• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 123
管理番号 1003206 
審判番号 審判1990-15036 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1990-08-13 
確定日 1999-10-27 
事件の表示 昭和63年 商標登録願 第73340号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「POLOBROTHERS」の欧文字を横書きしてなり、第23類「時計、眼鏡、これらの部品および付属品」を指定商品として、昭和63年6月27日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定においては、本願商標は、米国のザポロローレン社(以下、「ローレン社」と略する。)がファッション製品に使用して著名な商標「POLO」を構成してなるから、これと同じくファッション性の高い「時計、ファッショングラス」等に付すときは、需要者は恰もローレン社の製造、販売若しくは同社の系列グループの取扱いに係る商品の如くその出所について混同を生じるおそれがあるから、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 請求の理由
本願商標「POLOBROTHERS」は、外観上これを分離観察する理由がないのみならず、「ポロ兄弟」の観念が生ずるものであり、球技を意味する「ポロ」とは観念を異にし、また、一体のものとして把握されるべきものである。本願商標より生ずる称呼は長いものではなく、滑らかなものであるから「ポロブラザーズ」と一連に称呼される。ローレン社の商標「POLO」は単に球技名を表す普通名称にすぎないものである。前記商標「POLO」は「RALPH LAUREN」とワンセットで使用され、そのように認識されているものである。また、原査定が認定した「ファッション製品に使用して著名な商標」は不正確である。したがって、本願商標と前記商標「POLO」の間では商品の出所につき混同を生ずるおそれはない。
4 当審の判断
(1)「POLO」の周知、著名性について
(株)講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」サンケイ マーケッティング 昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。
ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、巾広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾界の名誉ある賞「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPHLAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技中のプレーヤーの図形の各商標が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。
そして、(株)洋品界 昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株) 昭和59年発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
また、ラルフ・ローレンデザインに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社 昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、婦人画報社 昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前出「舶来ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。他にこれを覆すに足りる証拠はない。
なお、ラルフ・ローレンに係る「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、「POLO」の商標は、我が国においては、遅くても本願の登録出願前である昭和59年頃にラルフ・ローレンのデザインに係る商品「被服、眼鏡」を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されて、周知、著名な商標に至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当であり、他にこれを覆すに足りる証拠はない。
(2)出所の混同のおそれについて
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、請求人が主張する「ポロ兄弟」の如き意味合いが生じ得るとしても、それが一般に知られたものとは認め難いばかりでなく、「POLO」と「BROTHERS」の各文字よりなるものであること容易に理解されるものである。そして、前記認定の他人の周知、著名な商標「POLO」を含むものであることもまた容易に理解されるものである。
そうすると、本願に係る指定商品「眼鏡」等はファションに関連する商品であって、統一ブランドの下にトータル的にファションをまとめようとする昨今においては、本願商標は、これをその指定商品について使用する場合には、これに接する取引者、需要者が構成中の「POLO」の文字に着目するときも少なくないと認められ、そのことにより周知、著名商標「POLO」を想起又は連想し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当すると言わなければならない。
なお、請求人は種々述べ資料を提出しているが、これらについては先に認定、判断したとおりである。
5 結論
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-07-30 
結審通知日 1999-08-17 
審決日 1999-08-23 
出願番号 商願昭63-73340 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (123 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前川 浩二広石 辰男 
特許庁審判長 工藤 莞司
特許庁審判官 宮下 行雄
滝沢 智夫
商標の称呼 1=ポロブラザ-ズ 
代理人 山内 淳三 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ