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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W14
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W14
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W14
管理番号 1375165 
審判番号 不服2020-15076 
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-29 
確定日 2021-06-29 
事件の表示 商願2019-25337拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第14類「時計,時計の部品及び附属品」を指定商品として、平成31年2月15日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6242304号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成30年7月18日に登録出願、「時計の小売・卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年4月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、欧文字「y」を図案化したと思われる図形(以下「図形部分」という。)の下に、「yamato」の欧文字を筆記体風にややデザイン化して表してなる(以下「文字部分」という。)ところ、図形部分及び文字部分とは、重なることなく間隔を空けて配置されており、視覚上、分離して把握されること、及び両者は観念的に密接な関連性を有しているとはいえないことから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとはいえない。
そうすると、図形部分と欧文字部分が、独立して自他商品の識別機能を果たし得るものといえる。
本願商標の要部の一である文字部分は、「yamato」の欧文字からなるところ、当該欧文字は、英語等の辞書には掲載されていない文字であり、このような文字に接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読み又はローマ字読みに倣って称呼するのが自然であるから、これよりは、「ヤマト」の称呼が生じ、そして、「ヤマト」の称呼が生じる語には、例えば「沖縄で、日本本土を指していう語」、「旧日本海軍最大の戦艦。」などの複数の意味を有する語である「大和」のほか、「倭」、「山人」、「山処」、「山登」など複数ある(広辞苑第七版 株式会社岩波書店)。そうすると、「yamato」の欧文字からは、直ちに特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
以上からすると、本願商標は、文字部分を構成する「yamato」の欧文字に相応して、「ヤマト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、「支笏湖」の文字を毛筆体風に表し、間隔を空けて、その右にやや大きく、「大和」の文字をゴシック体風に表してなるところ、「支笏湖」と「大和」の文字との間には空白が存在し、そして両文字は文字の書体及び大きさを異にすることから、引用商標は、両語を組み合わせたものと容易に看取、把握されるといえるものであって、これよりは「シコツコヤマト」の称呼を生じる。
そして、引用商標中、「支笏湖」の文字部分は、「北海道南西部にあるカルデラ湖」の名称(前掲書)であり、同「大和」の文字部分は、前述のとおり、「沖縄で、日本本土を指していう語」、「旧日本海軍最大の戦艦」などの複数の意味を有する語である。
そうすると、引用商標における「支笏湖」の文字部分は、その指定役務との関係においては、単に役務の提供の場所を表示するにすぎず、これよりは出所識別標識としての称呼及び観念は生じないものと認められる。
したがって、引用商標は、その構成中、「大和」の文字部分が取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから、当該文字部分に相応した「ヤマト」の称呼及び「沖縄で、日本本土を指していう語」、「旧日本海軍最大の戦艦」などの複数の観念をも生じ得るものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを対比すると、構成全体の比較においては、図形の有無及び「支笏湖」の文字の有無により、外観上、判然と区別し得るものである。また、本願商標の要部である「yamato」の文字部分と引用商標の要部である「大和」の文字部分とを対比するに、両者は、文字種が異なる上、「yamato」の文字部分は、ややデザイン化されていることから、外観上異なった印象を与えるものであり、相紛れるおそれはないものである。
次に、本願商標の要部である「yamato」の文字部分と引用商標の要部である「大和」の文字部分は、いずれも「ヤマト」の称呼を生じるものであるから、称呼を共通にするものである。
また、本願商標の要部である「yamato」の文字部分は、特定の観念を生じないのに対し、引用商標の要部である「大和」の文字部分は、「沖縄で、日本本土を指していう語」、「旧日本海軍最大の戦艦」などの複数の観念をも生じ得るものであるから、両者は、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼を共通にする場合があるものの、外観及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は非類似の商標というべきである。
さらに、他に本願商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
(4)まとめ
以上により、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1(本願商標)


別掲2(引用商標)



審決日 2021-06-14 
出願番号 商願2019-25337(T2019-25337) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W14)
T 1 8・ 261- WY (W14)
T 1 8・ 263- WY (W14)
最終処分 成立  
前審関与審査官 和田 恵美真鍋 伸行 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 庄司 美和
馬場 秀敏
商標の称呼 ヤマト、ワイ 
代理人 下田 一徳 
代理人 樋口 頼子 
代理人 辻田 朋子 
代理人 中川 慶太 

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