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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 024 |
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管理番号 | 1003223 |
審判番号 | 審判1997-13649 |
総通号数 | 3 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2000-03-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1997-08-08 |
確定日 | 1999-10-01 |
事件の表示 | 平成7年 商標登録願 第123928号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.本願商標 本願商標は、「WARM & COMFORT」の欧文字を横書きしてなり、第24類「織物(畳べり地を除く。),メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品」を指定商品として、平成7年12月1日に登録出願されたものである。 2.原査定の理由 原査定は、「本願商標は、特に衣料用の素材においては着用時に快適性を有するいわゆる高機能の織物、布地が開発されているところ、暖かくて快適な商品であることを認識させるにすぎない『WARM&COMFORT』の欧文字を横書きしてなるから、これを本願の指定商品について使用しても、単に商品の品質、効能を強調したにとどまるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定し、本願を拒絶した。 3.当審の判断 (1)株式会社繊研新聞社(東京都中央区在)が発行する「繊研新聞」に、「ウオーム」及び「コンフォート」の語を用いた記事が、例えば次のように掲載されている。 ア.「ウオーム」の語を用いた記事 ▲1▼ 1999年3月3日付けの「フジサキテキスタイルの99年秋冬ニット素材 異素材組み合わせ、加工も工夫」をタイトルとする記事中に、「ニット生地のコンバーター、フジサキテキスタイル(本社東京)は九九年秋冬向けで、(1)ウオームとクール(2)ハードとソフト(3)ナチュラルとハイテク-など、異なった素材感や素材を組み合わせたニット服地を提案する。」との記載。 ▲2▼ 1998年10月8日付けの「コートを脱いだらノースリーブニット あったか素材のウルトラハイネック」をタイトルとする記事中に、「ロートレアモンの『ロートレアモン』は、ウオーム素材をクールなスタイリングで見せるのが冬物のテーマ。(中略)アンゴラでもミンク加工を施し、毛足を長くしてウオーム感を強調している。」との記載。 ▲3▼ 1998年7月7日付けの「売れそうアイテム 軽くて温か冬の主役に 手こたえ確か縮じゅう服」をタイトルとする記事中に、「ウオーム&ライト。温かくて軽い、縮じゅう生地を使ったジャケットやドレス、コーディネートウェアが人気を集めている。」との記載。 ▲4▼ 1997年9月18日付けの「【テキスタイル・今、現場で】 江原典子・東レ、下市育子・帝人」をタイトルとする記事中に、「素材の方向は。ソフト、ウオーム、ライト、ボリューム、反発感、落ち感、ファイン、表面効果といったところです。」との記載。 ▲5▼ 1997年4月24日付けの「トレンドチェック・レディス 97年秋冬ファッションは素材で勝負」をタイトルとする記事中に、「ツイ一ドやアンゴラ、モヘアなど『ウオーム素材』もうけている。」との記載。 イ.「コンフオート」の語を用いた記事 ▲1▼ 1999年4月13日付けの「瀧定の来春夏向け紳士服地 4テーマで快適表現、心地良さなど提案」をタイトルとする記事中に、「瀧定名古屋店紳士服地部門は、シンプルでコンフォータブルな志向の高まりに向けて、二〇〇〇年春夏物は四つのテーマで『コンフォート』を提案、心地良さと高度な満足感を表現する。」との 記載。 ▲2▼ 1999年1月29日付けの「【メンズリポート・トピックス】98年12月18日〜99年1月22日」をタイトルとする記事中に、「99〜2000年秋冬ミラノメンズコレ コンフォートでふわっとした素材 99〜2000年秋冬のミラノメンズコレクションは、ナチユラル、コンフォート(着心地の良さ)、ラグジュアリーといった前シーズンの流れを引き継いだ形で立ち上がった。」との記載。 ▲3▼ 1999年1月22日付けの「テキスポ・ナゴヤ・コンベンション 99年秋冬は新バランス、より薄く・軽さ提案」をタイトルとする記事中に、「二月五日、名古屋の国際デザインセンター(ナディアパーク)で一千点の生地を章紹介する。全体の傾向は『より軽く、薄く、コンフォータブル』。(中略)次の三つのテーマで全体を区分けしている。(1)『ファンクション』機能性や保護感)(略)(2)『コンフォート」(心地良さやリラックス)(略)(3)『トラディション』(伝統的・クラシック素材)(略)。」との記載。 ▲4▼ 1998年1月17日付けの「98〜99年秋冬ミラノ・メンズコレクション 縮絨タッチの杢グレー広がる」をタイトルとする記事中に、「メルトンやフランネル、フェルトといったあったか素材でも決して重厚ではなく「薄く軽い」のが今シーズンのポイントだ。その背景にはコンフォート(着心地の良さ)というキーワードがある。」との記載。 ▲5▼ 1997年9月5日付けの「IWS来秋冬ウールニットヤーン展 自由な組み合わせ提案、着心地の良さを重視」をタイトルとする記事中に、「『九八〜九九年秋冬ウールニットヤーン展』では『究極の着心地よさ(コンフォート)』を基本にして、ファッション性と扱いやすい機能を持ったメリノエクストラファイン、ウール・プラス・オペロン、マシンウオッシャブルなど、ニットウエアのサブブランド素材を中心に紹介する。」との記載。 (2)これらの記載よりすれば、織物等本願指定商品や被服を取り扱う業界において、「ウオーム」の文字は、商品が温かな、ウオームなものであることを表すものとして、また、「コンフォート」の文字は、商品が心地よい、着心地よいものであることをそれぞれ表すものとして使用されているものであって、かつ、いずれの語も、需要者に同様の意味を表す商品の品質を表示するものとして理解されているものと判断するのが相当である。 (3)そして、上述の「繊研新聞」に、織物等の商品の品質、機能を表示するものと認められる二語を「アンド」又は「&」を介して、「○○〇アンド○○○」又は「○○○&○○○」のように表した記事が、例えば次のように掲載されている。 ▲1▼ 1998年4月28日付けの「フェルトが増える ふわふわ、もこもこのあったか生地」をタイトルとする記事中に、「パリ、ミラノメンズコレクションのトレンドの一つとして注目される『ライト・アンド・コンフォート』。」との記載。 ▲2▼ 1998年4月6日付けの「98〜99年秋冬コレクション クール&ウオーム」をタイトルとする記事中に、「バルマンの肉厚ツイードスーツはスパンコールやラメ糸でクールな光りをのせている。いずれもあったか生地をすっきりとシックに収めたクール・アンド・ウオームな仕上がりだ。」との記載。 ▲3▼ 1998年4月1日付けの「東レ、帝人 99年春夏総合素材展を展開、合繊独自の機能性を提案」をタイトルとする記事中に、「両者が展開する『T-40コーナー』は『ナチュラル&コンフオ一ト』がテーマ。」との記載。 ▲4▼ 1998年2月12日付けの「ミズノのゴルフウエア『グランドモナーク』 新機能素材拡充、防寒を中心に」をタイトルとする記事中に、「(1)軽量性・吸水・撥水(はっすい)・保温機能の綿素材『ライト・アンド・ウオーム』のシャツ」との記載。 ▲5▼ 1997年8月7日付けの「東レの糸・テキスタイル輸出 4〜6月は10%増、南通からは3倍に」をタイトルとする記事中に、「ミフティは商品に『クール・アンド・ドライ』の説明タグをつけ、特殊素材を訴えながら販売しているが、今後はブラウスのほかにランジェリーやアウター全般に用途を広げ、大型素材に育てていく。」との記載。 ▲6▼ 1997年5月19日付けの「東邦レーヨンの来春夏ニット 4ブランド重点に明るい色で内容一新」をタイトルとする記事中に、「東邦レーヨンは九八年春夏ニット素材提案で、『フィット・アンド・ドライ』をテーマに四つの重点ブランドを打ち出した。」との記載。 (4)上記(3)の記載よりすれば、織物等本願指定商品や被服を取り扱う業界において、商品の品質を表示するものと認められる二語を「アンド」又は「&」を介して「○○○アンド○○○」又は「○○○&○○○」と表わした文字は、商品が有する二つの特徴的な品質、機能を表示するものとして使用されているものであって、かつ、需要者にも同様の意味を表示したものと理解されていると判断するのが相当である。 (5)そして、本願商標は、「WARM & COMFORT」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるものであり、本願の指定商品を取り扱う業界及び我が国の一般における英語の普及程度よりすれば、これに接する取引者、需要者は、「WARM & COMFORT」の文字を「ウオーム&(アンド)コンフォート」の文字と同義のものと容易に理解するものと判断するのが相当である。 そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、上述の事情よりして、「WARM & COMFORT」の文字を、その商品が「温かで着心地よいもの」であるという商品の品質を表示したものと認識するにすぎないものと言うべきである。 なお、請求人は、過去の審査例、審決例をあげて、本願商標は自他商品の識別標識としての機能を有している旨主張し、甲第1号証乃至甲第51号証を提出しているが、自他商品の識別標識としての機能の有無は、判断時の社会通念に応じて判断されるべきものであり、また、提出された事例は本件と事案を異にするものであるから、この主張は採用できない。 してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。 したがって、この判断と同様の趣旨で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であってこれを取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-07-09 |
結審通知日 | 1999-07-27 |
審決日 | 1999-08-06 |
出願番号 | 商願平7-123928 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(024 )
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 久保田 正文 |
特許庁審判長 |
金子 茂 |
特許庁審判官 |
茂木 静代 森吉 正美 |
商標の称呼 | 1=ウオ-ムアンドコンフ+オ-ト |
代理人 | 吉田 隆志 |
代理人 | 神田 正紀 |
代理人 | 瀧野 秀雄 |