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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない 024
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 024
管理番号 1004222 
審判番号 審判1997-13163 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-08-01 
確定日 1999-09-10 
事件の表示 平成6年 商標登録願 第66855号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1. 本願商標
本願商標は、「トルマリン繊維」の文字を書してなり、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,ふきん,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け,どん帳,経かたびら,黒白幕,紅白幕,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」を指定商品として、平成6年7月5日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成8年12月10日付手続補正書をもって「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団がわ,まくらカバー,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,テーブル掛け,どん帳,経かたびら,黒白幕,紅白幕,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」と補正されたものである。
2. 原査定の理由
本願商標は、「トルマリン繊維」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「トルマリン」の文字は鉱石の一つ「トルマリン、電気石」を意味するものであって、同鉱石は繊維の原材料として利用されていることが認められる(例えば、日本経済新聞’96.11.28朝刊11版19面参照)から、これをその指定商品中「トルマリン繊維を原材料とする商品」に使用するときは、需要者にその商品がトルマリン繊維を原材料としたものであることを理解させるにとどまり、自他商品の識別力を有せず、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3. 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、トルマリンは宝石として知られるばかりでなく、トルマリンが繊維素材となり、また、トルマリンを微粉末にして繊維に含ませる等して作られた不織布、織物等の繊維製品が販売されている事実が認められる。
例えば、日経産業新聞の平成10年10月15日11頁で「テイエム・テクノ」(山形市、草刈良雄社長)と段ボール箱製造の「吉田段ボール」(同、吉田真一郎)はトルマリンを微粉末にして不織布に含浸させた不織布シートを開発、当面月間1500万円の販売を目指すとの記事、同新聞の平成10年1月23日22頁で宝石・貴金属の「ダイヤモンドフェニックス」(大阪市、坂本孝一社長)はトルマリンを繊維メーカーなどに素材として供給する旨の記事、同新聞の平成9年10月1日16頁で「日本環境薬品」(東京・台東、水口洋二社長)がトルマリンを直径十ミクロン以下に粉砕した製品を衣料品メーカーに売り込む、また、トルマリンは遠赤外線を発生、保温効果の高い素材として衣料品、寝具などに幅広く使われ始めている旨の記事、同新聞の平成8年8月2日7頁で「アダン鉱山中央研究所」(埼玉県大宮市、松永典久社長)がトルマリン等の超微粒子加工工場を建設等の記事のほか、トルマリンはマイナスイオンと、遠赤外線を発し、超微粒子を繊維に含んだ衣料は体液の酸化防止や血行促進などの効果を持つとした記事、同新聞の平成8年6月6日7頁で「ジェガラニン」(東京、佐々木敬司社長)など5社が天然石のトルマリン、蛇紋石、シリカを0.3ミクロンの大きさに微粉化し、レーヨン原液を混入、これに動物性繊維のシノンと絹を混ぜ合わせて作った新繊維を開発、新繊維は保温性、抗菌性、消臭性に優れ、寝具や肌着、スポーツ用品などの用途に適し、同月下旬から加工製品の販売に乗り出す旨の記事、同新聞の平成7年10月31日16頁で「アイジュ薬品」(東京・港、佐々木敬司社長)は、11月1日から抗菌・脱臭機能を持つ繊維で作った織物を販売する。同織物は東洋紡が開発した牛乳タンパク質繊維「シノン」に、遠赤外線を発する石であるトルマリンなど数種類の石を粉砕、混合して作った繊維を使っている旨の記事、日刊工業新聞の平成8年10月28日29頁で「タコー」(東京都江東区牡丹2の13の1、社長溝口孝二氏)に関する記事中[トルマリンは89年の物理学会でその特性が発表され、最近特に注目されている物質。現在、下着、靴下などの繊維製品や浄水器などに利用されている」等の記載が認められる。
上記実情と本願商標の指定商品が繊維製品であることを考慮すれば、本願商標をその指定商品中「トルマリンを使用した繊維からなる商品」に使用した場合には、需要者、取引者をして該商品の原材料、品質を表示したものと理解、認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
また、本願商標を指定商品中上記商品以外の商品に使用した場合には、その商品が「トルマリンを使用した繊維からなる商品」であるかのように、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当であり、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-05-14 
結審通知日 1999-06-08 
審決日 1999-07-15 
出願番号 商願平6-66855 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (024 )
T 1 8・ 13- Z (024 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田辺 秀三久保田 正文 
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 大渕 敏雄
平松 和雄
商標の称呼 1=トルマリンセンイ 2=トルマリン 
代理人 中村 政美 

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