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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W18
審判 全部申立て  登録を維持 W18
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審判 全部申立て  登録を維持 W18
管理番号 1376074 
異議申立番号 異議2020-900251 
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-08-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-10-02 
確定日 2021-07-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第6271172号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6271172号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6271172号商標(以下「本件商標」という。)は、「booboo」の欧文字を標準文字で表してなり、令和元年9月25日に登録出願、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」を指定商品として、同2年6月15日に登録査定、同年7月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第8条第1項及び第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)は、以下のとおりである。
ア 国際登録第1495572号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲のとおり
国際登録出願日:2019年(令和元年)年7月30日
優先権主張:2019年2月1日 United Kingdom
指定商品・指定役務:第18類「Leather and imitations of leather; luggage and carrying bags; umbrellas and parasols; walking sticks; collars, leashes and clothing for animals; bags; travelling bags; travel cases; suitcases; garment bags for travel; luggage label holders; luggage tags; luggage straps; leather straps; handbags; clutch bags; shoulder bags; messenger bags; cross-body bags; tote bags; shopping bags; satchels; briefcases; back packs; rucksacks; holdalls; sports bags; duffle bags; beach bags; bum bags; shoe bags; cosmetic bags; wash bags for carrying toiletries; wallets; purses; credit card cases; key cases; parts and fittings for all of the aforesaid goods.」のほか、第25類及び第35類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務
イ 登録第5348889号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:BOOHOO(標準文字)
登録出願日:平成21年11月2日
設定登録日:平成22年8月27日
更新登録日:令和2年7月29日
指定商品・指定役務:第18類「皮革及び模造皮革,カバン用ベルト,トランク,トラベルバッグ,通学用かばん,ポーチ,リュックサック,買い物袋(車付きのものを含む。),ビーチバック,ハンドバッグ,書類入れかばん,財布,キーケース,クレジットカード入れ,がま口,バックパック,その他のかばん類及び袋物,洋傘,日傘,その他の傘,ステッキ,つえ,革製帽子箱,獣皮」のほか、第3類、第9類、第14類、第16類、第25類及び「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,傘の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,カタログを利用した通信販売によるかばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,カタログを利用した通信販売による傘の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによるかばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによる傘の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
なお、引用商標1に係る国際商標登録出願は現在審査に係属中であり、引用商標2に係る商標権は現に有効に存続している。
(2)申立人が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する商標は、引用商標1と同一の構成態様からなる商標(甲2の1:以下「申立人使用商標1」という。)、引用商標2を小文字で表した商標(甲2の2:以下「申立人使用商標2」という。)及び引用商標2とつづり字を同じくする類似の商標(甲2の3:以下「申立人使用商標3」という。)である。
以下、これらをまとめていうときは「申立人使用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第8条第1項、同法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第39号証(枝番号を含む。以下、枝番号のすべてを示すときは枝番号を省略する。)を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。
(1)申立人使用商標の使用実績・著名性について
ア 申立人は、英国のマンチェスターを拠点とするアパレルEC企業であり、2006年に設立され(甲5の1)、申立人は現在、ブーフーグループ(以下「申立人グループ」という。)の一員である(甲5の2)。
申立人グループは、実店舗を持たず、ECサイト「boohoo.com」を通して、主に16歳から40歳の若い年齢層の顧客をターゲットに、被服をはじめとして、かばんや靴、アクセサリー、服飾雑貨等の多岐にわたる商品を世界中に販売し、人気を博している。また、申立人グループは、自社ブランド商品の約半分を、英国内でデザイン・製造している(甲5の1、甲5の3?甲5の5)。
申立人グループのECサイトは、2020年12月現在、英語だけでなく、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、ヘブライ語等の言語で運営されている(甲6)。
イ 申立人グループは、ECサイトにおいて自社ブランド製品を中心に、多種多様なファッション関連商品を販売している(甲7の1?甲7の3)。これらは、2020年12月時点の証拠に基づく事実であるものの、本件商標の登録出願時及び登録査定時に取り扱った事実としては、2014年3月14日(決定注:「2017年3月14日」の誤記と思われる。)付けブログ上で、被服や靴とともに、かばん類も紹介されている(甲7の4)。
ウ 売上高・販売実績
申立人グループの年次報告書(甲8)に示すとおり、2020年2月期のグループ全体の売上は、約12億3,488万ポンドであり、対前期比が44%増と、著しい成長を遂げている。そのうち「boohoo」ブランド単独の売上高(ただし、2013年に立ち上げた申立人の別ブランドである「boohooMAN」に係る売上高も含む。)も、約6億73万ポンド(約859億3,443万円)であり、対前期比38%増である。2019年、2018年の2月期のグループ全体の売上高は、それぞれ約8億5,692万ポンド、約5億7,980万ポンドである。
また、市場ごとの売上高(2020年2月期)は、英国が約6億7,928万ポンド、英国以外のヨーロッパが約1億8,842万ポンド、米国が約2億6,362万ポンド、その他の地域が約1億356万ポンドであり、これらの数字は英国のみならず世界中で申立人グループの商品が購入され、人気を博していることを示している。
エ 広告・宣伝
申立人グループは、2011年に英国とアイルランドで開始したTVコマーシャルだけでなく、SNSを通した情報発信に注力しており、2013年には「フェイスブック」のフォロワー数は100万人を超え、2015年には「インスタグラム」のフォロワー数も100万人を超えた(甲9の1)。
2020年12月現在、「インスタグラム」のフォロワー数は、「boohoo」が約708万人、「boohooMAN」が約139万人に達し、また、「フェイスブック」のフォロワー数は、「boohoo」が約365万人、「boohooMAN」が約56万人である(甲9の2、甲9の3、甲9の5、甲9の6)。
上記フォロワー数は、例えば、同じく世界中で著名なファストファッションブランド「GAP」及び「UNIQLO」の2020年12月時点における「インスタグラム」のフォロワー数がそれぞれ約312万人、約236万人であることと比較しても、非常に多く(甲9の8、甲9の9)、これだけ多くのSNSのフォロワー数を獲得していることは、申立人使用商標が世界中で高い著名性を獲得していることの証左の一つである。
また、2011年に放映を開始した申立人グループのTVコマーシャルは、現在も継続して放映されている。
さらに、セレブリティーが着用している申立人グループの商品を紹介している申立人グループのブログには、レディー・ガガやエマ・ワトソンといった著名人も登場している。加えて、申立人グループは、著名人とのコラボレーションも行っており、我が国においては、当該コラボレーションについて、新聞に取り上げられている(甲11の1?甲11の3、甲11の5)。
オ 賞の受賞・国内外での評価
申立人グループは、2007年から2017年の間、英国国内外で数多くの賞を受賞しており、例えば、2012年から2016年に毎年受賞した「ロレーヌアワード」の「ベストオンラインリテーラー」は、英国の大手民間テレビ放送局「ITV」の放送番組内で、毎年優れた小売業者に対して授与されている賞である。「ITV」は、全テレビ視聴者の61%に視聴されている放送局であり、申立人グループは、このような大手民間放送局で毎年放送されている番組において授与される賞を5年連続して受賞した(甲12、甲13)。
また、申立人グループは、オンライン小売業者やファッション業界などにおける各種ランキングにランキングされており、例えば、世界最大の広告代理店「WPPグループ」傘下の「カンター・ミルウォード・ブラウン社」が毎年行う「BRANDZ」のブランド調査の2020年度版によれば、申立人グループは、英国で最も価値のある75ブランドにランクインされている(甲14)。
英国のEコマース調査会社「InternetRetailing」が毎年発表している英国の小売業者トップ500社のランキングにおいて、申立人グループがトップ100にランキングされ、名だたる著名企業が、申立人と同じトップ100にランク付けされている事実(2020年2月:甲15の1)から、申立人はその小売事業において高く評価されている。また、上記調査会社が発表しているヨーロッパ全体のランキング「BRAND INDEX 2020」では、申立人グループ(boohoo.com)は、「LARGEST50」「TOP50」にそれぞれランクインし、更に特集ページも掲載され、その販売手法等が紹介されている(2020年5月:甲15の2)。
カ 我が国における評価及び使用実績
我が国においても、申立人グループは、EC事業で急成長しているファッションブランドとして、雑誌や新聞等の記事で取り上げられ(甲16、甲17の1)、その他、インターネット記事等で、急成長している企業として紹介されている(甲19の1、甲19の2、甲19の4?甲19の6)。
また、日本貿易振興機構(JETRO)ロンドン事務所が2018年3月に報告した「2017年度日本発知的財産活用 ビジネス化支援事業エコシステム調査 ?欧州編?」と題する報告書において、申立人グループは、評価額10億ドルを超えるテクノロジー企業として挙げられた英国企業7社にその名を連ね(甲18の1)、さらに、同所が、2019年10月に報告した「ブレグジットの最新動向と企業活動への影響」と題する報告書においても、申立人グループは、英国のユニコーン企業の創出例として取り上げられている(甲18の2)。
このように、我が国のEC業界やファッション業界の取引者や関係者の間でも、申立人グループが広く注目され、認識されている。
申立人グループは、自社ECサイトを中心に事業を行っており、本件商標の登録出願日時点において、我が国においても、既に当該サイトで購入可能であったことがわかる(甲20)。また、自社ECサイト以外にも、我が国の複数の小売業者が申立人グループの商品である「boohoo」ブランドを取り扱っている(甲21の13、甲21の14)。
そして、このような個人輸入でも購入する需要者層が増加することに相まって、2018年1月には、我が国の代表的なファッションECサイト「SHOPLIST.com by CROOZ」に「boohoo」ブランドの公式オンラインストアがオープンされることとなり(甲21の15)、一般の消費者への申立人使用商標の認知度がさらに高まった。
以上より、申立人グループの飛躍的成長に伴って、本件商標の登録出願日以前から、我が国のファッション業界のみならず、コンサルティング会社や公益団体の日本貿易振興機構までもそのビジネスモデルやビジネスの動向を紹介していることから、我が国の需要者のうち、とりわけファッション業界の取引者や関係者において、申立人グループひいては申立人使用商標は広く知られていた。
また、需要者たる消費者においても、本件商標の登録出願日以前から、直接輸入とはいえ、複数の事業者が輸入し、我が国において販売している事実や、それと同時並行に大手ECサイトにおいて公式オンラインストアがオープンしていることなどからすれば、消費者においても申立人使用商標は広く知られているものであり、本件商標の登録出願日及び登録査定日において、申立人グループ及び申立人使用商標がその周知・著名性を獲得していたことは明らかである。
キ 小括
上記より、申立人使用商標の外国における使用実績及び周知・著名性の獲得については疑いの余地がないものである。また、申立人使用商標は、我が国でも使用されている上に、ECに特化したファッションブランドとしての申立人グループの台頭は、我が国においても雑誌や新聞、報告書、インターネット記事等で多数報道された結果、我が国のEC業界やファッション業界の取引者を含む需要者の間でも広く知られており、申立人使用商標は、海外のみならず、我が国でも広く認識されている。
(2)商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、6つのアルファベット「booboo」を同書同大等間隔にまとまりよく横書きしてなる標準文字商標であって、外観の形状においては、全体としてのまとまりの良さに加えて、1文字目と4文字目の後ろに、それぞれ2つの「o」の文字が連続して並ぶ点に大きな特徴があり、当該構成文字に対応して「ブーブー」の称呼が生じる。
また、「booboo」は、英語で「へま、どじ、軽いかすり傷」等を意味するが、これらは特殊な語義であって、英語を母国語としない我が国における一般的な需要者、取引者は、本件商標からこの語義を認識するとは通常考えられないから、本件商標は特定の観念を想起させない造語として認識される。
イ 引用商標について
引用商標1は、6つのアルファベット「boohoo」を、角の丸い角張ったデザインの書体で、同書同大等間隔にまとまりよく横書きしてなる商標である。1文字目には「b」の文字が、4文字目には「h」の文字が配置されるとともに、当該「b」及び「h」の後には、それぞれ2つの「o」の文字が連続して配置されている。
また、引用商標2は、6つのアルファベット「BOOHOO」を、同書同大等間隔にまとまりよく横書きしてなる標準文字商標である。1文字目には「B」の文字が、4文字目には「H」の文字が配置され、当該「B」及び「H」の後には、それぞれ2つの「O」の文字が連続して配置されている。
したがって、引用商標は、いずれも、外観の形状において、1文字目と4文字目の後ろに、それぞれ2つの「o」又は「O」の文字が連続して並ぶ点に大きな特徴があり、当該構成文字に対応して「ブーフー」の称呼が生じる。
また、「boohoo」は、英語で「えーんえーん、わーんわーん」といった泣き声等を意味する言葉であるが、これらは特殊な語義であり、英語を母国語としない我が国において一般的な需要者、取引者は、引用商標からこれらの語義を認識するとは通常考えられないから、引用商標はいずれも、特定の観念を想起させない造語として認識される。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標から生じる「ブーブー」の称呼と、引用商標から生じる「ブーフー」の称呼は、ともに同数音の称呼からなり、相違する1音は「ブ」と「フ」の差にすぎない。当該差異音は、いずれも母音「u」を共通にし、調音位置(両唇音)を同じくする清音と濁音という音質の相違にすぎず、かつ、当該差異音は、明瞭に聴取し難い中間に位置するため、両称呼の語調、語感は近似する。
そして、本件商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を想起させない一種の造語として把握されるから、両商標は観念において比較することができない。
また、本件商標と引用商標1は、外観において、書体の相違以外は、4文字目の「b」と「h」の文字のみが相違し、当該文字のつくりにおいて、下端の短い線の有無以外の字形は同じであり、そして、1文字目と4文字目の後ろにそれぞれ2つの「o」の文字が連続して配置される点で格別印象に残る構成が共通する。加えて、「b」と「h」は、いずれも「o」と一部共通する形状を含む字であることから、全体としてまとまりの良い外観であり、外観上の全体的な形状が共通する。
さらに、本件商標と引用商標1は、最も目に留まりやすい語頭において「boo」を共通にする。
そうすると、これに接した需要者に外観上、互いに近似した印象を与える。
本件商標と引用商標2は、語頭の文字が「b」と「B」であるとともに、2文字目・3文字目及び5文字目・6文字目に「o」と「O」の文字が配置される点を共通にし、また、1文字目と4文字の後ろに、それぞれ2つの「o」と「O」の文字が連続して配置される。
さらに、本件商標と引用商標2は、最も目に留まりやすい語頭において「boo」と「BOO」の語を共通にするものであり、また、上記4文字目の相違点は、相違する位置が中間であるために、前後に印象的な「o」と「O」の文字が続くことも相まって、一見して認識しにくく、印象に残り難い。
そうすると、本件商標と引用商標2は、これに接した需要者に、外観上、互いに近似した印象を与える。
エ 以上を総合すると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないものの、外観及び称呼において類似する。その上、本件商標と引用商標における一般的な取引実情や、申立人使用商標が周知・著名であることを考慮すると、本件商標と引用商標は、互いに紛れるおそれがある。
また、本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品・指定役務と、「21C01、21F01、22B01」の類似群コードを、引用商標2の指定商品・指定役務と、「21C01、22B01」の類似群コードをそれぞれ共通にする同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、その引用商標に係る指定商品・指定役務と類似の商品について使用するものであり、商標法第8条第1項及び第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
申立人使用商標は、主として英国で使用され、その極めて高い著名性は英国や欧州を中心とするものであるが、コンピューターワールド事件(平成3年(行ケ)第29号)において判断されているように、申立人グループの飛躍的成長もあって、我が国でもファッション業界を中心に広く報道され、記事になっている上、それらの情報から我が国でも個人輸入を含め、商品が流通している事実がある。
したがって、本件商標の登録出願日及び登録査定時において、我が国の需要者のうち、とりわけファッション業界の取引者や関係者やファッションに敏感な需要者層において、申立人グループひいては申立人使用商標は非常に広く知られていると評価できるものである。
なお、申立人使用商標が使用されている商品は、「かばん類」に比して、被服が多いが、ファッション分野において同じ店舗で販売される事情があることなどは明らかであり、両者の親和性は極めて高いから、かばんにおいての使用実績が、被服ほどでないにしても、被服の著名性に牽連されることによって、申立人使用商標は、申立人の業務に係る商品「かばん類」を表示する需要者において広く知られているといえる。
本件商標と申立人使用商標は、上記のとおり、その称呼・外観において相紛らわしい類似商標であり、本件商標の指定商品中の「かばん類」と申立人使用商標が使用される「かばん」とは同一又は類似する商品である。
したがって、本件商標は、国内外の需要者の間で広く知られた申立人使用商標と同一又は類似する商標であって、その指定商品も申立人の業務に係る「かばん類」と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 本件商標と申立人使用商標の類似性の程度について
申立人使用商標1は、引用商標1と同一であり、申立人使用商標2は、標準文字で登録された引用商標2を小文字で表したもの、申立人使用商標3は、標準文字で登録された引用商標2と社会通念上同一の商標であるから、引用商標1及び2と同じく、本件商標が申立人使用商標と類似性の高い商標であることは明らかである。
イ 申立人使用商標の周知度及びハウスマークであることについて
申立人使用商標を構成する「boohoo」の語は、2006年の会社設立及びECサイトの立ち上げ当初から、会社名及びブランド名として使用されており、本件商標の登録出願日までには、申立人を含む申立人グループのハウスマーク、かつ、申立人グループのブランドとして、既に英国をはじめとする外国において周知・著名である。
そして、その事実は、我が国でも雑誌や新聞、報告書、インターネット記事等で多数報道された結果、申立人の事業と競合するEC業界の関係者や、ファッション業界の関係者にも広く認識されていることから、我が国の需要者の間においても申立人使用商標は、周知・著名であるといえる。
ウ 申立人使用商標の独創性について
申立人使用商標は、辞書に載録されている英語ではあるものの、一般的な我が国の需要者はその語義を認識できるものではなく、いわば造語として認識される。申立人使用商標は、その商品・役務との関係で非常に識別性の高い語である。
したがって、申立人使用商標は、少なくとも我が国においては、造語として認識されるものであり、英語を母国語とする国においても非常に識別性の高い語であるから、これに接する取引者、需要者の印象に強く残る独創性の高い商標である。
エ 本件商標を使用するものが申立人と関係があると誤信されるおそれについて
上記(1)のとおり、申立人グループは、ECサイトを通して、我が国を含む世界中に自社ブランド製品を販売している。
したがって、本件商標権者が、本件商標をその指定商品に使用した場合には、その出所について、申立人グループによって製造・販売された商品であると需要者に誤信されるおそれがある。
オ 商品等の関連性について
申立人の事業は、被服だけでなく多岐にわたる自社ブランド製品の製造・販売であり、本件商標の指定商品「かばん類」や「携帯用化粧道具入れ」も製造・販売している。
したがって、申立人の使用する商品と本件商標の指定商品が同一又は類似するものであり、その関連性が極めて高いことは明らかである。
カ その他の取引の実情について
本件商標の指定商品には、「かばん類」が含まれ、その分野で商標を使用する場合、ECサイト上で商品画像上に商標を表示する場合やかばんの金具に商標を刻印する場合等、文字の外観が判然としづらい場合がある。
なお、使用される商標が運動用具のワンポイントマークであることが多いという取引の実情に鑑みて、商標が視認しづらいものとして、混同を生ずるおそれがあると判断した判決がある(甲39)。
キ 商品等の需要者の共通性について
申立人の使用する商品と本件商標の指定商品が同一である以上、その需要者も同一であり、これらの商品の需要者は共通する。
ク 総合的な検討
以上より、本件商標は、申立人の使用する商品と同一の商品に使用されるものであって、申立人の著名な申立人使用商標と類似する商標である。また、本件商標の使用は、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品等であると需要者が誤認し、いわゆる広義の混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標をその指定商品に使用した場合には、申立人の事業と出所の混同が生じるおそれがあるから、本件商標の登録出願日(2019年9月25日)及び本件商標の登録査定日(2020年6月15日)の両時期において、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人の事業と混同することは疑いがないため、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性について
不正の目的について
本件商標権者は、本件商標を女性用のかばん・財布に使用しており(甲35)、本件商標「booboo」は、英語で「へま、軽いかすり傷」等を意味(甲22)し、その他、幼児言葉で「うんち」の意味も有する(甲36)。また、スラング用語辞典には、さらに否定的な語義も掲載されている(甲37)。
上述のとおり、これらは特殊な語であるため、需要者は、本件商標からこれらの意味を観念できない一方、商標の使用者は、商標の採択の段階では、その言葉が有する意味について積極的に調べることが通常であるから、本件商標権者は、当然に上記語義を認識していたと考えられる。
また、申立人使用商標は、需要者間で広く知られている。そのため、本件商標権者のように全国の百貨店等に一定数の直営店舗を展開している規模の上場企業であり、パリの展示会への出展やギャラリーの開設等をしたことのある企業であれば、外国とも取引があり、EC業界で著名な申立人グループの存在は当然に知っていたと推測できる(甲38)。
したがって、女性用のファッション関連商品にあえて、「へま、軽いかすり傷、うんち」といった相応しくない語義を有する語を採択し、出願することは、その経緯に申立人使用商標の著名性にフリーライドする目的があったものと考えるのが自然である。
イ 以上より、本件商標は、申立人及び申立人グループの業務に係る商品を表示するものとして外国又は我が国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)申立人使用商標の周知性について
ア 申立人の主張及び提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、英国のマンチェスターを拠点とする、2006年に設立されたアパレルEC企業であり、「boohoo」ブランドを所有する「ブーフーグループ」(申立人グループ)の一員である(申立人の主張、甲5の1、甲5の2)。
申立人グループは、「boohoo」、「boohooMAN」、その他複数のブランドを所有し、また、実店舗を持たず、ECサイトを通じて販売を行っており、英国の他、欧州、米国など、諸外国の16歳から40歳の消費者を対象に、被服、靴、かばん類(以下「申立人の業務に係る商品」という。)を販売していることがうかがえる(甲5の3、甲7の4)。
申立人グループは、自社ブランド商品の約半分を、英国内でデザイン・製造している(甲5の1、甲17の1)。
(イ)売上高・販売実績
申立人グループの年次報告書によれば、2020年のグループ全体の売上は、約12億3,488万ポンド(2019年:8億5,690万ポンド)、対前期比は44%増、そのうち「boohoo」ブランドの単独の売上高(ただし、「boohooMAN」ブランドに関する売上高も含む。)は、約6億73万ポンド(2019年:4億3,456万ポンド)、対前期比は38%増であったことがうかがえる(甲8の1、甲8の2)。また、2018年のグループ全体の売上高は、約5億7,980万ポンドであったことがうかがえる(甲8の2、甲8の3)。
(ウ)広告・宣伝
申立人グループのウェブサイトには、「OUR BOOHOO big moments」の見出しの下、2011年に最初のTVコマーシャルが放映され、2013年には「フェイスブック」のフォロワー数が100万人を超え、2015年には「インスタグラム」のフォロワー数も100万人を超えたことが記載されている(甲9の1)。
さらに、2020年12月10日出力の「YouTube」における「boohoo TV ad」の検索結果には、申立人使用商標1が付された画像に「1.7万回視聴・1年前」との説明の記載がある(甲10の1)。
また、申立人グループは、自身のブログにおいて、著名人が申立人グループの商品を着用していることを紹介していることがうかがえる(甲11の1?甲11の3)。
(エ)賞の受賞・国内外での評価
申立人グループは、2012年から2016年にかけて、英国における優れた小売業者に対する賞であるロレーヌアワードのベストオンラインリテーラーを受賞していることがうかがえる(甲12)。また、2020年版の英国のEコマース調査会社が発表している英国の小売業者のトップ100にランクインしていることがうかがえる(甲15の1)。また、上記調査会社が発表しているヨーロッパ全体のランキング「BRAND INDEX 2020」では、申立人グループ(boohoo.com)は、「LARGEST50」「TOP50」にそれぞれランクインしたこと、また、申立人グループに関する特集ページが掲載され、その販売手法等が紹介されていることがうかがえる(甲15の2)。
(オ)我が国における評価及び使用実績
雑誌や新聞等における記事には、申立人グループがEC事業で急成長している企業として紹介され(甲16、甲17の1、甲18、甲19の1、甲19の2、甲19の4?甲19の6)、例えば、2017年6月1日付けの「ダイヤモンド・チェーンストア」の新聞記事には、「英国のマンチェスターに本社を置くアパレルEC(ネット通販)企業のブーフー(Boo hoo)が2017年4月25日、17年2月期の業績を発表した。・・・対前期比51%増と大きく伸張。」の記載(甲16)が、また、「WWDジャパン」(2017年9月18日発行)には、「世界の急成長企業」特集として、「BOOHOO」が「『ザラ』を超えるウルトラ・ファスト・ファッション『ブーフー』」の見出しの下、申立人グループのビジネスモデルに関する記載、及び同企業が急成長している旨の記載がある(甲17の1)。
また、日本貿易振興機構(JETRO)ロンドン事務所が2018年3月に作成した「2017年度日本発知的財産活用 ビジネス化支援事業エコシステム調査?欧州編?」と題する報告書には、「評価額10億ドルを超えるテクノロジー企業と累積評価(国別)」の「英国」の項に、「Boohoo」の記載があり(甲18の1)、さらに、同所が2019年10月に報告した「ブレグジットの最新動向と企業活動への影響」と題する報告書においては、「Boohoo.com」は、英国のユニコーン企業の創出例として取り上げられている(甲18の2)。
申立人グループは、自社ECサイトを中心に事業を行っており、我が国においても申立人グループの商品は、購入可能であり、2018年1月には、ファッションECサイト「SHOPLIST.com by CROOZ」に「boohoo」ブランドの公式オンラインストアをオープンする旨が「PR TIMES」のウェブサイト(甲21の15)に掲載されている。
また、2018年4月24日付けの時事通信において、申立人グループの「boohooMAN」ブランドと著名人とのコラボレーションに関する記事が掲載されている(甲11の5)。
イ 上記アからすれば、申立人は、英国のマンチェスターを拠点として2006年に設立されたアパレルEC企業であり、申立人グループは、「boohoo」ブランドを所有する企業であって、申立人使用商標を表示した被服を始め、かばんや靴等の自社商品の約半分を英国でデザイン・製造し、ECサイトを利用して、英国のみならず、欧州や米国など諸外国へ販売していることがうかがえる。
そして、申立人グループに関し、2013年の「フェイスブック」のフォロワー数及び2015年の「インスタグラム」のフォロワー数が100万人を超えていることが認められ、2020年12月10日出力の「YouTube」における「boohoo TV ad」の検索結果には、申立人使用商標1が付された画像に「1.7万回視聴・1年前」との説明の記載が認められる。また、申立人グループは自身のブログにおいて、著名人が申立人グループの商品を着用していることを紹介していることがうかがえ、さらに、申立人グループの「boohooMAN」ブランドと著名人とのコラボレーションに関する新聞記事が一件認められる。
しかしながら、「フェイスブック」及び「インスタグラム」のフォロワー数については、当該「フェイスブック」及び「インスタグラム」が申立人使用商標についてのものであるか不明であるから、このフォロワー数をもって、申立人使用商標が英国又は我が国において広く知られているとはいえないし、上記の「YouTube」の検索結果も、これがテレビ広告であるかについては判然とせず、放送地域、時期等についても不明である。
そうすると、これらの事項に基づいて、申立人使用商標が英国又は我が国において広く知られているということはできない。
また、申立人グループの2020年の年次報告書によると、2020年のグループ全体の売上が示され、2020年の申立人使用商標を付した商品及び「boohooMAN」ブランドの合計の売上高が約6億73万ポンドであることがうかがえるものの、これらが本件商標の登録出願時より前の売上高であることを裏付ける記載はない。また、申立人グループの2019年の年次報告書には、2019年及び2018年のグループ全体の売上と思われる数字が示されているものの、当該売上は、申立人使用商標を付した商品の売上を示したものであることは明らかでない。
そして、申立人グループは、2012年から2016年にかけて、英国における優れた小売業者に対する賞であるロレーヌアワードのベストオンラインリテーラーを受賞したこと、また、2020年版の英国のEコマース調査会社が発表している英国の小売業者のトップ100にランキングしたことがうかがわれるものの、これらは、申立人グループが英国の小売事業者として評価されていることを示すものであるとしても、これらの事項に基づいて、直ちに申立人使用商標が英国又は我が国において広く知られているということはできない。なお、申立人は、「カンター・ミルウォード・ブラウン社」による「BRANDZ」のブランド調査の2020年度版において、申立人グループは英国で最も価値のある75ブランドにランクインされている旨主張しているが、当該資料の発行日は不明である上、その一部に抄訳が記載されているものの、その全容も明らかでないことから、これを直ちに採用することはできない。
さらに、我が国において、申立人グループがEC事業で急成長している企業として紹介され、申立人使用商標を付した商品をECサイトにおいて購入可能であるとしても、我が国における具体的な販売数、売上高等を確認することはできない。
その他、本件商標の登録出願時及び登録査定時における、申立人使用商標を付した商品について、我が国又は外国における市場シェア、販売実績、広告宣伝の規模等の事実を裏付ける具体的な証拠の提出はない。
そうすると、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国又は外国の需要者の間に、申立人使用商標が申立人の取扱いに係る商品を表示するものとして、広く認識されていたと認めることはできない。
(2)商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「booboo」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字に相応して「ブーブー」の称呼を生じ、当該文字は、「へま、どじ、軽いかすり傷」の意味を有する英単語(甲22の1、甲22の2)であるが、我が国において広く知られている語とは認められないから、これより直ちに特定の観念を生ずるとはいえないものである。
イ 引用商標
引用商標1は、別掲のとおり、「boohoo」の欧文字を角の丸い四角風のデザインで書してなり、また、引用商標2は、前記2のとおり、「BOOHOO」の欧文字を書してなるところ、それぞれの構成文字に相応して、「ブーフー」の称呼を生じ、当該文字は、「ワーワー泣き騒ぐ」の意味を有する英単語(甲22の1、甲22の2)であるが、我が国において広く知られている語とは認められないから、直ちに特定の観念を生ずるとはいえないものである。
ウ 本件商標と引用商標との比較
本件商標と引用商標とを比較するに、両者は、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成態様からなるところ、4文字目において「b」と「H(h)」のつづり字を異にするものである。さらに、本件商標は、欧文字の小文字を標準文字で表してなるのに対し、引用商標1は、欧文字の小文字を角の丸い四角風のデザインで表してなることからすれば、視覚的にその印象が相違するものであり、また、引用商標2は、欧文字の大文字を書してなるところ、その構成中「o」と「O」の文字部分において近似した外観を有するとしても、全体の構成文字から受ける印象が相違するものであるから、本件商標と引用商標は、外観上、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「ブーブー」の称呼と引用商標から生じる「ブーフー」の称呼とを比較するに、両称呼は、長音を含む4音で構成され、第3音目において「ブ」と「フ」の音に差異を有し、かかる差異は濁音と清音の違いであるとしても、4音という短い音構成において、全体の称呼に与える影響は決して小さいとはいい難いものであるから、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が異なったものとなり、十分聴別することができ、聞き誤るおそれはない。
さらに、本件商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、これらを総合して考察すると、両者は非類似の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標とが類似する商標であるとする理由は、見いだせない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務を比較するまでもなく、本件商標は、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
本号は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用するもの」と規定している。
申立人使用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認められないものである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ず、本件商標と申立人使用商標との類否及び本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との類否について判断するまでもなく、同号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 申立人使用商標の周知性について
申立人使用商標は、上記(1)のとおり、申立人の取扱いに係る商品を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
イ 本件商標と申立人使用商標の類似性の程度について
前記2(2)のとおり、申立人使用商標1は、引用商標1と同一の商標、申立人使用商標2は、引用商標2を小文字で表した商標及び申立人使用商標3は、引用商標2とつづり字を同じくする類似の商標であるところ、本件商標と申立人使用商標1及び申立人使用商標3とは、引用商標と同様に、上記(2)のとおり、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、両者の類似性の程度は低いものである。
また、申立人使用商標2は、「boohoo」の欧文字の小文字からなるのに対し、本件商標は、「booboo」の欧文字の小文字からなるところ、両商標は、4文字目における「h」と「b」の差異を有するものの、他の文字を同一とするものであるから、全体の外観において近似した印象を与えるといい得る余地はあるものの、申立人使用商標2は、本件商標とは外観、称呼及び観念において相紛れるおそれのない非類似の商標である申立人使用商標1及び申立人使用商標3と同じつづり字よりなるものであるから、本件商標と申立人使用商標2は、称呼及び観念において相紛れるおそれのないものである。
そうすると、本件商標と申立人使用商標2から生ずる外観、称呼及び観念を総合して考察すると、両者は非類似の商標というべきであるから、その類似性の程度は高いとはいえないものである。
ウ 本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品の関連性、需要者の共通性について
本件商標の指定商品「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」と申立人の業務に係る商品「被服、靴、かばん類」とは、同一又は類似の商品を含むものであるから、商品の関連性を有し、その需要者も共通する場合があるものといえる。
エ 申立人使用商標の独創性について
申立人使用商標は、辞書に載録されている英単語であるから、独創性があるとはいえない。
オ 出所の混同のおそれについて
上記アないしエのとおり、本件商標の指定商品は、申立人の業務に係る商品との関連性があり、その需要者の範囲を共通にするとしても、申立人使用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとはいえないものであり、独創性もなく、また、本件商標と申立人使用商標との類似性の程度は低いものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、申立人使用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというのが相当である。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性について
本号は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」と規定されている。
申立人使用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国又は外国の需要者の間で、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されていたとは認められないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号所定の他の要件を判断するまでもなく、同号に該当しない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第11号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲(引用商標1)


異議決定日 2021-06-23 
出願番号 商願2019-125364(T2019-125364) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W18)
T 1 651・ 271- Y (W18)
T 1 651・ 222- Y (W18)
T 1 651・ 263- Y (W18)
T 1 651・ 25- Y (W18)
T 1 651・ 262- Y (W18)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大井手 正雄 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 杉本 克治
庄司 美和
登録日 2020-07-17 
登録番号 商標登録第6271172号(T6271172) 
権利者 株式会社スタジオアタオ
商標の称呼 ブーブー 
代理人 小崎 万里子 
代理人 西浦 ▲嗣▼晴 
代理人 土橋 編 
代理人 古関 宏 
代理人 ▲高▼見 良貴 
代理人 出山 匡 
代理人 山田 朋彦 
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