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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W1835 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W1835 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W1835 |
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管理番号 | 1378829 |
審判番号 | 不服2021-2810 |
総通号数 | 263 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-11-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-03-03 |
確定日 | 2021-10-05 |
事件の表示 | 商願2020-74498拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第18類「かばん類,袋物,皮革,携帯用化粧道具入れ,傘」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として,令和2年6月3日に登録出願されたものである。 本願は,令和2年11月12日付けで拒絶理由の通知がされ,同年12月10日に意見書が提出されたが,同3年1月20日付けで拒絶査定がされ,これに対して同年3月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第1544972号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和54年11月1日登録出願,第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同57年10月27日に設定登録,その後,平成15年1月22日に指定商品を第3類,第6類,第8類,第10類,第14類,第18類,第21類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ,同25年2月5日に指定商品を第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」とする存続期間の更新登録がされたものであり,現に有効に存続している。 3 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は,別掲1のとおり,3つの装飾された十字架様の図形(以下「図形部分」という。)と,その下に「TATRAS」の欧文字(以下「文字部分」という。)を横書きしてなるところ,図形部分と文字部分とは,視覚上分離して看取され,また,それらに観念上のつながりがあるとはいえないものであるから,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。そして,文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たさないとみるべき特段の事情は見当たらないから,本願商標の「TATRAS」の文字部分を要部として抽出し,これを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。 さらに,「TATRAS」の欧文字は,辞書等に載録されていないものであって,直ちに特定の意味合いを認識させるといった事情も見当たらないことから,一種の造語を表したものとして認識されるものである。 そうすると,本願商標は,その構成文字に応じて「タトラス」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。 (2)引用商標 引用商標は,別掲2のとおり,「TATRA」の欧文字を横書きしてなるところ,当該文字は,引用商標との関係で特定の意味合いを有する語として辞書等に載録されているものではなく,また,直ちに特定の意味合いを認識させるといった事情も見当たらないから,一種の造語として認識されるものである。 そうすると,引用商標は,その構成文字に応じて「タトラ」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標の類否を検討するに,外観において,本願商標の要部である「TATRAS」の文字部分と引用商標とは,語尾の「S」の有無という差異を有しており,この差異が,6文字又は5文字という比較的短い文字構成における視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえない上に,全体においては,図形の有無という顕著な差異を有していることから両者は判然と区別できるものである。 次に,称呼においては,本願商標の文字部分から生じる「タトラス」の称呼と引用商標から生じる「タトラ」の称呼とは,語尾における「ス」の音の有無という差異を有し,3音又は4音という短い音構成においては,当該差異が全体の称呼に与える影響は大きいといえることから,それぞれを一連に称呼するときは,明瞭に聴別し得るものである。 さらに,観念においては,両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較できないものである。 そうすると,本願商標と引用商標とは,観念において比較できないとしても,外観において判然と区別でき,称呼においても明瞭に聴別できるから,外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (4)まとめ 以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,本願商標の指定商品又は指定役務と引用商標の指定商品が同一又は類似のものであるとしても,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって,本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標) 別掲2(引用商標) |
審決日 | 2021-09-16 |
出願番号 | 商願2020-74498(T2020-74498) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W1835)
T 1 8・ 263- WY (W1835) T 1 8・ 262- WY (W1835) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 石坂 博明 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
茂木 祐輔 小田 昌子 |
商標の称呼 | タトラス |
代理人 | 特許業務法人IPX |