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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 登録しない 007 審判 査定不服 称呼類似 登録しない 007 |
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管理番号 | 1007731 |
審判番号 | 審判1998-1958 |
総通号数 | 7 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2000-07-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-02-06 |
確定日 | 1999-12-15 |
事件の表示 | 平成8年商標登録願第19942号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第7類「廃棄物破砕機」を指定商品とし、平成8年2月28日登録出願、その後、指定商品については、平成9年10月15日付手続補正書をもって「自走式ガラ破砕機」と補正されたものである。 2 原査定の引用商標 これに対し、原査定において本願の拒絶理由に引用された登録第1212114号の1の1の1の1商標(以下「引用A商標」という。)は、「ナイヤガラ」の文字を横書きしてなり、第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和48年5月12日登録出願、同51年8月2日設定登録された登録第1212114号商標の商標権の分割に係るものであって、「産業機械器具、その他本類に属する商品、但し、動力機械器具(水車、風車を除く)暖冷房装置および冷凍機械器具並びに農業用機械器具、ガソリンステーション用装置及び車輌洗滌機及び洗たく機、その他のクリーニング用機械器具を除く」を指定商品として、昭和60年3月25日その分割の登録がなされ、その後、同61年7月17日及び平成9年1月30日の2回に亘って商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。同じく、登録第2036891号商標(以下「引用B商標」という。)は、「NIAGARA」の文字を横書きしてなり、昭和60年7月26日登録出願、第9類「ウオータジエツトポンプ装置、その他の風水力機械器具、その他本類に属する商品、但し、動力機械器具(水車、風車を除く)事務用機械器具、暖冷房装置および冷凍機械器具、農業用機械器手具、ガソリンステーション用装置及び車輌洗滌機、及び洗たく機、その他のクリーニング用機械器具を除く」を指定商品として、同63年4月26日設定登録され、その後、平成10年1月6日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 そこで、本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標は、その構成別紙に表示したとおりであって、「NIAGARA」の文字中の「A」と「G」の間に倒立三角形といえる図形を配してなるものであるところ、構成中の文字部分である「NIAGARA」は、赤色で強く印象づけられるように表されており、「A」と「G」の間の図形にしても文字に比較して小さく配されているものであって、加えて「NIAGARA」は、北米のエリー湖からカナダのオンタリオ湖に流れているナイアガラ川中流にある滝(ナイアガラ瀑布)を意味する語として知られている文字と綴り字を同一にするから、このような構成よりなる本願商標に接する取引者、需要者は、構成文字部分を全体として「NIAGARA」を表したものと認識、把握し、これより生ずる称呼、観念をもって取引に当たるものといわなければならない。 そして我が国においては前記意味を有する「ナイアガラ」をしばしば「ナイヤガラ」とも称し、「ナイアガラ」と「ナイヤガラ」を同義語として理解し、用いられているといえるところである。 そうとすれば、本願商標は、「NIAGARA」の文字に相応して、「ナイアガラ」の称呼及び「ナイアガラ瀑布」の観念を生ずるものと認められる。 他方、引用A商標は、「ナイヤガラ」の文字に相応して、「ナイヤガラ」の称呼及び「ナイアガラ爆布」の観念を生ずるものと認められる。同じく、引用B商標は、「NIAGARA」の文字に相応して、「ナイアガラ」の称呼及び「ナイアガラ爆布」の観念を生ずるものと認められる。 しかして、本願商標より生ずる「ナイアガラ」の称呼と引用A商標より生ずる「ナイヤガラ」の称呼を比較するに、両者の相違する中間の第3音である「ア」と「ヤ」の音は、母音(a)を共通にし、加えて共に「ナイアガラ爆布」の観念を有することと相まって、極めて酷似した音として聴取されるものといえるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときはその語感、語調が相似たものとなり、互いに相紛れるおそれがあるものといわなければならない。 してみれば、本願商標と引用A・B商標とは、前記の称呼、観念において類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は引用A・B商標の各指定商品中に包含されていると認められるものであるから、結局、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 なお、請求人(出願人)は、「実際取引の経験則からすれば、まず、第1号証(NECCO株式会社カタログ)のようなパンフレットがあり、商品の現物を検討した上で注文書などによる取引がなされるのであって、彼此相紛れるおそれはない。」旨述べている。 しかしながら、実際に商品を注文書によって取引をする際においても商品カタログ等に表示されている何らかの文字、記号(商標を含む)をもとにして、記載されるのが通常であり、本件にあっては、第1号証のパンフレットには本願商標の右下にその読みを特定したといえる「ナイアガラ」の片仮名文字を小さく付してあることから、注文書に記載するときには、商標使用者の意図に拘わらず簡潔な表示、即ち「NIAGARA」あるいは「ナイアガラ」(本願商標から生ずる称呼)の文字をもって記載されるとみるのが相当であって、請求人(出願人)は、注文書等に「A」と「G」の間に図形を配した本願商標を正確に記載して取引している証左を示していない。 そして、商標の類否の判断基準の一つとして、時と場所とを異にした場合に、両商標に接する者が誤認混同を生ずるか否かという観点、いわゆる離隔的観察によってその類否を判断すべきこととされている点からすると、本願商標と引用A・B商標とは、前記の如く判断するのが妥当であるから、請求人(出願人)の主張は認めることができない。。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別紙 |
審理終結日 | 1999-09-20 |
結審通知日 | 1999-10-08 |
審決日 | 1999-10-25 |
出願番号 | 商願平8-19942 |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(007 )
T 1 8・ 262- Z (007 ) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 林 栄二 |
特許庁審判長 |
三浦 芳夫 |
特許庁審判官 |
寺光 幸子 高野 義三 |
商標の称呼 | 1=ナイアガラ |
代理人 | 菅野 中 |