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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W44
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W44
管理番号 1375958 
審判番号 不服2020-8456 
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-17 
確定日 2021-06-18 
事件の表示 商願2018-151859拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「microblading」の文字を標準文字で表してなり、第44類「美容,理容,美容整形及び形成外科医業,皮膚科医業,医療情報の提供,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」を指定役務として、平成30年12月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は『microblading』の文字を標準文字で表してなるところ、別掲(1)ないし(7)によれば、当該文字及びその片仮名表記と認められる「マイクロブレーディング」の文字は、美容関連の業界において、『眉に一本一本毛を描き足すように線を描く技法』を表す語として普通に使用されているものと認められる。そうとすれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、当該技法に関する役務(例えば、「マイクロブレーディングを行う美容」、「マイクロブレーディングを行う美容整形及び形成外科医業」等)と認識するにとどまるというべきであるから、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、当該技法に関する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断をして、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「microblading」の文字を標準文字で表してなるところ、原審で示した証左(別掲(1)ないし(7))に加え、別掲(8)ないし(11)によれば、美容関連の業界において、当該文字及びその片仮名表記と認められる「マイクロブレーディング」の文字は、「眉に一本一本毛を描き足すように線を描く技法」を表す語として普通に使用されている実情がある。
してみれば、本願商標をその指定役務について使用するときは、これに接する需要者は、当該技法に関する役務(例えば、「マイクロブレーディングを行う美容」、「マイクロブレーディングを行う美容整形及び形成外科医業」等)と認識するにとどまるというべきであるから、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、当該技法に関する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「『microblading』の語又は『マイクロブレーディング』の語が記載されている事実は、・・・別掲(1)?別掲(7)の僅か7例しか存在しない。」とした上で、「『microblading』の語と、『マイクロブレーディング』の語が記載されている表記形態は、別掲(1)、別掲(2)、別掲(5)の僅か3例しか存在しないから、この僅か3例に基づいて、『microblading』の語が、『眉に一本一本毛を描き足すように線を描く技法』を表す語として理解されるという認定は不当である。また、別掲(3)、別掲(4)、別掲(6)、別掲(7)は『マイクロブレーディング』の語のみが記載されているだけであり、『microblading』の語や『マイクロブレーディング』の語は一般に知られた語ではないことから、この『マイクロブレーディング』の語から直ちに、『microblading』の語の片仮名表記であると理解することはできない。」旨主張している。
しかしながら、原審で示した事例はあくまで例示であって、美容関連の業界において、「microblading」や「マイクロブレーディング」の文字が、「眉に一本一本毛を描き足すように線を描く技法」を表す語として普通に使用されている実情があることは、別掲(8)ないし(11)にも示したとおりである。さらに、「マイクロブレーディング」は「microblading」の自然な片仮名表記であることからすれば、本願商標「microblading」に接する需要者は、これより「眉に一本一本毛を描き足すように線を描く技法(マイクロブレーディング)」程の意味合いを理解し得るというのが相当である。
また、請求人は、「別掲(1)?別掲(7)の使用例は、美容関連の業界の公的機関や組合等の使用例ではなく、単に一個人の業者がインターネットにおいて使用しているにすぎず、この使用例によって『microblading』の語が、眉に一本一本毛を描き足すように線を描く技法を表す語として普通に使用されているとする認定は不当である」旨主張する。
しかしながら、各事業者が「microblading」や「マイクロブレーディング」の文字を「眉に一本一本毛を描き足すように線を描く技法」を表す語として普通に使用している事実は、まさに美容関連の業界における取引の実情を示すものであるから、本願商標に接する需要者が、これより「眉に一本一本毛を描き足すように線を描く技法」程の意味合いを理解し得ることの裏付けとなるものである。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
<別掲>
(1)「医療法人秀黄会 たにまちクリニック」のウェブサイト
「アートメイク」の見出しの下、「当院が行う医療アートメイクとは、医師の管理下で行う『汗や洗顔でも落ちないメイク』です。皮膚の表皮に、FDA(米国食品医薬局)で認可されている安全な成分が含まれた薬剤を着色していきます。(中略)当院の眉アートメイクでは大きく2種類の技法と、それらを組み合わせた方法があります。」の記載があり、「1)線で毛並みを描く方法(毛様・マイクロブレーディング)」の項において、「他では、3Dアートメイクや、3Dストロークと呼ばれています。当院ではわかりやすく、毛様、あるいは海外にならい、microblading マイクロブレーディングと呼びます。」との記載がある。
https://www.tanimachi-clinic.com/art-makeup/(2019年10月7日最終閲覧)
(2)「JALEE」のウェブサイト
「汗をかいても落ちない眉毛をゲット! 海外で話題のマイクロブレーディング」の見出しの下、「汗をかく日には、せっかく描いた眉毛が落ちてしまうことにお悩みの女性も多いはず。また、自眉が薄い方のなかには、日々のメイクステップを短略化したいと考えている人もいるのでは?そんな女性におすすめしたいのが、数年前から海外で話題になっているマイクロブレーディング(microblading)です。これまでのアイブロウタトゥーは、べたっとした一本線のような仕上がりに賛否両論がありました。同じアートメイクの一種でもマイクロブレーディングが一線を画すのは、その自然な仕上がり。細かいニードルで毛に見立てた線を1本ずつ描くことで、自眉が生えているかのように3D風のアートメイクを施すことができるのです。」との記載がある。
http://jalee.jp/archives/4253(2019年10月7日最終閲覧)
(3)「Dクリニック 東京ウィメンズ」のウェブサイト
「自然な眉毛が手に入る!?話題のアートメイク術・マイクロブレーディングとは」の見出しの下、「マイクロブレーディングは、眉アートメイク術として海外で大人気。ナチュラルな仕上がりが特徴で、さりげなく眉毛の形を整えたい・眉をボリュームアップさせたい男性に試してほしい施術です。(中略)マイクロブレーディングはアートメイクの手法のひとつです。従来のアートメイクは眉全体にグラデーションをつけて色を入れるのに対して、マイクロブレーディングは極細の針がたくさん並んだ刃(ブレード)を使って眉に一本一本毛を描き足していきます。もともと日本で生まれた技術ですが、海外で注目されて人気になり、近年になって逆輸入という形で日本に戻ってきました。最近は、国内でも徐々に認知度が上がってきています。」との記載がある。
https://artmake-clinic.com/column/natural-eyebrows(2019年10月7日最終閲覧)
(4)「日本アートメイク推進協会」のウェブサイト
「日本のアートメイクから生まれた新しい技術」の見出しの下、「今世界中で大流行の『マイクロブレーディング』と言う眉のアートメイクの手法があります。4Dヘアストロークとも呼ばれる事がありますね。非常に細いニードルが束ねられた手彫りの道具で、眉毛を1本ずつ描いていくやり方です。眉全体に色を入れる、これまで主流だったアートメイクと異なり、より自然な仕上がりになると評判です。」との記載がある。
https://artmake-society.jp/%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%81%8B%E3%82%89%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E6%8A%80%E8%A1%93(2019年10月7日最終閲覧)
(5)「PRTIMES|時事メディカル」のウェブサイト
「アートメイクの予約が殺到中のGLOW clinic 日本初のアートメイク最新技術“3G Brows TM”の提供を開始」の見出しの下、「今回誕生した独自技術の“3G Brows TM”は、眉毛を1本1本描き、毛流れをつくっていく『Microblading(マイクロブレーディング)』と呼ばれる手彫りのアートメイク手法に加え、マシーン(機械)を使用した『Microblading(マイクロシェーディング)』というパウダー状に色を入れる手法を組み合わせた日本初の最新技術です。」との記載がある。
https://medical.jiji.com/prtimes/4407(2020年3月3日最終閲覧)
(6)「奈良 樹のひかり形成外科・皮ふ科」のウェブサイト
「アートメイク(眉)グラデーション法+マイクロブレーディング法」の見出しの下、「通常必要とされる治療内容」の項において「アートメイク(眉)グラデーション法+マイクロブレーディング法」との記載、「治療方法」の項において「マイクロブレーディング法は眉毛1本1本線で描き、形を整えます。」との記載がある。
https://kinohikari.com/service/artmake/(2020年3月3日最終閲覧)
(7)「info-fresh.com」のウェブサイト
「LUCIA LASH 新サービス、マイクロブレーディング!」の見出しの下、「マイクロブレーディングとは」の項において、「従来のアイブロータトゥーとは全く異なった技術で、”繊細なマイクロブレーディングニードル”を使い自眉が生えているかのように”1本ずつ自然に毛を描いていきます”。」との記載がある。
http://www.info-fresh.com/article/blog/archives/2002(2020年3月3日最終閲覧)
(8)「松井医院」のウェブサイト
「PMU Microblading 技法」の見出しの下、「髪の毛の3分の1以下の0.16mmや0.18mmの専用針とMicroblading専用色素が可能にするフェザータッチストローク。うぶ毛のような繊細なラインも再現可能です。」と記載され、また、「松井医院のアートメイク」の見出しの下、「眉は一本ずつ丁寧に眉毛を描くPMU_Microblading技法(手彫り)を基本としてます。モノクリスタルシリコンナノテクノロジー技術を採用した Fether Touch NANO Needle やMicroblading専用色素を用いることで、うぶ毛のような繊細な眉毛も描くことが可能です。」と記載されている。
http://ml-clinic1.com/ad/art-ad.html(2021年2月26日最終閲覧)
(9)「森の宮皮フ科クリニック」のホームページ
「医療アートメイク/Medical Art Make Up」の見出しの下、「マイクロブレーディング眉」の項において「毛を1本1本描いていく技法。自毛が増えたようなしっかりとした印象に仕上がることが特徴。」の記載がある。
https://morinomiya-cl.jp/beauty/beauty11.html(2021年2月26日最終閲覧)
(10)「CLAIR CLINIC(クレアクリニック)」のホームページ
「施術内容/Menu」の「アイブロー(眉)/Eyebrow」の見出しの下、「マイクロブレーディング」の項において、「眉毛を一本一本再現する技法です。自毛を活かしながら毛を描くため自然な仕上がりになります。無毛症の方や毛の薄い方におすすめです」の記載がある。
https://clair-artmake.com/menu/(2021年2月26日最終閲覧)
(11)「赤坂ビューティークリニック」のホームページ
「施術メニュー/Menu」の見出しの下、「眉コース」の「マイクロブレーディング」の項において、「眉毛を一本一本再現する手法です。自毛を活かしながら毛を描くため自然な仕上がりになります。無毛症の方や毛の薄い方におすすめです。」の記載がある。
https://www.akasaka-bc.jp/art_makeup(2021年2月26日最終閲覧)


審理終結日 2021-03-25 
結審通知日 2021-03-30 
審決日 2021-04-22 
出願番号 商願2018-151859(T2018-151859) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W44)
T 1 8・ 272- Z (W44)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中尾 真由美 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 森山 啓
小田 昌子
商標の称呼 マイクロブレーディング、ミクロブレーディング 
代理人 鶴若 俊雄 

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