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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 |
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管理番号 | 1375206 |
異議申立番号 | 異議2020-900247 |
総通号数 | 259 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2021-07-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-09-28 |
確定日 | 2021-06-10 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6269150号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6269150号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6269150号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成30年7月26日に登録出願、第30類「マヌカはちみつ」を指定商品として、令和2年5月25日に登録審決され、同年7月14日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において、引用する登録第5380195号商標(以下「引用商標」という。)は、「MGO」の文字を標準文字により表してなり、平成22年2月16日に登録出願、第30類「はちみつ」を指定商品として、同23年1月7日に設定登録され、その後、令和2年7月20日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するから、本件商標は、同法第43条の2第1号の規定によって取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標と引用商標の指定商品について 本件商標の指定商品は、第30類「マヌカはちみつ」である。 一方、引用商標の指定商品は、第30類「はちみつ」である。本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれることが明らかであるので、本件商標と引用商標は、同一又は類似する商品を指定商品とするものである。 (2)本件商標と引用商標との類否について 本件商標は、青緑色の四角形の上部に黒色の長方形を配置し、その中に白色の標準的な書体の欧文字で「CERTFIED」、「METHYLGLYOXAL」と2段に横書きしてなるものと、黒色の長方形の下に、白色の標準的な書体の欧文字で「MGO」、「100+」と2段に横書きしてなるものとを組み合わせてなるものである。 一方、引用商標は、標準文字の欧文字で「MGO」と横書きしてなるものである。 本件商標と引用商標の称呼を検討すると、本件商標からは、その構成文字に相応した「サートファイドメチルグリオキサールエムジイオオヒャクプラス」の他に、「サートファイドメチルグリオキサール」、「エムジイオオヒャクプラス」、又は、「エムジイオオ」の称呼が生じる。 本件商標は、「CERTFIEDMETHYLGLYOXAL」の部分と「MGO100+」の部分の背景色が黒色と青緑色で異なるため、それぞれの部分は分離して看取されるものである。 また、本件商標の構成中、「MGO」と「100+」の文字は、上下2段に書されているので、視覚上「MGO」と「100+」とは分離して看取されるものである。 さらに、本件商標の構成中、「MGO」の文字は、他の欧文字より大きめの文字で中央に配置されているので、看者の目をひく部分であり、その構成中「100+」の文字は、数字及び記号よりなるものであるので、一般に自己の業務に係る商品の品番、型式、規格等を表示する記号又は符号として、取引上類型的に採用使用されており、自他商品の識別力を有しないか、極めてそれが弱い部分であると考えられるので、本件商標に接する取引者及び需要者は、本件商標の構成中、「MGO」の文字部分をもって取引に当たることがあるものといえる。 そうすると、本件商標は、その構成中の「MGO」の文字部分に相応して、「エムジイオオ」の称呼を生じるものである。 したがって、本件商標は、引用商標の称呼と同一の称呼を生じるものである。 以上を踏まえて、本件商標と引用商標との類否について検討すると、両商標は、外観において差異があり、観念を比較できないとしても、その要部である「MGO」の文字を共通とし、それにより生じる称呼を同じくする類似の商標であるといえる。 したがって、本件商標と引用商標とは、互いに類似する商標である。 (3)「MGO」の文字の識別性について 「MGO」の文字は、引用商標の権利者(以下「引用商標権者」という。)が創作した造語であり、辞書にも載っていない語であるので、特定の観念を生じないものである。本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)は、本件の拒絶査定不服審判において、「本件商標を構成する文字のうち、『MGO』は、指定商品『マヌカはちみつ』の成分の1つの普通名称であり、何ら識別力を有しない」と主張しているが、マヌカはちみつの成分の1つであるメチルグリオキサールの略語は「MG」であり、「MGO」ではない。引用商標権者は、メチルグリオキサールのアルファベット表記であるMETHYLGLYOXALから「M」と「G」と「O」の文字を取って「MGO」という造語を創作し、自社の商標として採択した。 したがって、引用商標権者のウェブサイトでは、メチルグリオキサールという成分を紹介する際に、自社の商標である「MGO」の文字を使用しているが、引用商標権者が自社のウェブサイトで「MGO」の文字を使用していることをもって、「MGO」の文字はメチルグリオキサールという成分を表す普通名称であるということはできない。 また、本件商標権者は、審判請求書において、引用商標権者以外の2社がウェブサイト上で「MGO」の文字を使用していることをもって、「MGO」の文字は、指定商品の成分を表すものであると主張しているが、これらの2社は、引用商標権者の製品に表記された「MGO」の文字をメチルグリオキサールの普通名称であると誤認し使用しているものであると考える。引用商標権者は、メチルグリオキサールの含有量を全製品に表記しており、メチルグリオキサール含有量分析試験書の製品同梱を始めた元祖企業であるので、他社は引用商標権者の商標である「MGO」を成分の普通名称であると誤認したと考える。 なお、引用商標権者が「MGO」の文字を使用する以前は、メチルグリオキサールの含有量を表示するのに、「MGO」の文字を使用している例は見受けられなかった。また、現在でも、メチルグリオキサールの含有量は、「MG」の文字と数字の組み合わせで表示されるのが一般的であり、「MGO」の文字を使用しているのは、数社にとどまる。大多数の企業及び養蜂場は、メチルグリオキサールの略語は「MG」であると正しく理解しており、メチルグリオキサールの含有量を表示するのに「MG」の文字を使用している(甲3?甲21)。 さらに、「MGO」の文字がマヌカハニーの抗菌作用の指標として使用されているものであり、指定役務「医薬品、化粧品又は食品の試験、検査又は研究」について識別性を有さないと判断されたとしても、それが指定商品「はちみつ」との関係において「MGO」の文字は識別性を有さないということにはならないと考える。また、ニュージーランドでは、「MGO」の文字は、はちみつについて識別力がないものとして扱われているとしても、その事実をもって直ちに日本においても「MGO」の文字は、指定商品「はちみつ」との関係において識別性を有さないということはできない。 以上より、「MGO」の文字は、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、マヌ力はちみつに含まれる成分量を示すものとして、広く一般に使用されているものではなく、指定商品との関係において充分に自他商品識別性を有する文字であるので、本件商標の要部となり得る部分であり、「MGO」の文字のみを抽出し、他人の商標と比較して商標としての類否を判断することは妥当であると思料する。 2 むすび 以上に詳述したように、本件商標は、他人の先願先登録商標に類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるので、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、別掲のとおり、青色で塗りつぶした四角形の内側上部に、2段に横書きした「CERTFIED」及び「METHYLGLYOXAL」の白抜き文字を内包する黒色長方形を配し、その下部に2段に横書きした「MGO」及び「100+」の白抜き文字を配してなるところ、黒色長方形内の「CERTFIED」及び「METHYLGLYOXAL」の文字部分(以下「上段部分」という。)と「MGO」及び「100+」の文字部分(以下「下段部分」という。)とは、背景色が異なること及び上段部分と下段部分が占める面積の割合が異なることから、視覚上分離して観察されるものであり、加えて、その構成文字全体から生じる「サートファイドメチルグリオキサールエムジーオーヒャクプラス」の称呼が極めて冗長であることも考慮すれば、上段部分と下段部分を分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているということはできないものであり、それぞれが独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというのが相当である。 そうすると、本件商標は、その構成中の下段部分を要部として抽出し、他の商標との類否を判断することも許されるものである。 そして、下段部分の「MGO」及び「100+」の各文字は、上下2段に配されているものの、いずれも同じ書体、ほぼ同じ大きさで、中央を揃えて配置されているため、全体としてまとまりのよい印象を与えるものである。 さらに、両文字ともに直ちに特定の意味合いを認識させる語ではなく、結合しても成語となるものでもないし、その構成文字全体から生じる「エムジーオーヒャクプラス」の称呼は、格別冗長でもなく、無理なく一連に称呼し得るものである。 よって、本件商標は、その構成中の下段部分においては構成全体をもって、一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるものとみるのが相当であるから、本件商標と引用商標との類否判断において、本件商標の構成中の下段部分から「MGO」の部分を分離、抽出して、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されないというべきである。 したがって、本件商標は、下段部分の「MGO」及び「100+」の文字に相応して「エムジーオーヒャクプラス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 なお、申立人は、「MGO」の文字は本件商標の要部となり得る部分であり、当該文字のみを抽出し、他人の商標と比較して商標としての類否を判断することは妥当であると主張する。 しかしながら、本件商標の構成中の下段部分は、同じ書体でまとまりよく一体的に表され、その構成文字から生じる「エムジーオーヒャクプラス」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものであることからすれば、上記のとおり判断するのが相当であり、他に、本件商標の構成中、「MGO」の文字部分のみが取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであると認めるに足りる事情は見いだせない。 よって、申立人のかかる主張は採用できない。 (2)引用商標について 引用商標は、前記第2のとおり、「MGO」の文字を表してなるところ、これよりは、「エムジーオー」の称呼を生じるものであり、また、該文字は、辞書に載録されている語ではないから、一種の造語として理解されるものである。 したがって、引用商標は、「エムジーオー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標との類否を検討するにあたっては、上記(1)のとおり、本件商標は、その構成中の「MGO」の文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されず、同文字部分を含む下段部分全体とで比較すべきところ、本件商標の要部の一つである下段部分と引用商標とは、外観及び称呼は明らかに相違するし、観念においては比較できないものであるから、非類似の商標というべきである。 また、その他の点において、本件商標と引用商標とが類似する商標であるとみるべき理由も見いだせない。 したがって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるといえる。 (4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。 2 むすび 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、たとえ、その指定商品が同一又は類似のものであったとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということができない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標(色彩は原本参照) |
異議決定日 | 2021-05-31 |
出願番号 | 商願2018-95889(T2018-95889) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(W30)
T 1 651・ 263- Y (W30) T 1 651・ 261- Y (W30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 駒井 芳子、古里 唯 |
特許庁審判長 |
榎本 政実 |
特許庁審判官 |
小松 里美 豊田 純一 |
登録日 | 2020-07-14 |
登録番号 | 商標登録第6269150号(T6269150) |
権利者 | 株式会社ハイパーリンク |
商標の称呼 | サートファイドメチルグリオキサルエムジイオオヒャクプラス、サートファイドメチルグリオキサルエムジイオオイチゼロゼロプラス、サートファイドメチルグリオキサル、サートファイド、エムジイオオヒャクプラス、エムジイオオイチゼロゼロプラス、エムジイオオヒャク、エムジイオオイチゼロゼロ、エムジイオオ |
復代理人 | 特許業務法人岡田国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人京都国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人コスモス国際特許商標事務所 |