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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) 020
管理番号 1011482 
異議申立番号 異議1998-90605 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2000-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-03-20 
確定日 1999-11-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第4078272号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4078272号商標の登録を取消す。
理由 1 本件商標
登録第4078272号商標(以下「本件商標」という。)は、平成5年1月28日に登録出願され、別紙のAに表示したとおりの構成よりなり、第20類「家具,クッション,座布団,まくら,マットレス,うちわ,せんす,買物かご,スリーピングバッグ,ハンガーボード,揺りかご」を指定商品として平成9年10月31日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)がその業務に係る商品「被服類」等に使用し、広く一般に知られている標章と酷似するものであり、取引者、需要者を同じくする場合が多いところから、これを指定商品に使用された場合は商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。
(2)申立人が永年使用し周知・著名となっている標章と酷似する本件商標を商標権者が使用することは、著名性を利用し不当な利益を得ることを目的とするものであり、著名商標のグッドウイルを希釈化され、その名声を毀損するものであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものである。
(3)本件商標は、別紙のBに記載した登録商標と類似するものであり、かつ、同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
3 本件商標に対する取消理由
本件登録異議申立があった結果、本件商標を商標法第4条第1項第15号に該当するものとして商標権者に対して通知した取消理由の要旨は、別紙のCに示すとおりである。
4 商標権者の意見
上記3の取消理由に対して、商標権者は、要旨次のように意見を述べた。
(1)衣料品をはじめ洋品雑貨の業界において、単なる「POLO」はもちろんのこと、「POLO ポロ」の文字を含む結合商標が、いずれもが非類似の商標として実に96件も登録されるに至っており、その登録に基づき「POLO ポロ」の文字を含む結合商標が、競合する多数の同業者間で併存して大々的に使用されてきた。したがって、取引者、需要者は、「POLO ポロ」の文字を含んだものであっても、その結合態様の違いにより、もはや出所が異なる商品であることを充分認識するに至っている。
(2)また、いわゆるポロプレーヤー図形も又単なるアイキャッチャーとして30件の図形商標がいずれもが非類似の商標として登録され、その登録に基づきポロプレーヤー図形単独或いは「POLO ポロ」の文字を含む結合商標と一体的に構成される標章を付した商品が長期間にわたり取引市場において併存して使用されてきたことから、取引者、需要者は、これらの図形から、ポロの称呼、観念のみを抽象的に取り出して取引に資しているのではなく、具体的、個性的な図形中の特徴点を視覚的に捉えて取り引きされ、その具体的特徴点が異なれば出所が異なる商品であることを充分認識するに至っている。
(3)本件商標の図形部分とポロプレーヤー図形の顕著な相違点は、本件商標の図形部分は写実的に表された全体的に躍動的な感じを与えるのに対し、ポロプレーヤー図形は非写実的に表された静止的な印象を与えるものであって、明らかに外観上見誤ることのない非類似の商標であり、視覚的に充分区別し得るものである。
(4)ラルフ・ローレンの「POLO」商標は、「POLO」商標を所有する者の使用許諾のもと「POLO」の結合商標として使用をせざる得なかったのであり、「POLO」単独での使用の事実は見出せない。すなわち、ポロプレーヤー図形の左右に「POLO」と「RALPH LAUREN」の文字を不可分一体的に書した態様か、或いは「POLO」の文字を長方形の枠で囲み、その下に「by Ralph lauren」の文字を配した態様で使用されてきたという事実がある。
(5)商品の区分第17類、第21類及び第22類(いずれも平成3年9月25日政令第299号による改正前のもの、以下同じ)において、ラルフ・ローレンから異議申立てを受けたにもかかわらず、「POLO LEAGUE ポロリーグ」商標が、第17類で平成3年、第21類で同4年に登録になり、長年継続して使用しているが、過去においてもラルフ・ローレン「POLO」はもちろんこと、多数併存して登録され、使用されている「POLO ポロ」の結合商標とも出所の混同が生じたという事例は一見も発生していない。
(5)したがって、本件商標をその指定商品に使用しても、ラルフ・ローレンの「POLO」並びにポロプレーヤー図形と、その商品の出所について混同を起こすおそれはない。
5 当審の判断
(1)本件商標は、馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形と「POLO LEAGUE」の文字よりなるところ、該図形とラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして広く知られている馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形(以下「ポロプレーヤーの図形」という。)の外観を対比した場合、全体の描き方、プレーヤーの姿勢、マレットの位置、角度等が相違するが、ともにマレットを持ってポロ競技に興じているプレーヤーを表したものという共通した印象を受けるものであって、さらに、本件商標中の「POLO」の文字は、ポロプレーヤーの図形とともに、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品の代表的出所標識として高い著名性を有している「POLO」の文字と文字構成を同じくするものであるから、これらの事情を併せ考えれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、これから直ちにラルフローレンと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であろうと認識し、その出所について混同するおそれがあるものといわなければならず、先の取消理由の認定、判断に誤りはない。
(2)商標権者は、「POLO LEAGUE ポロリーグ」商標が、第17類で平成3年、第21類で同4年に登録になり、長年継続して使用しているが、出所の混同が生じたという事例は発生していない旨主張するが、何ら具体的な立証を伴うものではなく、本件商標について出所の混同を生じないと認定し得る証拠はない。
(3)また、地人の著名商標を含む商標に関する最近の東京高裁の判決でも、著名商標「セゾン」を引用した商標「ギフトセゾン」に係る事案(東京高裁平成8年(行ケ)第202号、同10年3月31日判決言渡)、著名商標「VOGUE」を引用した商標「ノエルヴォーグ」「NOELVOGUE」に係る事案(東京高裁平成9年(行ケ)第278号、同10年9月29日判決言渡)及び商標「MEIVOGUE」「メイボーグ」に係る事案(東京高裁平成10年(行ケ)第162号、同10年12月10日判決言渡)、著名商標「スーパーセブン」を引用した商標「スーパー7バーキン」に係る事案(東京高裁平成10年(行ケ)第335号、同11年5月19日判決言渡)について、いずれも出所の混同のおそれがあるとして商標法第4条第1項第15号が適用されている。
(4)以上のとおりであって、商標権者の挙げる登録例の存在は、先の認定、判断を左右するものではないというべきであり、商標権者の主張は採用できない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別記





異議決定日 1999-09-09 
出願番号 商願平5-8066 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (020 )
最終処分 取消  
前審関与審査官 飯山 茂 
特許庁審判長 秋元 正義
特許庁審判官 宮川 久成
芦葉 松美
登録日 1997-10-31 
登録番号 商標登録第4078272号(T4078272) 
権利者 株式会社八木商店
商標の称呼 1=ポロリ-グ 2=リ-グ 
代理人 田中 秀佳 
代理人 江原 省吾 
代理人 曾我 道照 
代理人 植木 久一 
代理人 黒岩 徹夫 
代理人 白石 吉之 
代理人 岡田 稔 
代理人 小谷 悦司 
代理人 城村 邦彦 

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