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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない 016 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 016 |
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管理番号 | 1010930 |
審判番号 | 審判1996-20549 |
総通号数 | 9 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2000-09-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1996-12-05 |
確定日 | 2000-02-07 |
事件の表示 | 平成6年商標登録願第107060号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ラバーグリップ」の文字を横書きしてなり、第16類「紙類,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」を指定商品として、平成6年10月20日に登録出願されたものである。 2 原査定の理由 本願商標は、その指定商品との関係から「ゴム製の握り部分」の意を直感する「ラバーグリップ」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品中「筆記用具等握り部分を有する商品」に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品(紙類,紙製文房具を除く。)に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。 3 請求人の主張 (1)「ラバー」の文字部分は、「rubber」の字音であると同時に「lover」の字音でもあり、共に外来語として周知である。 (2)「grip」は、「手提げかばん、機械、ラッケット」などの場合に使用され、筆記具のように「握り柄、取っ手」といった特定された部分がなく、全体を手のひらに包み込むようにして握る場合の物または行為について使用されるのは「hold」である。 (3)筆記具等の「柄または握り手」のない商品について「ゴム製の握り部分」の意を直感するとした原審認定は推理、推測をはさんだ独自の見解にすぎず、「グリップ」の有する意味合いとの関係を勘案すれば「恋人の(手を)ギュッと握りしめる」の意味合いを直感せしめる。 (4)商標の自他商品識別標識としての機能の有無は、商標の有する意味合いが指定商品との関係において商品の品質等の特性を表す語義に該当するものかどうかということと、現に商品の品質を表示するものとして取引上当業界において普通に使用されているとする事実が明確にされなければならない。原審拒絶理由は、本願商標の特性を考慮することなく、かつ、「ホルダー」と「グリップ」の有する語義を同日に論じて拒絶の理由としたものであって、理不尽にして経験則無視の違法がある。 4 当審の判断 本願商標は、「ラバーグリップ」の文字よりなるところ、ゴルフクラブ、ラケット、工具等の柄や取っ手の持ち易さや滑り止めのために握りの部分にゴムを使用したものがあり、これらの部分を「ラバーグリップ」と称している事実がある。ところで、本願の指定商品との関係においても、例えばシャープペンシル、ボールペン等握り部分にゴムを付した商品が普通に見られるところであるが、それらがどのように呼ばれ取引されているか以下に検討する。 新聞記事データベースによれば、次のような記事が認められる。 (1)プラチナ万年筆、シャープペンシルについて、「手にフィットするラバーグリップは持ちやすく、長時間使用しても疲れにくい」(1992年5月2日付日経流通新聞7頁) (2)ぺんてる、シャープペンシルについて、「ラバーグリップを付けて持ちやすくした・・・」(1993年1月25日付日経産業新聞23頁、同年1月30日付同紙6頁) (3)ボールペンについて、「国産品では、頸肩腕症を防ぐ特殊デザインのものや、凸凹のラバーグリップを使って手になじみやすくしたタイプなど、使いやすさに配慮したボールペンが増えている。・・・また、・・・グリップ部分にラバー素材を使って長時間使用しても疲れにくい三菱鉛筆の・・・」(1994年5月13日付日経産業新聞23頁) (4)三菱鉛筆、ボールペンについて、「事務用タイプとグリップ部にラバーを付けたタイプの二種類。・・・ラバーグリップ付きが百円。」(1995年8月18日付日経産業新聞12頁、他同趣旨の記事、1995年8月24日付日本経済新聞朝刊17頁、1995年8月18日付朝日新聞朝刊8頁、1994年10月18日付東京読売朝刊9頁、1994年9月16日付日刊工業新聞18頁) 以上によれば、英語の本来の用法の適否はともかくとして、筆記具関係の取引業界においては、ボールペンやシャープペンシルの「握り部分」のことを「グリップ」といい、ゴムで構成されたものを「ラバーグリップ」と称し、「ラバーグリップ付き」であること及びその特性(持ち易さ、疲れない等)が取引上強調されていることが認められる。 してみると、本願商標をその指定商品中、ボールペン、シャープペンシルのような「ラバーグリップ付きの商品」に使用するときには、取引者、需要者は、その商品の品質を表したものと認識、理解するに止まるものといわざるをえず、また、それ以外の商品(紙類,紙製文房具を除く。)に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するものであるとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消す限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-11-16 |
結審通知日 | 1999-12-07 |
審決日 | 1999-12-20 |
出願番号 | 商願平6-107060 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(016 )
T 1 8・ 272- Z (016 ) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 酒井 福造 |
特許庁審判長 |
金子 茂 |
特許庁審判官 |
石田 清 大橋 良三 |
商標の称呼 | 1=ラバ-グリ+ツプ |
代理人 | 早川 政名 |
代理人 | 長南 満輝男 |