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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X09163541
管理番号 1376011 
審判番号 取消2020-300369 
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2020-06-01 
確定日 2021-03-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第5415956号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5415956号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5415956号商標(以下「本件商標」という。)は、「美男子図鑑」の文字を標準文字で表してなり、平成22年10月21日に登録出願、第9類「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる携帯電話機又は簡易型携帯電話機の着信用音楽又は音声,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる携帯電話機又は簡易型携帯電話機の呼出用音楽又は音声,その他のインターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル又は音声ファイル,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる静止画像あるいは動画像を記録した画像ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる携帯電話機又は簡易型携帯電話機の待ち受け画面用の画像ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる壁紙用画像ファイル,その他のインターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電子出版物」、第16類「印刷物」、第35類「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理」及び第41類「通信回線を利用した音声又は音楽の提供,音楽の演奏,演芸の上演,演劇の演出又は上演,通信回線を利用した画像の提供,映画の上映・制作又は配給,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧」を指定商品及び指定役務として、同23年6月3日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務について、本件審判の請求の登録前3年以内(平成29年(2017年)6月18日から令和2年(2020年)6月17日まで。以下「要証期間」という。)に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 使用者について
(ア)乙第1号証は、本件商標権者が、株式会社Fanplus(以下「ファンプラス社」という。)に対し、本件商標の通常使用権を許諾した旨を記載した単独名義書面であるが、同社の記名押印その他何らの意思を表明する記載もない。
そうすると、本件審判請求後に、被請求人が単独で作成した書面(乙1)は、ファンプラス社の通常使用権者としての地位を証明する根拠たり得ない。
(イ)乙第4号証の下部に記載された「(c)NEO/M-UP」((c)は「c」の欧文字を円で囲ったもの。)の表記の一部にすぎない「M-UP」のみをなぜ切り出すことができるのか不明であるし、当該表記から本件商標権者との関連性を導き出す根拠は薄弱である。万一そのような関連性が導き出せたとしても、なぜ当該表記が、本件商標権者による本件商標の使用の事実を証明することになるのか、因果関係が不明である。
イ 使用時期について
乙第9号証は、ファンプラス社が運営するウェブサイトの制作会社が、2014年(平成26年)8月1日にウェブサイト(乙4を含む。)がアップロードされ、現在まで維持されていることを証明するための書証であるが、そこに記載された文言を解釈すると、ある表示がダウンロード可能な状態にて維持されていることを証明しているにすぎない。
そのため、乙第9号証からは、上記日時時点において「美男子図鑑」と表示されたウェブサイトを作成しアップロードした事実は認められるが、さらに踏み込んで、要証期間において、同ウェブサイト中に当該表示がされていたことまで認定できない。
ウ 証拠の信用性について
請求人は「Wayback Machine」というウェブサービス(以下「ウェイバックマシン」という。)を利用して過去のウェブサイトのアーカイブについて調査したところ、乙第4号証のウェブサイトのアドレスのアーカイブデータ(2017年3月15日、2018年3月30日、同年4月3日、同月10日、同月16日、同年11月12日、2019年12月28日)には、「美男子図鑑」の表記を含むリンクバナーは存在せず、他の画像が表示されている(甲3?甲10)。
以上のとおり、要証期間において、乙第4号証のウェブサイトのアドレスでは、本件商標に係る「美男子図鑑」の表示がされていなかった時期が複数あることが判明しており、被請求人による要証期間における使用に係る主張は、乙第4号証により立証できない。

3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、審判事件答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第26号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用について
ア 本件商標の使用者
(ア)乙第1号証は、本件商標権者が、本件商標について、ファンプラス社に対し、その設定登録日(平成23年6月3日)に通常使用権を許諾したことを示す証明書である。そのため、ファンプラス社は、本件商標の通常使用権者である。
(イ)乙第2号証は、ファンプラス社のホームページの出力であり、乙第3号証は、本件商標権者のホームページの出力である。そこに記載されているとおり、ファンプラス社は、2007年に設立、2018年9月に株式会社エムアップ(本件商標の旧商標権者)に完全子会社化され、2020年4月に現社名に変更したもので、本件商標権者のグループ会社である。
(ウ)乙第4号証は、ファンプラス社が運営、管理し、電子写真集を販売するウェブサイト「月刊○○写真集」における「美男子図鑑」の表示を含むトップページ(以下「本件ウェブサイト」という。)の出力である。本ページは、一般には非公開であり、プレミアム会員のみに公開されている。
そして、乙第5号証は、本件ウェブサイトの「特定商取引に関する法律に基づく表示」の画面の出力で、販売業者の記載から、ファンプラス社が、本件ウェブサイトにおいて、電子写真集のコンテンツを販売、提供していることが分かる。
また、本件ウェブサイトの下部には、ファンプラス社の親会社である本件商標権者の略称英語表記「M-UP」が表示されているから、商標権者もまた、本件商標の使用者である。
イ 使用に係る商品及び役務
(ア)乙第6号証は、本件ウェブサイトの「美男子図鑑」の表示にリンクするページの出力であり、乙第7号証は、プレミアム会員専用の画像ファイルダウンロードページの出力である。
ログインしたプレミアム会員登録者が、本件ウェブサイトの「美男子図鑑」の表示部分をクリックすると、「男性写真集一覧」のページ(乙6)に移動し、その中の個別写真集のサムネイルをクリックすると、画像ファイルダウンロードページ(乙7)に移動し、電子化された写真(静止画像)及び動画(動画像)を閲覧及びダウンロードできる。
そして、乙第8号証は、「月間○○写真集」の会員登録ページの出力である。
以上のように、ファンプラス社は、有料会員登録者が画像ファイルをダウンロードできる電子写真集販売サービスを、本件商標を使用して提供している。
(イ)第35類「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の役務には、電子写真集販売サービスが包含される。また、本件ウェブサイトにおける商標「美男子図鑑」を表示する電子写真集販売サービスは、電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に商標「美男子図鑑」を表示して役務を提供する行為であり、商標法第2条第3項第7号に該当する。
さらに、本件ウェブサイトでは、「美男子図鑑」をクリックすると、画像ダウンロードのために複数の写真集サムネイルの1つを選択できる「男性写真集一覧」のページ(乙6)に誘導されるため、バナー広告の作用も有する。そのため、商標「美男子図鑑」を表示する電子写真集販売サービスは、役務に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為であり、商標法第2条第3項第8号に該当する。
したがって、ファンプラス社による電子写真集販売サービスは、第35類「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、登録商標の使用に該当する。
(ウ)ファンプラス社による電子写真集のサービスは、画像ダウンロードだけでなく、ダウンロードせずにサイト上で閲覧すること(乙7)、すなわち「画像の提供」も可能であるため、第41類「通信回線を利用した画像の提供」についての使用に該当する。
また、ファンプラス社による電子写真集画像の提供サービスは、第41類「電子出版物の提供」についての使用に該当する。
(エ)ファンプラス社が販売する電子写真集は、印刷物として出版していた写真集を、同社がデジタルデータに編集加工して電子版として発行したもので、その画像ファイルは、インターネットを利用してダウンロード可能な商品としての情報財である。したがって、ファンプラス社の電子写真集及びその画像ファイルは、第9類「電子出版物」及び「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる静止画像あるいは動画像を記録した画像ファイル」に該当する。
上記のとおり、本件ウェブサイトの「美男子図鑑」の表示部分は、バナー広告として作用するから、商標「美男子図鑑」を使用したファンプラス社による販売行為は、商品「電子写真集及びその画像ファイル」に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為であり、商標法第2条第3項第8号に該当する。
したがって、ファンプラス社の販売行為は、第9類「電子出版物」及び「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる静止画像あるいは動画像を記録した画像ファイル」についての使用に該当する。
ウ 使用に係る商標
本件商標は、「美男子図鑑」を標準文字で表したのに対し、本件ウェブサイトに表示された使用に係る商標「美男子図鑑」は、白色縁取りされた青色明朝体太字で表されている。すなわち、使用に係る商標は、本件商標に類似する商標であって、色彩を同一にすれば本件商標と同一の商標である。
したがって、本件ウェブサイトに表示された使用に係る商標は、本件商標の使用に該当する。
エ 使用時期
乙第9号証は、ホームページ制作会社である株式会社友ミュージックによる、本件商標の使用時期を示す証明書である。
同社は、ファンプラス社のホームページ(乙4、乙6)を作成し、2014年(平成26年)8月1日にアップロードし、それ以降現在に至るまで、それらウェブサイトを、プレミアム会員により画像ファイルダウンロード可能な状態で維持している(乙9)。
したがって、ファンプラス社は、本件商標を、平成26年8月1日から現在まで継続的に使用している。
オ 小括
以上のとおり、本件商標の通常使用権者であるファンプラス社は、要証期間に、その指定商品及び指定役務中、第9類「電子出版物,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる静止画像あるいは動画像を記録した画像ファイル」、第35類「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、第41類「通信回線を利用した画像の提供,電子出版物の提供」について、本件商標を使用している。
(2)請求人の主張に対し
ア ファンプラス社の通常使用権について
通常使用権は、登録されている必要はなく、口頭や黙示による合意でも有効に成立する。
本件では、乙第1号証により、本件商標権者が、ファンプラス社に通常使用権を許諾した事実を証明している。
また、ファンプラス社は、本件商標権者の完全子会社であり(乙10?乙13)、本件商標について、設定登録日(平成23年6月3日)に通常使用権の許諾を受けた旨を陳述している(乙14)。
したがって、ファンプラス社は、本件商標の通常使用権者である。
イ 使用時期
乙第14号証は、ファンプラス社が、本件ウェブサイトにおいて、平成26年8月1日から現在に至るまで、要証期間を含め、本件商標を使用していることを陳述している。すなわち、ファンプラス社は、要証期間を含め、本件ウェブサイトにおいて、本件商標を実際に使用していた。
乙第9号証の株式会社友ミュージックによる陳述も、平成26年8月1日のアップロード以降、平成29年6月18日以降の時期も含めて、本件ウェブサイトに商標「美男子図鑑」の表示を維持していたと解釈するのが自然である。
したがって、ファンプラス社は、本件商標を平成29年6月18日以降の時期も含め、継続的に使用していたといえる。
ウ 乙第4号証の信用性
本件ウェブサイト(乙4)は、プレミアム会員専用ページであって、ログインに必ずパスワードが要求され、プレミアム会員以外の者は閲覧できないから、ウェイバックマシンにも記録されない。請求人提出の証拠(甲4?甲10)は、一般用(非会員用)ページ出力である。
また、ウェイバックマシンには正しくデータが記録されない(乙23?乙26)から、そのアーカイブデータは、日付立証の証拠能力に欠ける。
さらに、乙第4号証には、日付の記載がないが、本件商標権者及び通常使用権者とは資本関係等がない中立的立場のウェブサイト制作会社の陳述(乙9)があるから、要証期間に、本件ウェブサイトにおいて「美男子図鑑」が使用されていたもので、証拠として信頼性を具備する。

4 当審の判断
(1)被請求人が提出する証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア ファンプラス社は、2007年に設立されたアーティストグッズオンライン販売システムの開発、運営などを行う会社であって、2016年3月から本件商標権者が一部資本参加、2018年9月から本件商標権者の完全子会社化されている(乙2)。
そして、本件商標権者による令和2年8月24日付けの陳述及びファンプラス社による同年12月7日付けの陳述によれば、ファンプラス社には、本件商標についての通常使用権が許諾されている(乙1、乙14)。
イ ファンプラス社の運営する「月刊○○写真集」は、月額制で会員に向けて、デジタルコンテンツをダウンロード可能にさせるサービス(以下「本件サービス」という。)である(乙5、乙8)。
ウ 本件サービスに係る本件ウェブサイトのページの写し(乙4。印刷日は不明。)には、「美男子図鑑」の文字(以下「本件使用商標」という。)を表示したバナーが掲載されているが、上部には「会員の方はログインをクリック!」の記載、各コンテンツ(例えば「月刊 酒井若菜」、「月刊 森下悠里」など)の掲載日として「2012/9/5 NEW」の記載がある。
エ 上記ページの「美男子図鑑」の文字を表示したバナーからリンクするとされるコンテンツに係るウェブサイト(乙6、乙7)には、本件使用商標の記載はない。
オ 本件ウェブサイトの、2017年3月15日から2019年12月28日の間の複数時点のウェイバックマシンのアーカイブデータ(乙15?乙22)には、本件使用商標を表示したバナーの掲載はなく、代わりに「旬のイケメンが勢揃い/男性写真集コーナー」の文字を表示したバナーが掲載されている。
(2)ア 以上の認定事実によれば、本件商標の通常使用権者と認められるファンプラス社の運営する本件ウェブサイトにおける、本件使用商標を表示するバナーを表示しているページの写し(乙4)は確認できる。
しかしながら、当該ページの印刷日は不明(答弁の全趣旨から、要証期間後に印刷されたものと考えられる。)であるところ、乙第4号証に示された状態で、要証期間に公開されていたことを示す証拠はない。
また、本件ウェブサイトは、「会員の方はログインをクリック!」との記載から、会員がログインする前のページ(一般用)であると理解できるところ、同ウェブサイトの2017年3月15日から2019年12月28日の間の複数時点のウェイバックマシンのアーカイブデータには「美男子図鑑」の文字を表示したバナーが表示されていないから、要証期間において、本件ウェブサイトは、乙第4号証の状態にあったかは疑わしい。
さらに、当該ページ内のコンテンツの掲載日は、2012年9月時点で最新(NEW)とされることに鑑みると、要証期間より相当以前にアップロードされた状態のままであると理解できる。
そうすると、本件使用商標を表示した本件ウェブサイト(乙4)は、要証期間に公開(電磁的方法により提供)されていた状態を示していると認めることはできない。
イ 加えて、本件ウェブサイト(乙4)に表示された「美男子図鑑」の文字は、本件サービスで提供されるコンテンツやサービスとの関係性が不明であって、本件サービスやそこで提供されるコンテンツとの関連性も曖昧であり、具体的に何の商品及び役務についての出所を表示するために使用されているのか明らかではない。
ウ したがって、本件商標の通常使用権者が、要証期間に、その指定商品及び指定役務についての広告の情報に、本件使用商標(本件商標と構成文字を共通にする、社会通念上同一の商標)を付して、電磁的方法により提供したものと認めることはできない。
その他に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用をしていることを認めるに足りる証拠の提出はない。
(3)被請求人の主張について
ア 被請求人は、本件ウェブサイトが要証期間に公開されていたことを、当該ウェブサイトを制作した株式会社友ミュージックによる令和2年8月24日付けの陳述(乙9)及びファンプラス社による令和2年12月7日付けの陳述(乙14)に基づき主張するが、いずれも本件商標権者の利害関係者(下請会社及び完全子会社)のもので、その陳述内容も漠然としており具体性を欠くばかりか、上記(2)アのとおり、要証期間に本件ウェブサイトが乙第4号証の状態にあったか疑わしい状況の中では、その陳述内容は直ちに信用できるものではない。
イ 被請求人は、本件ウェブサイト(乙4)は、ログインにパスワードが要求される会員専用ページであるから、ウェイバックマシンのアーカイブデータには記録されず、また、そのアーカイブデータ自体も信用性に欠ける旨を主張する。
しかしながら、本件ウェブサイト(乙4)は、上記(2)アのとおり、会員がログインする前のページ(一般用)であると理解するのが自然であるから、その主張は根拠を欠く。
また、トップページである本件ウェブサイトにおいて、一般向けと会員向けで掲載内容を変更(しかもコンテンツの掲載内容ではなく、本件サービスやコンテンツと関係性が不明な「美男子図鑑」の文字を表示したバナーの有無。)する理由も不明であるから、その主張も直ちに理解し難い。
さらに、仮に本件ウェブサイト(乙4)が会員専用ページであるとしても、その要証期間における本件商標の使用(広告の掲載)の立証は被請求人がする必要がある(商標法第50条第2項)ところ、上記(2)アのとおり、それを認めるに足る証拠の提出はない。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用をしていることを証明したものと認めることができない。
また、被請求人は、その指定商品及び指定役務について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。


別掲

審理終結日 2021-02-02 
結審通知日 2021-02-04 
審決日 2021-02-16 
出願番号 商願2010-82181(T2010-82181) 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (X09163541)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山田 正樹 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 大森 友子
阿曾 裕樹
登録日 2011-06-03 
登録番号 商標登録第5415956号(T5415956) 
商標の称呼 ビダンシズカン、ビダンシ 
代理人 恩田 俊明 
代理人 清水 敬一 
代理人 山川 雅男 
代理人 森山 朗 

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