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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z06 |
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管理番号 | 1013054 |
審判番号 | 審判1998-19834 |
総通号数 | 10 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2000-10-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-12-14 |
確定日 | 2000-02-25 |
事件の表示 | 平成9年商標登録願第109267号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別紙に示すとおり「耐震フレッシュ」の文字を書してなり、第6類願書記載の商品を指定商品として、平成9年4月21日に登録出願され、その後、指定商品については、平成10年9月24日付手続補正書をもつて「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製包装用容器,金網,ワイヤロープ」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原審において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した、登録第2153334号商標(以下、「引用商標」という。)は、別紙に示す構成よりなり、昭和60年12月11日に登録出願、第7類「換気孔材、自然換気する金属製及び合成樹脂製のベンチレーター、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成1年7月31日に設定登録され、該登録に係る権利は、平成11年3月9日に存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標は、その構成前記したとおり「耐震」の漢字と「フレッシュ」の仮名文字とを結合してなるところ、構成前半の「耐震」の文字と同後半の「フレッシュ」の文字とは、視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、観念上も、これら各文字を常に一体のものとして把握しなければならないような格別の事情は存しない。 そして「耐震」の文字は、一般に「地震に耐えて損傷しないこと」の語義を有する語であって、その用例として「耐震壁、耐震構造」等、建築又は構築に関する分野においては、その使用に係る建築資材、或いは当該工法等についてその機能、構造を表現するものとして取引上普通に使用しているのが実情である。 また、「フレッシュ」の文字は、「新鮮な、真新しい、すがすがしい、新入りの」等の意味合いをもって、一般によく知られる平易な外来語と認められる。 そうとすると、本願商標をその指定商品中の耐震構造を備え、又は同用途に供される建築又は構築用の資材について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、前記事情よりして、前半の「耐震」の文字部分は、該商品の用途、構造又は機能を表示するものと理解するに止まり、後半の「フレッシュ」の文字部分を自他商品の識別標識と捉え、該文字部分より生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないといのが商取引の実際に照らして相当である。 してみれば、本願商標からは、「タイシンフレッシュ」の一連の称呼を生ずるほか、「フレッシュ」の文字部分に相応して単に「フレッシュ」の称呼も生ずるものといわなければならない。 請求人は、この点に関し請求理由において、本願商標からは全体として「地震に耐え得る新鮮さ」の意味合いを表現したものと認識、把握される旨述べているが、本件においては、「耐震」の文字部分は専ら「フレッシュ」の文字部分を修飾し又はこれに従属するものとして看取されるというべきであって、前記認定、判断を相当とするから、その主張は採用の限りでない。 他方、引用商標は、別紙に示すとおり、横長矩形輪郭図、同輪郭内の放射線状図形及びこれら図形を背景に大きく表された「Fresh」の欧文字との組み合わせよりなるところ、構成中の該欧文字部分は、視覚上又は意味上において、これと他の構成部分(図形部分)とを常に一体のものとして把握しなければならないような特段の事情は認め難く、また、それ自体顕著に表されていて、馴染み易い部分といえるから、該文字部分に相応して生ずる「フレッシュ」の称呼をもって取引に資されるものとみるのが相当である。 したがって、引用商標からは「フレッシュ」の自然的称呼を生ずるものである。 そうとすれば、本願商標と引用商標とは「フレッシュ」の称呼を同じくする点で互いに相紛らわしく、また、観念においても両者は「フレッシュ」又は「Fresh」の文字から生ずる意味合いにおいて紛れ得るおそれがあるとみるのが相当であるから、このほか、外観上の差異を考慮するとしてもなお、これら各点を総合判断するに、両商標は類似のものというべきものである。 そして、引用商標は、その指定商品中に「耐震構造を備え又は同用途に供される建築又は構築材料」を含むものと認められる。 してみれば、本願商標は、商標法第4項第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は妥当であって取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別記 |
審理終結日 | 1999-12-02 |
結審通知日 | 1999-12-24 |
審決日 | 2000-01-08 |
出願番号 | 商願平9-109267 |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Z06 )
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 林 栄二 |
特許庁審判長 |
原 隆 |
特許庁審判官 |
高野 義三 渡口 忠次 |
商標の称呼 | 1=タイシンフレッシュ |
代理人 | 野中 誠一 |
代理人 | 福島 三雄 |