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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z12
管理番号 1011133 
審判番号 審判1998-11386 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-07-21 
確定日 1999-12-01 
事件の表示 平成9年商標登録願第101570号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、商標の構成を別紙に示すものとし、第12類「自動車用並びに二輪自動車用の警音器」を指定商品とし、平成9年4月1日に立体商標として登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、指定商品に含まれるいわゆる『渦巻型ホーン』の一類型を表したものと認識されるものであるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の形状、種類を表示したにすぎず、自他商品の識別標識とし機能し得ないものである。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)平成8年法律第68号により改正された商標法は、立体的に表された標章であって、商品又は役務について使用をするものを登録する立体商標制度を導入し、その中には商品若しくは包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含まれるとしても、商品等の形状は、それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)に商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。
そして、この商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、全体としてみた場合商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まるというのが相当である。
また、商品等の形状は同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人も使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用された結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品又は役務と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
立体商標制度を審議した工業所有権審議会の平成7年12月13日付け「商標法等の改正に関する答申」P30においても、「3.(1)立体商標制度の導入▲3▼需要者が指定商品若しくはその容器又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識する形状のみからなる立体商標は登録対象としないことが適当と考えられる。・・・ただし、これらの商標であっても使用の結果識別力が生ずるに至ったものは、現行法第3条第2項に基づき登録が認められることが適当である。」としている。
また、意匠法等により保護されている形状について重ねて又は権利消滅後商標登録することにより保護することは知的財産制度全体の整合性に不合理な結果を生ずることとなる。
(2)これを本願についてみれば、▲1▼ 本願商標は、渦巻型ホーンの一形態を表してなるものと認められるものであるから、これを指定商品「自動車用並びに二輪自動車用の警音器」に使用しても、取引者、需要者は単に指定商品の形状の一形態を表示したものと認識するにすぎないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
▲2▼ 請求人は、立体商標が該指定商品の形状に特徴的な変更、装飾等を施し、更に、そこに機能的特徴が附加された結果の形状である場合、自他商品の識別に重要な要素となり得る旨主張する。
しかしながら、本願商標は、前記認定のとおり、渦巻型ホーンの形状の特徴を備えたものであり、同ホーンの機能を発揮するための附加がされているとしても、それは専ら機能として作用するものであり、それが直ちに本願商標に関し自他商品の識別性に影響を与えるとは認め難く、需要者もまた、渦巻型ホーンの形状の範囲のものと認識するにすぎないとみられるものである。
▲3▼ また、甲第2号証乃至同第4号証によれば、請求人は、「自動車用警音器」について意匠登録等を受けていると認められるところ、このような商品の形状に商標登録を認めるべきでないことは前示のとおりである。
3 結論
以上のとおり、本願商標は指定商品中の「渦巻型ホーン」の形状を表示するものとし、商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、正当であって取り消す限りでない。
よって結論のとおり審決する。
別掲 別記




審理終結日 1999-09-01 
結審通知日 1999-09-21 
審決日 1999-09-30 
出願番号 商願平9-101570 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z12 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 橋本 浩子高野 義三板垣 健輔 
特許庁審判長 工藤 莞司
特許庁審判官 宮川 久成
渡口 忠次
代理人 廣瀬 哲夫 
代理人 岡村 憲佑 

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