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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W2535
管理番号 1375072 
審判番号 不服2020-13819 
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-02 
確定日 2021-05-24 
事件の表示 商願2019- 3401拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「大人の遊び心を刺激する」の文字を標準文字で表してなり,第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットを利用した被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告業,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,商品の販売促進又は役務の提供促進のためのイベントの企画・運営又は開催,コンピュータデータベースへの情報編集,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,求人情報の提供」を指定商品及び指定役務として,平成31年1月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『大人の遊び心を刺激する』の文字を標準文字で表してなるところ,該文字は,提供される商品・サービスの魅力を表現するための,宣伝・広告用の語句として,一般的に広く使用されており,また,本願の指定商品を扱うファッション業界においても同様であるから,本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても,これに接する需要者は,宣伝・広告用の語句であると理解するにとどまり,結局,何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものであるため,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は,「大人の遊び心を刺激する」の文字を標準文字で表してなるものであり,構成全体から,「大人が持つ遊び心を刺激する」ほどの意味合いを理解させるものである。
そして,「大人の遊び心を刺激する」の文字が,商品又は役務の宣伝文句として使用されている実情があることは,原審で示した事実(別掲)に加えて,以下に示すインターネット情報からも,裏付けられる。
ア 「Safari Lounge」のウェブサイトにおいて,「春の着こなしカタログ/パッチとプリント使いで大人の遊び心を演出!」の見出しの下,「大人の遊び心を刺激するファンキーなデザイン/“南カルフォルニアにある、知る人ぞ知る老舗ピザ屋”という架空の設定で作られた店のスウェットシャツ。<パームストライプス>ならではのお茶目な演出に、思わず顔がほころぶ。」の記載がある。
https://safarilounge.jp/feature/381/(令和3年4月8日最終閲覧)
イ 「WOWKoreaウーマン」のウェブサイトにおいて,「春夏コーデに1点投入!大人の遊び心を刺激するANTEPRIMAの新作」の見出しの下,「【ANTEPRIMA x KISSI USSUKI コレクション】(略)ちなみに、描かれた女性のサングラスとヘッドアクセは、取り外すこともできちゃいます!ブローチにしてみたり、バッグのチャームにしたりと、『遊び心』が刺激されるバッグです。」の記載がある。
https://kt.wowkorea.jp/woman/news-read/45067.html(令和3年4月8日最終閲覧)
ウ 「Sheage」のウェブサイトにおいて,「大人の遊び心を刺激する『talkative(トーカティブ)』の個性的なジュエリー」の見出しの下,「“おしゃべり好きな”という意味を持つジュエリーブランド『talkative(トーカティブ)』。デザイナー独自のグラフィカルな視点から生み出されるジュエリーは、ゴールドやダイヤなどの宝石を使った上質さを漂わせながらも、“大人が遊べるジュエリー”をテーマにした個性あふれるデザインが特徴です。」,「渋谷にオンリーショップを構えるジュエリーブランド『talkative(トーカティブ)』。“会話の生まれるジュエリー”をコンセプトにしたアイテムは、思わず目を奪われ、話題の中心になるような斬新なデザインのものばかり。遊び心を持ちつつも、大人の女性が上品に身につけられることにこだわっているのも特徴です。」の記載がある。
https://sheage.jp/article/7504(令和3年4月8日最終閲覧)

そして,原審で示した事実や上記事例からすると,「大人の遊び心を刺激する」の文字は,「大人」にターゲットを絞り,その「遊び心を刺激する」かのように訴えかけることによって,購買意欲を喚起させるために用いられるものというのが相当であるから,商品又は役務の宣伝・広告用の語句として認識されるにすぎないものというべきである。
そうすると,本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても,これに接する需要者は,「大人が持つ遊び心を刺激する」ほどの意味合いをもって商品又は役務の宣伝・広告に用いられる語句であると理解するにとどまり,何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標というべきである。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「大人の」の文字を有する商標や「遊び心」の文字よりなる商標についての過去の登録例を挙げ,本願商標も登録すべき旨主張する。
しかしながら,本願商標は,その構成中に「大人の」又は「遊び心」の文字を有することのみをもって商標法第3条第1項第6号に該当すると判断するものではなく,商標の構成全体の意味合いや使用状況等に基づいて判断するものであるから,請求人の挙げた商標登録例をもって,本願商標についての判断が左右されるものではない。
イ 請求人は,請求人が本願商標とは異なる商標も所有しており,本願商標はこれらの商標と共に使用されるものだから,取引者及び需要者が本願商標を広告・宣伝の語句と認識することはなく,自他商品及び役務の識別標識として理解する旨主張する。
しかしながら,上記のとおり,「大人の遊び心を刺激する」の文字は,宣伝・広告の語句として認識される事情があるものであるから,請求人が本願商標とは異なる商標と併用していることをもって,本願商標の意味合いや認識のされ方が変わるものではないというべきである。
ウ したがって,請求人の主張は,いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲

別掲 原審において示した事実
1 「Creema(クリーマ) ハンドメイド・手作り・クラフト作品の販売サイト」のウェブサイト
「大人の遊び心を刺激する そして 多くの女性を魅了する。スワロフスキースタッズ×オリジナルダイヤプリントトート/グレー」との記載がある。
https://www.creema.jp/item/4330916/detail(令和3年4月8日最終閲覧)
2 「Makuake|マクアケ - クラウドファンディング」のウェブサイト
「『大人の遊び心』を刺激する!シーンを選ばないクラシックポップなNEWバッグ」との記載がある。
https://www.makuake.com/project/noel_korea_liinon/(令和3年4月8日最終閲覧)
3 「folk」のウェブサイト
「大人の遊び心を刺激する『Ameri VINTAGE』。個性が光る魅力的な着こなしをご紹介!」の見出しの下、「歳をとるにつれてファッションもシンプルなものが好みになっていく一方、自分らしく個性的な着こなしを楽しみたいと思うこともありませんか?そこで今回は、そんな大人の遊び心を刺激してくれる人気ショップ『Ameri VINTAGE』をご紹介したいと思います。いつものコーディネートにプラスすることで、おしゃれなコーディネートが叶いますよ。」との記載がある。
https://folk-media.com/927384(令和3年4月8日最終閲覧)
4 「大人の遊び心を刺激するモノだけを集めた空間の正体は、あの店の超豪華版だった![東京カレンダー]」のウェブサイト
「貴方のライフスタイルがワンランクアップ!大人の遊び心を刺激するアイテムの宝庫!」の見出しの下、「貴方はマンハッタンを訪れたことはあるだろうか?マンハッタンは大人の遊び心を刺激する街。何気なく街を散歩しているだけで、自然と心がウキウキしてくるのだ。個性豊かな絵画が覗く瀟洒なギャラリー、クールなジャズが流れる街角、ポップでありながら静謐な書店やカフェ。」との記載がある。
https://tokyo-calendar.jp/article/9706(令和3年4月8日最終閲覧)
5 「じゃらんニュース」のウェブサイト
「【全国・2019秋冬】大人の遊び心を刺激するイベント19選。アート・紅葉・グルメ・文化」の見出しの下、「9月に入り、少しずつ秋の気配が感じられる今日この頃。のんびりと日本の古き良き文化に触れ、アートに浸かり、グルメやお酒を楽しむには最高の季節がやってきました!今回は、そんな大人の遊び心を刺激するイベントを全国から厳選してご紹介します。」との記載がある。
https://www.jalan.net/news/article/382476/(令和3年4月8日最終閲覧)



審理終結日 2021-03-25 
結審通知日 2021-03-26 
審決日 2021-04-08 
出願番号 商願2019-3401(T2019-3401) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W2535)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内藤 順子 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 小田 昌子
茂木 祐輔
商標の称呼 オトナノアソビゴコロオシゲキスル 
代理人 辻本 希世士 

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