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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1372952 
異議申立番号 異議2020-900250 
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-05-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-10-01 
確定日 2021-04-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第6269307号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6269307号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6269307号商標(以下「本件商標」という。)は、「IROHAS CAMERA」の文字を標準文字で表してなり、令和元年5月9日に登録出願、第35類「写真機械器具及び写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,写真機械器具の部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,中古の写真機械器具及び中古の写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,中古の写真機械器具の部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,デジタルカメラ及びその附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,中古カメラ及びその附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,経理事務の代理又は代行,財務書類の作成,広告スペースの貸与又は提供,広告用具の貸与,一般事務の代理又は代行,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報編集,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,商品の売買契約の代理・媒介・仲介・取次ぎ・代行,マーケティング,競売の運営,インターネットによる競売の運営,オークションの企画・運営又は開催」を指定役務として、同2年6月29日に登録査定、同年7月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備せず、また、同法第4条第1項第7号、同項第10号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第43号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項柱書について
申立人は、別掲1のとおり「IROHAS」とカメラを意味する「CAMERA」とを組み合わせた造語(Oの部分が図形化された特徴的な商標、以下「使用標章1」という。)(甲1)を使用し、現時点においてチラシを1000枚ほど印刷し順次配布している。
申立人は、中古カメラのサイトとして著名なサイト(カメラファン)において、2018年より別掲2のとおりの使用標章(以下「使用標章2」という。「使用標章1」と「使用標章2」をまとめて「使用標章」という場合がある。)を使用している(甲2)。また、中古カメラの取引者が参加する各オークションにおいて、少なくとも2017年1月より継続してかなりの規模の取引を行っている(甲3?甲6)。以上のように、申立人は、商標「IROHAS CAMERA」を本件商標権者の出願以前より継続して使用している。
一方、本件商標権者の勤務先である株式会社神戸サンド屋東日本(以下「神戸サンド屋東日本」という。)(甲7?甲9)は、「ファイブスターカメラ」という商標を使用して中古カメラの販売を行っており、当該商標「ファイブスターカメラ」は、中古カメラ取引の著名サイトであるカメラファンにおいても使用されている(甲2)。
以上からすると、本件商標権者は、申立人が商標「IROHAS CAMERA」を使用しているサイトにおいて、別商標を使用している会社の関係者ということになる。
また、上述した各主要オークションでは、「ファイブスターカメラ」の関係者も当然参加している。
以上、申立人と本件商標権者の勤務先とがサイトやオークションなどにおいて接点があり、申立人は造語を含む商標を使用しており、本件商標が使用標章と偶然一致したとは考えにくいなどの事情からすると、本件商標権者は、使用標章を認識した上で、使用標章と類似する商標を出願したものということができる。
また、「IROHAS CAMERA」や「イロハスカメラ」のGoogle検索(甲10、甲11)を行うと、申立人による使用例ばかりが検索され、本件商標権者や神戸サンド屋東日本による本件商標の使用例は一件も検索されない。
さらに、申立人は、「1.申立人代表が本件商標権者に対して出願取下げのためのアポイントを取ったところ、本件商標について本件商標権者が何も知らなかった。」「2.そこで、申立人は、神戸サンド屋東日本の関係者に事情を説明し、同社の取締役と出願取下げについて交渉してもらった。」ところ、申立人は、本件商標を取り下げるための対価を要求された(甲12)。
以上からすると、神戸サンド屋東日本の取締役が出願取下げのための対価を要求していることと同義であり、非常に悪質であるものと思慮する。なお、上記話し合いにおいて、神戸サンド屋東日本の関係者は、同社の取締役が使用意思のない出願を繰り返している旨発言し、実際に、本件商標権者や神戸サンド屋東日本及びその関係者は、同社やその関係者とは無関係の会社が使用している商標を、使用意思なく出願・登録しているという実体がある(甲14?甲16)。
以上からすると、本件商標権者(神戸サンド屋東日本)は造語である使用標章を認識した上で出願している、本件商標の本件商標権者による使用例が全く見られない、本件商標について申立人に対して取下げの対価を要求している、本件商標以外にも全く使用していないなどの諸事情を考慮すると、本件商標権者及びその関係会社は、競合他社の使用している商標を何らかの意図をもって出願・収集しているだけであり、本件商標権者には本件商標を使用する意思は全くないといわざるを得ない。
つまり、本件商標出願は、本件商標権者が現に自己の業務に係る役務に使用していない商標について、将来自己の業務に係る役務に使用する意思もなく行われたものであるということができる。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備していない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
申立人は造語で特徴的な商標を使用しており、本件商標権者の出願商標において指定されている役務は、申立人役務を表したものと考えられ、上述したように、申立人と本件商標権者とでは、サイト(カメラファン)やオークション(古物市場)などにおいて、多くの接点がある。さらに、申立人は神戸サンド屋東日本の関係者(取締役)から、本件商標を取り下げるための対価を要求されているという事実がある。
以上からすると、本件商標は、その構成態様のみならず、その指定役務までもが偶然に一致したとは想定し難く、本件商標権者が申立人の商標及び役務を知ったうえで、申立人の商標が日本において出願・登録されていないことを奇貨として、不正の利益を得る目的、申立人に損害を加える目的などの不正の目的をもって出願されたものであるといえる。
以上より、本件商標は、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当するものと考えられ、本件商標権者による本件商標の出願は、申立人が商標として出願するであろうと認められる商標を、先回りして、不正な目的をもって剽窃的に出願したものと認められる。そのため、商標登録出願について先願主義を採用し、また、現に使用していることを要件としていない日本の法制度を前提としても、本件商標のような出願は、健全な法感情に照らし条理上許されないというべきであり、また、商標法第1条が示す商標法の目的にも反し、公正な商標秩序を乱すものということができる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第10号について
アメリカの取引サイトebayの評価に記載されているように、申立人は、造語irohas(称呼:イロハス)のIDを用いて、2011年10月18日よりアメリカebayにてカメラの出品を開始以降、取引を継続しており、1か月あたりのインプレッション数が約5,000,000あり、ページビューも約100,000ある(甲23?甲25)。
申立人は、2017年9月以前より、造語irohas、cameraを含むIDで取引を行っており、落札件数は累計1,500件を超えている(甲26?甲27)。
さらに、申立人は、中古カメラの主要取引者が参加するオークション(古物市場)において、大規模な買い付けを2017年以前より行っており、各オークションにおいてコンスタントに¥1,000,000?¥4,000,000程度の落札を行っている(甲3?甲6)。当該落札額は、オークションにおける取引全体の15%?30%超を占めることもある。
申立人は、2018年より自社ホームページを活用した商品の販売を行っており、また、それにより、情報の発信を定期的に行っており(甲34、甲35)、さらに、Facebookやインスタグラムにおいて、2018年10月より定期的に情報の発信も行っている(甲36、甲37)。
そして、申立人は、ロンドンの出版社からの出版物において、クレジットされた実績がある(甲38、甲39)。
以上のように、申立人は、本件商標権者による本件商標出願以前より、商標「IROHAS CAMERA」を用いた情報発信を定期的に行っており、その結果として、申立人が使用する商標は、申立人のものとして広く認識されているものといえる。
特に、申立人は、オークションにおいて、少なくとも2017年1月より非常に多くの割合を占める取引をコンスタントに行い、大規模な落札を定期的に行っている状況を鑑みると、申立人は、少なくとも取引者間において、特に広く認識されており、その周知性は、本件商標の出願時に既に存在し、また、現在においてもなお維持されているものといえ、本件商標が指定する役務は、申立人の業務に係る役務を表したものである。
以上より、本件商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして少なくとも取引者の間に広く認識されている商標に類似する商標を、その役務について使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
申立人は、造語で特徴的な構成を有する商標を使用しており、申立人が使用している商標は、少なくとも取引者の間において周知である。また、申立人が商品を販売しているebayにおいては、月5,000,000を超えるインプレッションがあるから、外国においてもよく知られているといえる。
また、申立人が本件商標権者の勤務先である神戸サンド屋東日本の関係者と話し合いを行った際、申立人は同社の関係者より本件商標を取り下げるための対価を要求されている。なお、取下げの交渉は、当該交渉の次の話し合いの際、同社の関係者より2か月ほど待つようにと一方的にいわれ、話が止まっている。また、本件商標権者による本件商標出願は、剽窃的なものである。
以上からすると、本件商標権者は、不正の利益を得る目的などの不正の目的をもって本件商標を出願しているものといわざるを得ない。また、本件商標は、申立人の商標として少なくとも日本国内における取引者の間に広く認識されている商標と類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項柱書の該当性について
商標法第3条第1項柱書における「自己の業務に係る商品又は役務について使用する商標」とは、少なくとも登録査定時において、現に自己の業務に係る商品又は役務に使用している商標、あるいは、将来、自己の業務に係る商品又は役務に使用する意思のある商標と解される(知的財産高等裁判所平成24年(行ケ)第10019号、平成24年5月31日判決言渡)。
そうすると、本件商標権者が、本件商標の登録査定時において、本件商標を自己の業務に係る指定役務について現に使用していなくとも、将来においてその使用をする意思があれば、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備するといえるところ、申立人が提出する全証拠によっても、本件商標権者が、本件商標の登録査定時において、将来、自己の業務に係る指定役務に本件商標を使用する意思を有していたことを否定するに足りる事実は見いだせない。
申立人は、本件商標権者は本件について何も知らず、神戸サンド屋東日本が実質的に出願し、かつ、他人の使用している商標を出願・登録しているから、本件商標は、本件商標権者が現に自己の業務に係る役務に使用していない商標について、将来自己の業務に係る役務に使用する意思もなく行われたものである旨主張している。
しかしながら、上記のとおり、本件商標権者が、本件商標の登録査定時において、将来、自己の業務に係る指定役務に本件商標を使用する意思を有していたことを否定するに足りる事実は見いだせないものであり、また、本件商標の審査において提出した上申書に添付したウェブサイトの利用が現在停止されているとしても、当該事実をもって本件商標権者が将来にわたり、本件商標を自己の業務に係る指定役務に使用する意思がないということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものとはいえない。
(2)使用標章の周知性について
ア 申立人の主張及び提出に係る甲各号証によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人が使用標章1を使用し、中古カメラの販売をしていることはうかがえる(甲1)が、チラシを1000枚印刷し、現に配布しているとする事実を裏付ける証拠の提出は見当たらない。
(イ)中古カメラ販売店が加盟する中古カメラのサイトである「カメラファン」に申立人が加盟し、使用標章2を使用していることはうかがえる(甲2)が、当該証拠は、2019年10月2日に作成(プリントアウト)されたものであり、使用標章の使用開始時期を確認することができない。
(ウ)申立人は、中古カメラの取引者が参加する東京カメラ交換会、CTN(Camera Trading Network)及びWCA(World Camera Auction)の各カメラオークションにおいて、2017年から使用標章を使用している旨主張するところ、上記各オークションの仕入れ一覧表及び上記各オークションの落札明細書、清算書及び請求書等から、申立人が、2017年から2019年にかけて中古カメラの取引を行っていたことはうかがえる(甲3?甲6、甲41?甲43)としても、当該取引における使用標章の使用は確認できない。
(エ)申立人は、2011年からアメリカの取引サイトとおぼしき「ebay」や我が国のカメラオークションにおいて、カメラの取引を行っていたことはうかがえる(甲23?甲28)としても、当該取引における使用標章の使用は確認できず、当該「ebay」がいかなる取引サイトであるかが不明であり、国内のオークションにおける落札件数等の位置付けも不明であることから、当該取引の事実をもって我が国及びアメリカでの申立人の評価が高いということはできない。
(オ)申立人は、自社ホームページを活用した商品の販売や情報の発信を行い(甲34、甲35)、また、Facebookやインスタグラムにおいても情報の発信を行っている(甲36、甲37)。
イ 上記アの事実によれば、申立人は、2011年からアメリカのカメラのオークションサイトに登録し、カメラの取引を行っていること(甲23?甲25)、国内においては、2017年から中古カメラの販売に関する役務を行い、当該オークションで仕入れた中古カメラの販売(以下、申立人の業務に係る中古カメラの販売に関する役務を「申立人役務」という。)を行っていることは推認できる(甲3?甲6、甲26、甲27、甲41?甲43)。
しかしながら、2017年から2019年における、申立人役務の取引実績は一定程度うかがえる(甲3?甲6、甲41?甲43)としても、我が国及び外国での中古カメラ取引全体に占める申立人役務についての取引実績を把握することができず、使用標章の使用状況も把握することができない。
さらに、申立人役務の取引実績を客観的に裏付ける証拠は提出されていないことから、我が国及び外国における量的規模(マーケットシェア等)を客観的、具体的に把握することができず、かつ、使用標章の使用状況も把握することができない。
そして、広告宣伝活動について、申立人は、申立人が使用標章1を使用したとするチラシを1000枚印刷し、配布している旨(甲1)主張するが、当該チラシを広告宣伝した時期、回数、配布地域及びその方法等の状況を具体的に示す証拠の提出はなく、申立人が、中古カメラのサイトにおいて使用標章2を使用していること(甲2)、自社のウェブサイトやFacebookやインスタグラムに使用標章1を使用していること(甲34?甲37)はうかがえるとしても、当該事実のみをもって、使用標章が申立人役務を表示するものとして、需要者に広く認識されたとはいい難いものである。
また、申立人は、インターネット検索サイトにおいて、「IROHAS CAMERA」「イロハスカメラ」の検索では、申立人の使用例しか検索されない旨主張しているが(甲10、甲11)、これらの検索結果が周知性の判断において大きく影響を与えるものではない。
その他、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、我が国及び外国の需要者の間で、申立人役務を表示するものとして使用標章が広く認識されていたと認めるに足りる事実は見いだせない。
したがって、使用標章が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人役務を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(2)イのとおり、使用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人役務を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものである。
そうすると、本件商標に係る指定役務と申立人役務が同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標とはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(2)イのとおり、使用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人役務を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものとは認められないことから、使用標章が需要者の間に広く認識されていたものであることを前提に、本件商標は不正の目的をもって出願しているものであるとする申立人の主張は,その前提を欠くものである。
さらに、申立人の提出に係る証拠によれば、本件商標権者による本件商標の使用が使用標章に蓄積された名声、信用、顧客吸引力にフリーライドし、それらをき損させるものというべき事実は見いだし難いばかりでなく、他に、使用標章の出所表示機能を希釈化させるなど不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他不正の目的をもって剽窃的に本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足りる具体的事実を示す証拠はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「IROHAS CAMERA」の文字からなるところ、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではない。
また、本件商標は、これをその指定役務に使用することが社会公共の利益や社会の一般的道徳観念に反するものではなく、さらに、その使用が他の法律によって禁止されているもの、外国の権威や尊厳を損なうおそれがあって、国際信義に反するものでもない。
加えて、申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当すると認めるに足りる具体的事実も見いだせない。
なお、申立人は、本件商標権者による本件商標の登録出願行為は、その構成態様のみならず、その指定役務までもが偶然に一致したとは想定し難く、本件商標権者及び同人が勤務する会社が申立人の商標及び役務を知ったうえで、申立人の商標が日本において出願・登録されていないことを奇貨として、不正の利益を得る目的、申立人に損害を加える目的などの不正の目的をもって出願したものである旨主張している。
しかしながら、請求人提出の証拠から、本件商標権者が申立人に損害を与えるとする意図は明らかでなく、他に、本件商標が不正の利益を得る目的等をもって使用をするものと認めるに足りる事実は見いだせないものであるから、申立人の主張を採用することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(6)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備するものであり、かつ、同法第4条第1項第7号、同第10号及び同第19号のいずれにも該当するものではなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してなされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲1(使用標章1、色彩は甲第1号証参照)


別掲2(使用標章2、色彩は甲第2号証参照)



異議決定日 2021-04-08 
出願番号 商願2019-66499(T2019-66499) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (W35)
T 1 651・ 25- Y (W35)
T 1 651・ 18- Y (W35)
T 1 651・ 22- Y (W35)
最終処分 維持 
前審関与審査官 牧野 賢太郎真鍋 恵美 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 小田 昌子
茂木 祐輔
登録日 2020-07-14 
登録番号 商標登録第6269307号(T6269307) 
権利者 早川 京子
商標の称呼 イロハスカメラ、イロハス 
代理人 馬場 資博 
代理人 唐鎌 睦 
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