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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 024 |
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管理番号 | 1002851 |
審判番号 | 審判1998-4487 |
総通号数 | 3 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2000-03-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-03-19 |
確定日 | 1999-09-17 |
事件の表示 | 平成8年 商標登録願 第84069号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別紙に表示した構成のとおり「TRADITIONAL POLO」の欧文字を横書きしてなり、第24類「ハンカチ、タオル、その他の布製身の回り品」を指定商品として、平成8年7月26日に登録出願されたものである。 2 原査定の理由 原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、その構成中にアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市所在の『ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ』がラルフローレンのデザインに係る『ネクタイ、シャツ、ジャケット』等に使用し、我が国においても本願出願当時すでに需要者の間に広く認識されていた『POLO』の商標と酷似する『POLO』の文字を有するものであるから、出願人がこれを本願指定商品に使用するときは、恰も前記会社若しくはデザイナーの製造販売する商品又は前記会社若しくはデザイナーと何等かの関係のある者の取り扱いに係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨の理由により、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標の周知性について (株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。 アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。 そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年4月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。 なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。 以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する商標として、本願の登録出願の時までに、既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。 (2)本願商標は、前記構成のとおり、「TRADITIONAL POLO」の文字を書してなるところ、請求人が主張するように、構成全体として「伝統的なポロ競技」の観念を有する商標として観察されることがあるとしても、その構成の一部に「POLO」の文字を有してなるものであり、引用商標が、前記認定のとおり、我が国において、本願の登録出願の時に、既に著名性を有していたと認められる以上、「POLO」の文字部分に着目して引用商標を想起することも少なくないものと判断するのが相当である。また、本願の指定商品がファッションに関連する商品であって、統一ブランドの下にトータル的にファッションをまとめようとする昨今の実情を考慮すると、本願商標をその指定商品「ハンカチ、タオル、その他の布製身の回り品」に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。 なお、請求人は、「POLO」又は「POLO」の文字を一部に有する商標が商標登録されている例を示して種々主張しているが、これらの商標が登録されている事実を考慮しても、前記のとおり認定できるものであるから、請求人の主張は採用することができない。 (3)したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別紙 |
審理終結日 | 1999-06-29 |
結審通知日 | 1999-07-16 |
審決日 | 1999-07-26 |
出願番号 | 商願平8-84069 |
審決分類 |
T
1
8・
271-
Z
(024 )
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小林 薫 |
特許庁審判長 |
板垣 健輔 |
特許庁審判官 |
内山 進 杉山 和江 |
商標の称呼 | 1=トラデ+イシ+ヨナルポロ 2=ポロ |
代理人 | 早川 政名 |
代理人 | 長南 満輝男 |
代理人 | 細井 貞行 |