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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20217345 審決 商標
不服20211979 審決 商標
不服2021877 審決 商標
不服20216552 審決 商標
不服201414373 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W182535
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 W182535
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 W182535
管理番号 1380006 
審判番号 不服2021-2396 
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-02-24 
確定日 2021-11-22 
事件の表示 商願2019-69771拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第18類「かばん類,財布・名刺入れ・パスケース・カードケース・キーケース及びその他の袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,レザークロス,皮革,皮革製包装用容器」、第25類「ワイシャツ類,パジャマ,ネクタイ,靴下,革製手袋,被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,革製ベルト,ベルト,革靴,履物」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,傘・ベルト・タオル・ハンカチ及びその他の身の回りの品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,靴べらの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,キーホルダーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ゴルフクラブ用ヘッドカバー及びその他の運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、令和元年5月16日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年6月4日付けで拒絶理由の通知がされ、同年7月21日に意見書が提出されたが、同年11月16日付けで拒絶査定がされ、これに対して同3年2月24日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『Kamakura』の文字と『ShirtS』の文字を上下2段に横書きしてなるところ、その構成中『Kamakura』の文字は、神奈川県の市である『鎌倉』を、『ShirtS』の文字は、『シャツ』を直ちに理解させるから、本願商標は、全体として『鎌倉市のシャツ』といった意味合いを理解させるものである。そうすると、本願商標を、指定商品中、第25類『ワイシャツ類,被服』に使用しても、これに接する需要者は、鎌倉市で製造又は販売されるシャツであること、すなわち、商品の品質(産地、販売地)を認識するにとどまるといえるから、本願商標は、商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、鎌倉市で製造又は販売されるシャツ以外の商品に使用するときは、鎌倉市で製造又は販売されるシャツであるかのように、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。また、本願商標を、指定役務中、『被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供』に使用しても、これに接する需要者は、取扱商品が、鎌倉市で製造又は販売されるシャツであること、すなわち、取扱商品の品質(産地、販売地)を認識するにとどまり、何人かの業務に係る役務であることを認識することができないといえる。そうすると、本願商標を、この商標登録出願に係る指定役務中、『被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供』に使用しても、これに接する需要者は、取扱商品が、鎌倉市で製造又は販売されるシャツであること、すなわち、取扱商品の品質(産地、販売地)を認識するにとどまり、何人かの業務に係る役務であることを認識することができないといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、本願商標を、鎌倉市で製造又は販売されるシャツ以外の商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供に使用するときは、鎌倉市で製造又は販売されるシャツの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供であるかのように、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。さらに、本願商標は、これを出願人がその指定商品及び指定役務に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができるものとは認められないから、商標法第3条第2項の要件を満たさない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「Kamakura」の欧文字と「ShirtS」の欧文字を二段に、やや左右にずらして表してなるところ、本願商標の構成中の「Kamakura」の文字は、「神奈川県南東部、相模湾に臨む市」(出典:広辞苑第七版)である「鎌倉」を、「ShirtS」の文字は、本願指定商品に含まれる「シャツ」を理解させるものである。
ところで、「シャツ」という商品は、一般的には、その土地や地域に由来する原材料や製法を有する商品ではなく、海外を含め、あらゆる地域で製造、販売されているものであり、神奈川県鎌倉市において、「シャツ」が盛んに製造されているとか、「シャツ」の販売地として知られているとする事実は認められない。
そうすると、原審説示のとおり、本願商標から「鎌倉市のシャツ」といった意味合いを理解させることがあるとしても、本願商標を、指定商品中、第25類「ワイシャツ類,被服」に使用した場合、これに接する需要者が、その商品が「鎌倉市で製造又は販売されるシャツ」であること、すなわち、商品の産地、販売地を認識するにとどまり、指定役務中、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用した場合、これに接する需要者が、その取扱商品が「鎌倉市で製造又は販売されるシャツ」であること、すなわち、取扱商品の産地、販売地を認識するにとどまるとはいい難いものである。
さらに、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、本願商標あるいはこれに類する文字が、商品の産地、販売地や、小売等役務の取扱商品の産地、販売地を表示するものとして、取引上普通に使用されていると認めるに足る事実は発見できなかった。
また、本願商標は、別掲のとおり、セリフを持つ書体で、「ShirtS」の文字の末尾の「S」を大文字にして左右のバランスを取るように表されており、色彩も一色でまとまりよく一体的にデザインされているものである。
そうすると、本願商標が、商標法第3条第2項の要件を具備するものであるか否かについて検討するまでもなく、本願商標は、むしろ、「Kamakura」の文字と「ShirtS」の文字とを結合させたところに意外性のある一種の造語よりなるものと判断するのが相当であり、その一体的なデザイン性も相まって、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものといわざるを得ず、かつ、商品の品質及び役務の質の誤認を生じるおそれはないものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同項第6号並びに同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲 本願商標(色彩については原本参照。)




審決日 2021-11-04 
出願番号 商願2019-69771(T2019-69771) 
審決分類 T 1 8・ 272- WY (W182535)
T 1 8・ 13- WY (W182535)
T 1 8・ 16- WY (W182535)
最終処分 成立  
前審関与審査官 守屋 友宏 
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 綾 郁奈子
馬場 秀敏
商標の称呼 カマクラシャツ、シャツ 
代理人 黒川 朋也 
代理人 森川 邦子 
代理人 長谷川 芳樹 

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