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審決分類 審判 全部無効 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 109
審判 全部無効 商4条1項16号品質の誤認 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 109
管理番号 1004425 
審判番号 審判1997-10988 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-04-28 
種別 商標取消の決定 
審判請求日 1997-07-02 
確定日 1999-10-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第2421144号商標の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2421144号商標の登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2421144号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示すとおり「カギの110番」の文字を横書きしてなり、昭和63年11月11日登録出願、第9類「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成4年6月30日に設定の登録がされたものである。
2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同第10号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)無効事由
本件商標は、商標法第3条第1項第6号又は同法第4条第1項第16号の規定に該当し、同法第46条第1項第1号の規定により無効にすべきものである。
(2)無効原因
▲1▼本件商標は、「カギの110番」の文字を横書きしてなるものであって、前半部を構成する「カギ」の文字は、建造物への出入、機器の管理等その利用の都度必要とされるもので、防犯用としての性格をもつ商品である「鍵」を表示したものであり、同じく後半部を構成する「110番」の文字は、警察への緊急連絡用の電話番号として知られているものである。
そして、「カギ(鍵)」に関連する商品を取扱う業者は、例えば、緊急解錠、錠前交換、鍵再調製等の迅速な対応がせまられる場合が、他の商品に比して特に多いとみられるものである。
このような事情から、「カギ(鍵)」に関連する商品を取扱う業者においては、かかる商品に関するさまざまな要請に迅速に対応しうることを宣伝するために、「110番」なる語を応用して、「カギで困った場合には、すぐ緊急電話を」の意味のもとに「カギの110番」なるキャッチフレーズを数多く使用しているのが実情である。
してみれば、本件商標をその指定商品中、「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機」について使用した場合には、需要者は、前記意味合いの如きキャッチフレーズとしてのみこれを理解し、自他商品識別標識としての機能を果すものとは認識しないとみるのが相当であって、結局、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は、指定商品中「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機」について使用するときは、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同第4条第1項第16号に該当するものである。
▲2▼本件の指定商品中「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置」は、甲第3号証に示すように、「カギ(鍵)に関連する商品を取扱う業者」、いわゆる「町のカギ屋さん」が取付販売する旨、電話帳の広告に記載されており、子供、主婦、老人を含む一般消費者向けに広告・宣伝されている。
次に、本件の指定商品中「鍵製造機、鍵複製機」は、同号証において広告・宣伝されているように、上記した、いわゆる「町のカギ屋さん」が鍵の製造や複製を行なっていることから、この「町のカギ屋さん」が需要者であることは明らかであるが、「町のカギ屋さん」以外にも、コンビニエンスストア、雑貨屋、バイク屋、自転車屋、ガソリンスタンド、印鑑屋、酒屋、ビデオショップ等が「合鍵作ります」等の看板を掲げて、鍵の製造や複製を副業として行なっているのが実情であることより、「安全錠、鍵、南京錠」と「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機」とは密接な関連を有するものであって、「カギ(鍵)」に関する商品として認識されてしかるべきものといえる。
以上に述べてきたように、「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機」は、「カギ(鍵)」に関連する商品として認識されてしかるべきものであり、該商品について、「カギの110番」の文字を使用しても、自他商品識別機能を果すものとは認識しない、とみるのが相当である。また、上記商品以外の商品に「カギの110番」の文字を使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
▲3▼被請求人も認めているように、技術の急速な進展によって、需要者が簡単に施工できる簡易型の「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置」が現出しているのが実情であり、また、一般的に「カギ(鍵)」と認識されている「安全錠、鍵、南京錠」(平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令の商品区分においては第13類、以下同じ。)と同一店舗で販売又は展示されている事実が多々あることより、その主たる需要者は、子供、主婦、老人を含む一般消費者であることも明白である。
そして、現在の家電製品は、いわゆるマイコン内蔵型のものも少なくなく、それを子供や主婦が何なく使用しているのが実情であることから考えて、「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置」の主たる需要者が、ことさら相当の専門知識を有する者や専門家であるとする被請求人の主張は、社会の実情の認識に欠けた不当なものである。
3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判請求費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第3号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)請求人は本件の指定商品を一般的に「カギ」と称される「安全錠、鍵、南京錠」と混同し、しかも本件の指定商品の主たる需要者層の判断を誤っており、「本件の商標がキャッチフレーズであり、商標法第3条第1項第6号又は同第4条第1項第16号の規定に該当する」との請求人の主張には理由がない。
▲1▼本件の指定商品の主たる需要者層を検討するに、まず一般的に認識されている「カギ」とは、「安全錠、鍵、南京錠」であり、「カギ」専門店だけではなく、スーパーマーケット等においても市販されている商品であって、技術的専門的な商品知識を必要とせず、その主たる需要者層は子供、主婦、老人を含む一般消費者である。
これに対し、本件の指定商品のうち「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置」は、その使用方法や機能を理解するのに相当の専門的知識を必要とする商品である。また、「鍵製造機、鍵複製機」は、鍵の製造や複製に使用する商品であり、その他の商品についても相当の商品知識を必要とするものが多いものであるから、本件の指定商品の主たる需要者層は商品について相当の知識を有する消費者及び専門家と考えるのが相当である。
かかる相当の商品知識を有する本件指定商品の主たる需要者にすれば、本件の指定商品「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機、その他本類に属する商品」が一般的に「カギ」と称する「安全錠、鍵、南京錠」とは全く性格の異なる商品であることは明らかであり、本件の指定商品は請求人が主張するように『「カギ(鍵)」に関連する商品』として一律に分類されるべきものではないことは明白である。
▲2▼また、請求人は、『「カギで困った場合には、すぐに緊急電話を」の意味のもとに「カギの110番」なるキャッチフレーズを数多く使用しているのが実情である』と主張するが、本件商標の「カギの110番」が本件の指定商品との関係において、請求人の提示した甲第3号証の1〜10うち、5〜10は証拠たり得ず、また、甲第9号証の1〜6を挙げ、本件商標の登録の査定時前に、『「カギの110番」がキャッチフレーズとして数多く使用されている』と主張しているが、これらの大部分は錠前類及びカギに関する電話帳広告であって、本件商標の登録の査定時前に、その指定商品について「カギの110番」がキャッチフレーズとして数多く使用されているとは到底断言できないものと考える。
仮に、一般的な「カギ」と称する「安全錠、鍵、南京錠」について請求人が主張するように『「カギの110番」がキャッチフレーズとして使用されている』と仮定しても、その事実をもって商品の性格が全く異なる本件の指定商品との関係において請求人の主張するようなことは到底言えないものと思慮する。
▲3▼本件商標の構成中、「カギ」の文字は、「鍵」の称呼を片仮名で表示したものと認められる。
他方、本件指定商品のうち、「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置」は一般的に「カギ」と称される「安全錠、鍵、南京錠」と同じ店舗で販売されることもあるが、その使用方法や機能の理解に相当の専門的知識を必要とし、需要者に対して販売担当者による専門的な説明を行う必要があることから、一般的に「カギ」と称される「安全錠、鍵、南京錠」とは異なる店舗や部門で販売されることが多く、全く性格の異なる別異の商品である。また、「鍵製造機、鍵複製機」は「鍵」そのものではなく、鍵の製造や複製に使用する「鍵」とは全く性格の異なる商品である。
したがって、「カギ」の文字は本件の指定商品「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機、その他本類に属する商品」に関連してその品質等を誇示するために取引上普通に使用されている文字ではない。
本件の指定商品との関連性を考慮すると、「カギ」の文字は本件の指定商品の主たる需要者には「盗難や泥棒に対する安全性、あるいは防犯の信頼性」を連想させる文字と考えるのが自然である。
また、「110番」の文字は請求人が主張するように、確かに「警察への緊急連絡用の電話番号」であるが、本件の指定商品の主たる需要者が「110番」の文字から直ちに「緊急電話による連絡」を認識すると断定するのは極めて不自然である。
むしろ、本件の指定商品との関連性を考慮すると、その主たる需要者にすれば、「110番」の文字から「警察」、従って「警察によって保護されているような安全性や信頼性」を連想すると考えるのが自然である。
してみれば、主たる需要者が本件の指定商品について使用される本件商標に接した場合、前記のように「カギ」及び「110番」の両文字とも「安全性、信頼性」を連想させる文字であることから、「高い安全性、高い信頼性」を連想させる、いわゆる造語と認識すると考えるのが相当である。
以上のように、本件商標「カギの110番」は本件の指定商品について使用される場合には「キャッチフレーズ」とは到底言えず、「高い安全性、高い信頼性」を連想させる造語として認識され、自他商品識別機能を発揮すると考えるのが相当であって、商標法第3条第1項第6号の規定に該当せず、また、「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機」以外の商品に使用しても商品の品質について誤認を生じさせるおそれがなく、同第4条第1項第16号に該当するものではない。
▲4▼「簡易型のドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置」は、本件商標の指定商品「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置」に属する一部の商品であって、大部分を占める商品ではなく、被請求人の提出した乙第3号証から明らかなように、「ドア用防犯侵入警報装置」とは検知器、警報制御盤、ベルや威嚇器等の警報器から構成される警報システムであり、「電子式施錠装置」とは電気錠とその警報制御盤によって構成されるシステムであり、しかもかかる「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置」の施工については例えば電気工事士法等によって規制されることがあるという商品である。
即ち、本件商標の指定商品「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置」は家屋の新築時や既存の家屋に装備する場合に依頼主(一般消費者)が施工業者から示されたカタログ等を見て、その機能や使用方法の説明を受け、自分の家屋やセキュリティの程度に合った適切な装置を選んで施工業者に注文し、施工業者がメーカー等から購入して家屋に施工するというのが一般的な商品の流れであり、請求人が主張する、いわゆる家電製品とは全く性格の異なる商品である。
したがって、『「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置」の主たる需要者が、ことさら相当の専門知識を有する者や専門家であるとする被請求人の主張は、社会の実情の認識に欠けた不当なものである。』との請求人の主張こそが社会の実情の認識に欠けた不当なものであると思慮する。
▲5▼「鍵製造機、鍵複製機」については、請求人の提出した甲第10号証から明らかなように、副業であっても事業として行う者が購入し使用する機器であり、金属加工機械の一種である。かかる金属加工機械はこれを使用するのに相当の技術的専門的な知識を必要とすると考えるのが自然であり、金属加工に関する知識のない者がこれを購入し使用するとは到底考えられない。
したがって、仮に請求人が主張するように「安全錠、鍵、南京錠」について「カギの110番」が一般消費者に向けてキャッチフレーズとして使用されているとしても、鍵の製造業者や複製業者が「鍵製造機、鍵複製機」について使用されている本件商標「カギの110番」に接した場合にそのまま一般消費者向けのキャッチフレーズと認識すると考えるには無理がある。商品の性格を考慮すると、むしろ「高い安全性、高い信頼性」を連想させる、いわゆる造語と認識すると考えるのが自然であると思慮する。
(2)本件登録の有効性は、その指定商品「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機、その他本類に属する商品」が一般的に「カギ」と認識されている「安全錠、鍵、南京錠」と同種商品、又は関連する商品か否かに帰結すると考えられる。
専門の施工業者によって取り扱われる必要のある本件商標の指定商品は、同一店舗で展示され販売されることがあるからといって、金具の一種と認識される「安全錠、鍵、南京錠」とは既に述べたように性格が全く異なり、同種商品、あるいは関連する商品と認識されるとは到底考えられない。
したがって、本件商標の指定商品は一般的に金具と認識される「安全錠、鍵、南京錠」とは性格が異なり、仮に請求人が主張するように「安全錠、鍵、南京錠」について「カギの110番」が、いわゆるキャッチフレーズとして使用されているとしても、その指定商品についてキャッチフレーズとして使用されているとは到底認められず、主たる需要者にキャッチフレーズとして認識されることはなく、本件商標は商標法第3条第1項第6号に該当せず、また、「ドア用防氾侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機」以外の商品に使用しても商品の品質について誤認を生じさせるおそれがなく、同第4条第1項第16号に該当するものではない
4 当審の判断
本件商標は、別紙に示すとおり「カギの110番」の文字を横書きしてなるところ、請求人の提出にかかる書証よりみて、以下の点を認めることができる。
(1)「ドア用防犯侵入装置」は、甲第4号証の1乃至3によると、防犯システム機器として、不法侵入などをキャッチし、警報を発するものであり、スイッチ(キー、カード、テンキー)、検出器、受信機、ベル及びブザーから構成されている装置であって、「使いやすいワンタッチ操作」、「小規模物件の簡易防犯に」、「配線はインターホン線2線式で取付簡単」との記載、また、同第4号証の4のインターホンのカタログには、「ママにもカンタン、組立ラクラク ドライバー一本で取付完了」との記載が認められる。
そして、同第5号証によれば、該商品は、「安全錠、鍵、南京錠」と同一店舗で販売又は展示されていることが認められる
(2)「電子式施錠装置」は、同第6号証の1によると、マイコンを搭載し暗証番号等によって施・解錠できるもので、レバーとキーボード部分よりなる装置であって、リセットキー(鍵)により暗証番号の変更ができるものであると認められる。
また、手軽な乾電池式で、めんどうな手間のかかる配線が不要なもの、従来の鍵と全く同様に使用できる非常用シリンダーキーの使用によって解錠できることも認められる。
(3)本件商標の登録査定時(平成3年12月20日)までに、「カギの110番」の文字(文句)は、昭和60年10月31日現在のタウンページの広告において、カギで困ったら/車開錠・カギなし製作‥‥防犯装置取付販売・電子キー・マスターキー装置組替(甲第3号証の1)、1986(昭和61)年12月25日同広告において、カギで困ったら/自動車・バイク‥‥電子ロック/●カギを全部なくした時、すぐ合カギを作ります/●錠前、各メーカー取付工事します●防犯装置、取付工事します(同第3号証の2)、1991(平成3)年4月8日同広告において、出張OK、カギと錠の専門店/各種錠前取付、取替、開錠/修理、金庫修理/防犯装置取付、電気錠取付(同第3号証の3)、同広告において、カギで困ったらSOS!!/カギあけ カギなし製作/住宅・自動車‥‥防犯装置・自動販売機(同第3号証の4)、1989(平成1)年7月15日現在同広告において、合鍵複製機/ブランキー/錠前・防犯機器(同第9号証の4)、1988(昭和63)年10月26日現在同広告において、●マスター装置・電気錠の取付●総合防犯システム(同第9号証の5)、1990(平成2)年1月8日現在同広告において、★電気錠、押ボタン錠、Xキー、ニカバキー、電子ロックキー、取付工事一式/■電気錠取付、(見積無料)/学校・病院・マンション・ビル等のマスターキーシステム変更・設定-即日.OK(同第9号証の6)の営業内容を端的に表現した文字とともに使用されていることが認められる。
以上の(1)乃至(3)の各点より、「ドア用防犯侵入警報装置」と「電子式施錠装置」は、そのシステム(機構)が異なるとしても、防犯に関する商品として認識される場合が少なくないといえるものである。そして、前述のように、「カギの110番」の文字(文句)は、安全錠、鍵、南京錠等の錠前以外にも防犯装置取付販売・電子キー装置組替、マスター装置・電気錠の取付等の広告の文句、いわゆるキャッチフレーズとして使用されているところであるから、これに接する取引者、需要者は、防犯に関する商品、あるいはサービスについてトータル的に取り扱う小売又はサービス業としての営業内容を端的に表現するものとして「カギで困った場合には、すぐ緊急電話を」の意味合いを認識させるに止まり、これを営業内容とする、いわゆる「町のカギ屋さん」(以下、「カギ屋さん」という。)が、キャッチフレーズとして使用しているというのが相当である。
さらに、被請求人は、「鍵製造機、鍵複製機」については、副業であっても事業として行う者が購入し使用する機器であり、金属加工機械の一種である該商品を使用するのには相当の技術的専門的な知識を必要とすると主張しているが、前述のように、「カギ屋さん」が営業内容の一つとして「カギなし製作」や「合カギを作ります」と広告、宣伝していることから、「カギの110番」なる文字(文句)を「鍵製造機、鍵複製機」について使用しても、上述したように、主たる需要者である「カギ屋さん」自らが使用するキャッチフレーズと同様に、緊急時等に鍵を製造するための商品であることを誇張する程度の文句(キャッチフレーズ)と認識されるにすぎない。
そうすると、商品「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機」は、「カギ屋さん」が取り扱うことが多くあるものと認められ、これらは「鍵」とともに防犯に関連する商品といえるものであるから、本件商標をその指定商品中、「ドア用防犯侵入警報装置、電子式施錠装置、鍵製造機、鍵複製機」についで使用した場合、「カギで困った場合には、すぐ緊急電話を」の意味合いの如きキャッチフレーズとしてのみこれを理解し、自他商品識別標識としての機能を果すものとは認識しないとみるのが相当であって、結局、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ない。
また、本件商標を前記商品以外の商品に使用するときは、前述のとおり、鍵と防犯に関連する商品であるかの如く、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別紙

審理終結日 1999-07-09 
結審通知日 1999-08-03 
審決日 1999-08-12 
出願番号 商願昭63-129017 
審決分類 T 1 11・ 16- Z (109 )
T 1 11・ 272- Z (109 )
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮川 久成原 隆 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 寺光 幸子
高野 義三
登録日 1992-06-30 
登録番号 商標登録第2421144号(T2421144) 
商標の称呼 1=カギノヒ+ヤクト-バン 
代理人 手島 孝美 
代理人 松尾 憲一郎 
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