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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y25
管理番号 1372809 
審判番号 取消2020-300056 
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-05-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2020-01-21 
確定日 2021-03-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第1188463号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
登録第1188463号商標(以下「本件商標」という。)は、「OUTRIDER」の欧文字を横書きしてなり、昭和48年2月28日登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同51年3月11日に設定登録され、その後、同61年10月21日、平成8年8月29日及び同18年3月14日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同年9月6日に、指定商品を第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,足袋,ショール,スカーフ,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」並びに第16類、第20類、第21類、第22類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、その後、同28年2月9日に、第24類及び第25類についてのみ、商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和2年2月5日になされたものであり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成29年2月5日から令和2年2月4日までの期間(以下「本件要証期間」という。)である。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」(以下「取消請求商品」という。)に係る商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第2号証(以下、証拠の表記に当たっては、「甲(乙)第○号証」を「甲(乙)○」のように、「第」及び「号証」を省略して記載する。)を提出している。
1 本件商標は、取消請求商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消しされるべきものである。
2 請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張
1 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1ないし乙14(枝番号を含む。)を提出している。
2 株式会社フィールドハウス(以下「フィールドハウス社」という。)は、被請求人であるケントジャパン株式会社から2017年10月1日に、本件商標の指定商品中「ティーシャツ」及び「キャップ(帽子)」を含む第25類の商品について通常使用権の許諾を受けた(乙1)。
フィールドハウス社は、2019年6月の父の日に向けて、「OUTRIDER」ブランドのティーシャツとキャップを、株式会社ヴァンヂャケット(以下「ヴァンヂャケット社」という。)の店舗で、販売する企画を立てた(乙2)。
そこで、2019年4月9日に、フィールドハウス社は、ジェイアンドジー株式会社(以下「ジェイアンドジー社」という。)に対し、本件商標に係る「OUTRIDER」ブランドのアスレTシャツ(ティーシャツ)18枚についての生産を依頼した(乙3の1)。
また、2019年4月9日に、フィールドハウス社は、ジェイアンドジー社に対し、本件商標に係る「OUTRIDER」ブランドのフレックスフィットCAP(帽子)10個についての生産を依頼した(乙2の2)。
ところで、2018年12月10日に、フィールドハウス社は、東京吉岡株式会社(以下「東京吉岡社」という。)に対し、本件商標に係る「OUTRIDER」ブランドのネーム100個及び下げ札100枚を注文した(乙4)。また、フィールドハウス社は、東京吉岡社に対し、「OUTRIDER」ブランドのネーム及び下げ札の指示書を2018年12月10日に発行した(乙5)。2018年12月27日に、東京吉岡社は、フィールドハウス社に対し、「OUTRIDER」のネーム100個と下げ札100枚を納品した旨を連絡し(これらのネーム等は、レジメンタルタイ用にドリームクリエイト社に直送)、また、その料金を請求した(乙6の1ないし4)。なお、ドリームクリエイト社は、レジメンタルタイの納品時に、使わなかった、残りのネーム及び下げ札を、フィールドハウス社に返却した。フィールドハウス社は、2019年6月の父の日に向けて、「OUTRIDER」ブランドのティーシャツとキャップを販売する企画を立てた後、東京吉岡社に下げ札の裏面のシールの生産を依頼した(乙7)。また、フィールドハウス社は、「OUTRIDER」ブランドのネーム及び下げ札をジェイアンドジー社に郵送した。
令和元年5月30日に、ジェイアンドジー社は、株式会社ヴァンジャパン(以下「ヴァンジャパン社」という。フィールドハウス社が、令和元年5月7日に名称変更。)に対し、「OUTRIDER」ブランドの「アスレTシャツ18枚」及び「フレックスフィットCAP10個」を、ヴァンジャパン社の当該商品の販売先である、ヴァンヂャケット社に納品したことを連絡し、また、その料金を請求した(乙8の1)。
また、ジェイアンドジー社は、ヴァンジャパン社に対し「OUTRIDER」ブランドの「アスレTシャツ18枚」及び「フレックスフィット10個」の請求書を2019年5月31日に発行した(乙8の2)。
なお、ヴァンジャパン社は、ヴァンヂャケット社の店舗で「OUTRIDER」ブランドの「アスレTシャツ」及び「フレックスフィットCAP」を販売させるべく、ジェイアンドジー社に当該「アスレTシャツ18枚」及び「フレックスフィットCAP10個」を2019年5月30日付でヴァンヂャケット社のVAN SHOP蔵前店(住所:東京都台東区蔵前4-11-6)に納品させた(乙9、乙10)。
また、令和元年5月31日に、ヴァンジャパン社は、「OUTRIDER」ブランドの「アスレTシャツ18枚」及び「フレックスフィットCAP10個」の料金を、ヴァンヂャケット社に請求した(乙11)。
ヴァンヂャケット社は、2019年5月31日に「OUTRIDER」ブランドの「アスレTシャツ」及び「フレックスフィットCAP」をVAN SHOP蔵前店の店内に陳列し(乙12)、販売を開始した。
「OUTRIDER」ブランドのアスレTシャツは、2019年6月1日に1枚(乙13の1)、2019年6月2日に1枚(乙13の2)、2019年6月3日に1枚(乙13の3)、2019年6月9日に1枚(乙13の7)、2019年6月15日に1枚(乙13の8)の売り上げがあった。
また、「OUTRIDER」ブランドのフレックスフィットCAPは、2019年6月3日に1個(乙13の3)、2019年6月5日に1個(乙13の4)、2019年6月7日に1個(乙13の5)、2019年6月8日に1個(乙13の6)の売り上げがあった。
また、乙14は、ジェイアンドジー社のチーフが、2019年4月9日付で、フィールドハウス社から商標「OUTRIDER」を付したキャップ10個及びTシャツ18枚の注文を受け、2019年5月30日にヴァンヂャケット社に納品したことを証明した、2020年3月24日付の証明書である。
以上のとおり、本件商標の商標権者である被請求人から許諾を受けた通常使用権者であるフィールドハウス社(現在は、「ヴァンジャパン社」である。)が、本件要証期間内に日本国内において、取消請求商品のうち、ティーシャツ、キャップ(帽子)について本件商標を使用している。

第4 当審の判断
1 認定事実
被請求人の提出に係る各証拠によれば、次の事実が認められる。
(1)本件商標の商標権者(以下、単に「商標権者」という。)とフィールドハウス社は、2017年(平成29年)10月1日付けで、本件商標について、本件商標の指定商品中の第25類の指定商品を対象とした通常使用権許諾契約を締結し、その期間については平成29年10月1日から令和2年9月30日までとされ、契約期間満了の6か月前までに双方が相手方に異議を申し立てないときは、本契約は3年間延長される旨規定されている(乙1)。
(2)フィールドハウス社は、2019年の父の日に向けて、品番「ORPC-69001」のティーシャツ(以下「使用商品ティーシャツ」という。)と品番「ORCP-09001」のキャップ(以下「使用商品キャップ」という。)を販売する企画を立てた(乙2の1、乙2の2)。
(3)フィールドハウス社は、平成31年4月9日、ジェイアンドジー社に対し、納期を令和元年5月30日とするとともに、納品先をヴァンヂャケット社の店舗として、18枚の使用商品ティーシャツと10個の使用商品キャップ(以下、これらを総称して「使用商品」という。)の生産を発注した(乙3の1、乙3の2、乙14)。
(4)ジェイアンドジー社は、令和元年5月30日、ヴァンヂャケット社に対して、使用商品を納品した(乙8の1、乙10の1、乙10の2、乙14)。
(5)ジェイアンドジー社は、令和元年5月31日にヴァンジャパン社に対して、使用商品の代金を請求した(乙8の2)。
(6)ヴァンジャパン社は、令和元年5月31日、ヴァンヂャケット社に対して、使用商品を含む商品の代金を請求した(乙11)。
(7)使用商品ティーシャツと使用商品キャップには、いずれも、「OUTRIDER」の欧文字を横書きしてなる商標(以下「使用商標」という。)が付されている(乙2の1、乙2の2、乙3の1、乙3の2、乙14)。
(8)なお、上記(3)の使用商品の発注時の発注者はフィールドハウス社であり、上記(5)の使用商品の代金の請求先はヴァンジャパン社であるが、上記(3)ないし(5)の取引書類の記載内容が一致していること及びジェイアンドジー社の担当者の証明書(乙14)にヴァンジャパン社の発注時の商号はフィールドハウス社であった旨記載されていることからすれば、発注時である平成31年4月9日以降、納品時の令和元年5月30日までに、フィールドハウス社は、ヴァンジャパン社に社名を変更したことがうかがえる(乙3の1、乙3の2、乙8の1、乙8の2、乙14)。
2 判断
(1)使用商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「OUTRIDER」の欧文字を横書きしてなるものであり、使用商標は、上記1(7)の認定のとおり、「OUTRIDER」の欧文字を横書きしてなるものである。
そうすると、本件商標と使用商標とは、同一のつづりからなるものであるから、両者は、社会通念上同一の商標といえる。
(2)使用商品について
使用商品のうち、使用商品ティーシャツは、取消請求商品中、「洋服」の範ちゅうに属する商品であり、また、使用商品キャップは、「帽子」の範ちゅうに属する商品である。
(3)使用者について
上記1(1)の認定によれば、本件商標の使用者であるフィールドハウス社(社名変更後はヴァンジャパン社)は、本件商標の通常使用権者である。
(4)使用時期及び使用行為について
上記1(7)の認定によれば、使用商品には、使用商標が付されており、上記1(3)ないし(6)の認定によれば、フィールドハウス社は、令和元年5月30日に、ヴァンヂャケット社に対して、使用商品を譲渡したといえるところ、上記日付は、本件要証期間内である。
(5)小括
以上によれば、本件商標の通常使用権者であるフィールドハウス社は、本件要証期間内である令和元年5月30日に、取消請求商品中「洋服」及び「帽子」の範ちゅうに属する「ティーシャツ」及び「キャップ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したものをヴァンヂャケット社に対して譲渡したと認めることができる。
そして、この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品に標章を付したものを譲渡する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、その請求に係る商品に含まれる使用商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

審理終結日 2020-09-30 
結審通知日 2020-10-05 
審決日 2020-10-28 
出願番号 商願昭48-35182 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y25)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 山村 浩
木村 一弘
登録日 1976-03-11 
登録番号 商標登録第1188463号(T1188463) 
商標の称呼 アウトライダー 
代理人 藤沢 則昭 
代理人 藤沢 昭太郎 
代理人 特許業務法人R&C 

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