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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 登録しない 124 |
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管理番号 | 1007791 |
審判番号 | 審判1994-15541 |
総通号数 | 7 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2000-07-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1994-09-12 |
確定日 | 2000-01-04 |
事件の表示 | 平成3年商標登録願第58445号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別紙(1)に表示した構成よりなり、旧第24類「運道具、その他本類に属する商品」を指定商品として平成3年6月6日に登録出願され、平成5年7月6日に出願公告されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 これに対して、登録異議の申立があった結果、原査定は「本願商標構成中の文字部分は、登録異議申立人の造成したゴルフ場の名称を構成する文字と同一であり、これが、本願商標出願前から宣伝されていることは登録異議申立人の提出に係る書証によって認められるところであり、本願商標は、申立人のゴルフ場の名称を盗用したものといわざるを得ず、本願商標を登録異議申立人の承諾なくして商標登録することは公の秩序を害するものと判断するのが相当であって、本願商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)原審において登録異議申立人(以下「申立人」という)が提出した各甲号証によれば、以下の事実が認められる。 ▲1▼申立人は、昭和62年12月16日付で新潟県知事に対してゴルフ場の造成申請を行い、これが平成元年11月4日付で認可されたこと。 ▲2▼申立人は、遅くとも平成2年秋から、別紙(2)に表示した構成よりなる、五弁の花びら状の図形の右側に毛筆体で「中峰ゴルフ倶楽部」の文字を配した標章(以下「申立人標章」という)を使用して、当該ゴルフ倶楽部の会員募集広告をなし、また、件外会社を通じて申立人標章を使用した同ゴルフ倶楽部の会員募集を行ったこと。 ▲3▼これらの宣伝・募集行為により、申立人標章は、申立人の業務に係る役務「ゴルフ場の提供」を表示するものとして知られるようになったこと。 ▲4▼出願人は、個人としてではあるが、平成2年7月25日付で、申立人に対して、入会申込みを行い、同年11月14日付で同ゴルフ倶楽部の会員となったこと。 以上の▲1▼ないし▲4▼を総合して検討すれば、出願人は、申立人標章が申立人の業務に係る役務「ゴルフ場の提供」を表示するものであることを知り得る立場にあり、かつ、知っていたと推認できるものである。 (2)原審において申立人が提出した甲第19号証(枝番を含む)によれば、出願人は、件外4件の商標登録出願を行い、この商標に関して、これと類似する名称を冠するゴルフ場を経営する件外会社に対し、当該商標の買い取りを求める交渉を行った旨の証明がなされているが、出願人はこれに対して答弁(疎明)をしていない。 (3)本願指定商品は、「ゴルフクラブ、ゴルフ靴、ゴルフボール」などのゴルフ場で使用される用具を含むものであって、役務「ゴルフ場の提供」と、本願指定商品中の上記ゴルフ用具とは互いに密接な関連を有するものである。 (4)本願商標は、申立人標章と酷似する構成のものであり、これが偶然の一致で採択されたとは認め得ないものである。 (5)当審において職権により調査したところ、本願と同日の出願に係り、一連の願書符号が付された他の3件の出願(本願の願書記号は(1)であり、一連の願書符号は(4)まで付されている)に係る商標は、いずれも出願人の名称あるいは業務などとは関連を有するとは認められない、他人の営業に係るゴルフ場の名称およびロゴマークよりなる商標であって、その指定商品も本願と同一であることが確認できた。 (6)以上の(1)ないし(5)を総合すれば、出願人は、申立人が、役務「ゴルフ場の提供」に申立人標章を使用していることを知ったうえで、申立人標章と酷似する商標を採択し、申立人役務と関連する指定商品に係る出願をなしたというのが相当であり、申立人標章の剽窃ともいうべきものである。なお、これを覆すに足りる証左は見いだせず、また、提出されてはいない。 このような、出願人による本願商標の採択行為は、一般の商取引社会における競業秩序や商道徳に悖るものといわざるを得ず、かかる行為に基づく本願商標は、社会的妥当性を欠くものであって、公の秩序を害するおそれがある商標というべきである。 4 結論 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものであり、この法条をもって本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消す理由はない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別記 |
審理終結日 | 1999-09-07 |
結審通知日 | 1999-09-28 |
審決日 | 1999-11-11 |
出願番号 | 商願平3-58445 |
審決分類 |
T
1
8・
22-
Z
(124 )
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田代 茂夫、寺光 幸子 |
特許庁審判長 |
秋元 正義 |
特許庁審判官 |
芦葉 松美 宮川 久成 |
商標の称呼 | 1=ナカミネゴルフクラブ 2=チ+ユ-ホ-ゴルフクラブ |
代理人 | 三嶋 景治 |