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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 036
管理番号 1376909 
審判番号 取消2020-300314 
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2020-05-08 
確定日 2021-07-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第3132513号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標について
本件登録第3132513号商標(以下「本件商標」という。)は,「平安保険サービス」の文字を横書きしてなり,平成4年9月30日に登録出願され,同8年3月29日に商標登録原簿記載のとおりの第36類「損害保険契約の締結の代理」を指定役務として設定登録がされ,現に有効に存続しているものである。
なお,本件審判の請求の登録日は令和2年5月28日である(以下,当該登録前3年以内の期間(平成29年5月28日ないし令和2年5月27日)を「要証期間」という。)。

第2 請求人の主張
請求人は,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする旨の審決を求め,その理由を要旨下記1のように述べ,証拠方法として甲1?甲2を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定役務について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者及び通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから,商標法第50条第1項の規定により,その登録は取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
なお,請求人は,被請求人の答弁に対し,何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求め,答弁において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙1の1?乙6を提出した。
1 本件指定役務の使用事実及び本件商標の使用について
(1) 本件商標権者は,1970年4月に創業し,1988年11月1日に会社名を「株式会社平安」に改称して現在に至る(乙1の1,乙1の2)。本件商標権者の主たる事業は互助会の運営であり(乙1の3),「平安保険サービス」の事業名で損害保険の代理店業務も行っている。また,本件商標権者の履歴事項全部証明書の「目的」の項16.には,損害保険業務が掲げられている(乙1の1,乙1の2)。
すなわち,本件商標権者は,損害保険代理店業務を30年以上にわたって行っており,業務の名称として「平安保険サービス」を使用している。
(2) 乙2の1は,本件商標権者の互助会事業の会員に互助会費の払い込みを知らせる通知書面であるところ,当該書面に掲載される会費払込回数の基準月が「2017年8月末現在」とあることから,当該書面が要証期間の2017年(平成29年)の8月前後に本件商標権者から会員に送付されたことが推認できる。また,同書面には,本件商標権者の事業を紹介する広告を見ることができ,広告の一部には,「生命保険・損害保険に関することなら」の下に「平安保険サービス」の文字が表示され,その右側に問い合わせ先電話番号が表示されている。すなわち,乙2の1の通知書面は,本件商標権者が提供するサービスの広告物としての役割も果たしている。
よって,本件商標権者による乙2の1の通知書面の発送は,役務に関する広告に標章を付して頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)に該当する。
なお,本件商標権者は,通知書面の印刷を2019年8月6日に発注し,同年9月18日に納品を受け(乙2の2),同日付で各会員宛に発送した(乙2の3,乙2の4)。これらの書証(乙2の2?乙2の4)は,本件商標権者が要証期間に本件指定役務に関する広告に本件商標を付して頒布したことの証左に他ならない。
(3) 乙3の1は,本件商標権者の互助会事業の会員に互助会費の払い込みが完了したことを知らせる通知書面の台紙であるところ,この通知書面にも上記(2)で述べたところと同内容の広告が掲載されている。そして,当該通知書面の台紙は株式会社日興商会が印刷し,2019年(令和1年)10月29日に本件商標権者に納品され(乙3の2),本件商標権者は,当該台紙を用いて互助会費の払い込みの完了を会員に通知している。
よって,これらの書証より,本件商標権者が本件商標の指定役務に係る業務の広告物について本件商標を表示していることが明らかとなり,本件商標権者が要証期間に本件商標をその指定役務について使用したことを推認できる。
(4) 乙4の1は,本件商標権者の互助会に加入していることを証明する加入者証の台紙であるところ,当該証書の台紙は水三島紙工株式会社が印刷し,2018年(平成30年)9月7日に本件商標権者に納品され(乙4の2),この台紙の裏には,上記(2)で述べたところと同様の広告が表示されている(乙4の1)。そして,本件商標権者は,この台紙に加入者の住所氏名,証書番号,加入年月日等を記入して互助会会員に発行している。
よって,これらの書証より,本件商標権者が本件商標の指定役務に係る業務の広告物について本件商標を表示していることが明らかとなり,本件商標権者が要証期間に本件商標をその指定役務について使用したことを推認できる。
(5) 乙5の1は,本件商標権者が契約締結を代理して成立した損害保険契約に係る三井住友海上火災保険株式会社が2018年(平成30年)8月15日に作成した自動車保険証券の写しであり,乙5の2は,当該自動車保険の申込者の控え書類である。そして,乙5の1の「代理店・扱者/仲立人」欄には,「平安保険サービス」とその連絡先電話番号が記載されているところ,この電話番号は,乙2の1,乙3の1及び乙4の1の広告に記載される番号と一致するから,乙5の1の証券に記載される「平安保険サービス」が本件商標権者の損害保険(自動車保険)の契約締結代理業務を指すことは明らかである。さらに,乙5の2の左下「代理店・扱者/仲立人」欄にも「平安保険サービス」と記載されている。
また,上記「平安保険サービス」の表示が本件商標権者の損害保険(自動車保険)の契約締結代理業務を指すことは上述したとおりである。
そうすると,当該保険の契約者は,保険証券(乙5の1)の「ご契約内容に関するお問い合わせ先」の「代理店・扱者/仲立人」欄に記載される「平安保険サービス」と,その申込控書類(乙5の2)の「代理店・扱者/仲立人」欄に記載される「平安保険サービス」より,当該損害保険(自動車保険)の契約の代理店(損害保険契約締結の代理事業者)を認識する。すなわち,これらの書面における「平安保険サービス」の表示は,役務「損害保険契約の締結の代理」の出所を表示するものに他ならない。
(6) 乙6は,本件商標権者が契約締結を代理して成立した損害保険契約(自動車損害賠償責任保険の契約)に係る三井住友海上火災保険株式会社が2018年(平成30年)11月12日に発行した自動車損害賠償責任保険証明書の写しである。
そして,当該保険の契約者は,上記の「平安保険サービス」の記載から,当該損害保険(自動車損害賠償責任保険)の契約の代理店(損害保険契約締結の代理事業者)が「平安保険サービス」であると認識する。すなわち,乙6に表示される「平安保険サービス」も役務「損害保険契約の締結の代理」の出所を表示するものであり,要証期間に指定役務について本件商標が使用されていたことの証左に他ならない。
2 小括
以上のとおりであるから,本件商標が,その指定役務について,要証期間に日本国内において本件商標権者により使用されていたことは,被請求人提出の証拠により明らかである。

第4 当審の判断
1 認定事実
(1) 乙2の1は,郵便はがきであって,宛名面には,その中央部に名宛て人の郵便番号及び住所と思しき「〒673-」及び「兵庫県明石市」の記載,その下部に「会費払込回数のお知らせ」とともに本件商標権者の名称「株式会社平安」の表示が認められ,通信面には,その左欄上部に「会費払込回数のお知らせ」の記載,左欄中央部に何らかの会費に係る証書番号,加入年月日,払込回数,残回数に係る情報とともに「2017年8月末現在の会費払込回数は上記のとおりとなっております」の記載,その右欄中央部に上下二段で「*生命保険・損害保険に関することなら」「平安保険サービス 神戸」及び電話番号の表示が認められる(以下,乙2の1の郵便はがきを「会費払い込み通知書」といい,「平安保険サービス」の表示を「本件使用商標」という。)。
(2) 乙5の1は,自動車保険証券であって,その左欄上部には保険契約者の住所,氏名,生年月日などとともに「団体名 株式会社平安」,「契約日」及び「証券作成日」の表示が,中央部には「保険種類」として「家庭用自動車総合保険<ノンフリート契約>」の表示が,右欄上部には「当社は普通保険約款・・・その証としてこの保険証券を発行いたします。」,「三井住友海上火災保険株式会社」及びその「取締役社長」の氏名の表示と印章が表され,「ご契約内容に関する問い合わせ先」として「代理店・平安保険サービス」及び会費払い込み通知書の通信面右欄中央部に表示された電話番号と同じ電話番号の表示がみてとれる。
(3) 上記(1)及び(2)を総合すると,以下の事実を認めることができる。
ア 会費払い込み通知書は,本件商標権者を差出人として宛先にある名宛て人に対し2017年(平成29年)8月末の会費の払い込み状況を会員に知らせる性格を有するものであって,実際に配達されたと認められ得るものである。
イ 乙5の1の自動車保険証券の記載から,本件商標権者は,「平安保険サービス」を代理店名として,三井住友海上火災保険株式会社の自動車損害保険の契約の締結の代理業務(以下「本件使用役務」という。)を行っている事実が認められる。
2 判断
上記1において認定した事実によれば,以下のとおり判断できる。
(1) 本件使用商標の使用者,使用場所及び使用時期について
本件使用商標を付した会費払い込み通知書をその名宛て人に郵便した差出人は本件商標権者であるから,本件使用商標の使用者は本件商標権者であり,その使用場所(配達先)は日本国内(兵庫県明石市)であることが明らかであって,当該通知書が2017年(平成29年)8月末の会費の払い込み状況を会員に知らせる性格を有するものであることを踏まえると,その配達時期は同年9月ないしは10月頃であると認められるから,その使用時期は要証期間内であるといえる。
(2) 本件使用役務について
本件使用役務は「自動車損害保険契約の締結の代理業務」であり,これは,本件審判の請求に係る指定役務である第36類「損害保険契約の締結の代理」の範ちゅうに属する役務であるといえる。
(3) 本件使用商標について
本件商標は,上記第1で述べたとおり,「平安保険サービス」の文字を横書きしてなり,これに対し,本件使用商標は,上記1(1)で述べたとおり,「平安保険サービス」の文字からなるから,本件使用商標は本件商標と同一の文字からなるものであって社会通念上同一の商標である。
(4) 使用行為について
本件商標権者は,会費払い込み通知書通知書の通信面右欄中央部に上下二段で「*生命保険・損害保険に関することなら」,「神戸」及び電話番号と共に本件使用商標を表示しているところ,これらの表示は乙5の1の自動車保険証券における代理店名より,本件使用役務を含む生命保険及び損害保険の代理店の業務に係る広告であると認められる。
(5) 小括
上記(1)?(4)で検討のとおり,本件商標権者は,要証期間に日本国内において,本件商標と社会通念上同一の商標を付した本件審判の請求に係る指定役務の範ちゅうに属する本件使用役務に関する広告を会費払い込み通知書に表示しその名宛て人に郵送(頒布)していたことが認められる。そうすると,本件商標権者のかかる行為は,商標法第2条第3項第8号にいう,役務に関する広告に標章を付して頒布する行為に該当するものと認められる。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件審判の請求に係る指定役務について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していることを証明したというべきである。
したがって,本件商標の登録は,その請求に係る指定役務について,商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
審判に関する費用については,商標法第56条第1項で準用する特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。

別掲
審理終結日 2021-02-26 
結審通知日 2021-03-03 
審決日 2021-03-24 
出願番号 商願平4-289887 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (036)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 和田 恵美 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 大森 友子
須藤 康洋
登録日 1996-03-29 
登録番号 商標登録第3132513号(T3132513) 
商標の称呼 ヘイアンホケンサービス、ヘイアン 
代理人 塘口 絢子 
代理人 松嶋 さやか 
代理人 特許業務法人 有古特許事務所 
代理人 椎名 智子 
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