旨からして請求人は本件商標が第4条第1項第7号、同第15号に該当する旨主張しているものとして、この点について審理を行った。 (2)本件商標は、下記(1)に示すとおり、動物がゴルフクラブを持った如き図形と「OLD ST.ANDREWS」の欧文字の組み合わせよりなるところ、該図形部分は如何なる動物か俄には判断し難いものである。 そして、構成中の「OLD ST.ANDREWS」の文字部分よりは「オールド セント アンドリュース」の称呼と共に「古き(街)セントアンドリュース」の如き意味合いを看取させるものである。 ところで、スコットランドの「ST.ANDREWS」は、我が国において「イギリスのスコットランド北東部の都市名」として知られているばかりでなく、ゴルフ愛好家の間では著名なゴルフ場「ST.ANDREWS LINKS」がある場所として、また、旅行愛好家の間では「海岸保養地」、「古い寺院」等がある場所としてそれぞれ知られているところである。 そうとすれば、ゴルフクラブを持った架空の動物の図形と「OLD ST.ANDREWS」の欧文字の組み合わせよりなる本件商標よりは、該商品がイギリスのスコットランドの「ST.ANDREWS」で作られたことを看取させ場合があるとしても、これより請求人が主張する如く、「ゴルフの発祥の地」「ゴルフの聖地」「ゴルフの世界の歴史」の観念を生じさせるものとは言い得ないものである。 また、上記の如く本件商標中「ST.ANDREWS」の文字は、イギリスの都市名を表した部分であるから、これについてイギリスの「ST.ANDREWS」の一ゴルフ場を管理するにすぎない「ST.ANDREWS LINKS TRUST(セント.アンドリュースゴルフ場管理運営委員会)」(トラスト)の承諾が必要とされるものではない。 さらに、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものではなく、かつ、社会公共の利益・一般道徳観念に反するものではない。 請求人は本件商標と類似する「ST.ANDREWS」の文字よりなる商標を国内14社と契約し「靴下ハンカチ、帽子、ゴルフ・ウエア」等の各種商品に商標を使用して需要者間に広く知られている旨をも主張しているが、請求人がカタログ等で使用している「ST.ANDREWS」の文字は、主にカタログ中の写真風景が「ST.ANDREWS」であること説明的に表した部分といえ、該文字が請求人の登録商標として需要者間に広く知られているものとも認められないものである。 したがって、被請求人が本件商標をその指定商品に使用しても、請求人の商品との間で商品の出所について何ら誤認混同を生じさせるおそれはないものと判断するのが相当である。 してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15号に違反して登録されたものとはいえず、同法第46条第1項によっては、その登録を無効とすることはできない。 よって結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(1)本件商標 |
審理終結日 | 2000-03-30 |
結審通知日 | 2000-04-11 |
審決日 | 2000-05-09 |
出願番号 | 商願昭63-132489 |
審決分類 |
T
1
11・
26-
Y
(121)
T 1 11・ 271- Y (121) T 1 11・ 22- Y (121) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 栗原 清一、小宮山 貞夫、浜島 一孔 |
特許庁審判長 |
寺島 義則 |
特許庁審判官 |
滝沢 智夫 江崎 静雄 |
登録日 | 1993-06-30 |
登録番号 | 商標登録第2547455号(T2547455) |
商標の称呼 | オールドセントアンドリュース、セントアンドリュース |
代理人 | 小出 俊實 |
代理人 | 石川 義雄 |
代理人 | 鈴江 武彦 |