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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y052930
管理番号 1371811 
審判番号 取消2020-300014 
総通号数 256 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-04-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2020-01-09 
確定日 2021-02-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第2649407号の1商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標について
本件登録第2649407号の1商標(以下「本件商標」という。)は,「オーガニック」の文字を横書きしてなり,平成3年9月9日に登録出願され,同6年4月28日に商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として設定登録された登録第2649407号について,同11年4月23日に商標権の分割移転の登録がされ,その後,同16年10月20日に指定商品を第5類「乳糖,乳児用粉乳」,第29類「食用油脂,乳製品」及び第30類「調味料(みそを除く),香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。
なお,本件審判の請求の登録日は令和2年1月22日である(以下,当該登録前3年以内の期間(平成29年1月22日ないし令和2年1月21日)を「要証期間」という。)。

第2 請求人の主張
請求人は,本件商標の指定商品中,第5類「乳児用粉乳」,第29類「乳製品」及び第30類「アイスクリームのもと,シャーベットのもと」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め,その理由を要旨下記1のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品中,第5類「乳児用粉乳」,第29類「乳製品」及び第30類「アイスクリームのもと,シャーベットのもと」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者及び通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,その登録は取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は,被請求人の答弁に対し,何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求め,答弁において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
1 本件商品の使用事実
(1) 本件商標権者は,遅くとも2008年2月頃から現在に至るまで継続して,本件商標を使用した商品「牛乳」(乙1,乙2)を販売していた。
すなわち,乙第3号証の受領証から要証期間である2018年6月1日に本件商品が札幌生協に販売されたことが明らかであり,以下同様に,乙第4号証から2019年9月20日にコープ十勝本部に販売されたこと,乙第5号証から同年12月3日に明治ミルクステーション北広島に販売されたことがそれぞれ明らかである。
(2) また,乙第6号証は,本件商品の販売促進活動として小売店の店舗に置かれていたA4ボード広告物であるところ,乙第7号証には,乙第6号証の広告物について,マックス・コム株式会社がこれを製作し,要証期間である2019年1月19日,同月25日及び同月26日にオーガニックスーパーマーケットであるビオセボン・ジャポン3店舗に納品されたことが示されているから,本件商品の写真を掲載した広告物が作成され,要証期間にビオセボン・ジャポンに頒布され展示されたことが明らかである。
2 使用商標について
本件商品に付された包装容器には,乙第1号証に表されているとおり,容器正面中央上部の位置に,やや小さい文字により「明治」を横書きし,その下に「オーガニック」の片仮名を縦書きに表し,その下に「牛乳」の文字が縦書きに表されており,「オーガニック」の「ク」の右下にR記号が付された文字が示されている。
「明治」と「オーガニック牛乳」とは,字の大きさが異なり,文字の向きが異なることから,視覚上分離して看取され,それぞれが独立した商標として把握,認識される。「明治」は,本件商標権者のいわゆるハウスマークであるが,商取引の場においては,ハウスマークといわゆるペットマークとを同時に使用することは普通に行われていることから,取引の実情からみても,需要者は「明治」をハウスマーク,「オーガニック牛乳」をペットマークと理解し,それぞれが独立した商標と認識する。
そして,「オーガニック」の「ク」の右下にR記号が付されており,我が国において法令上規定された表示方法ではないものの,直前にある文字が登録商標であることを知らせる記号と広く使用されていること,「牛乳」の文字部分は使用に係る商品を表したと理解されるばかりでなく,「ク」の後のR記号によって「オーガニック」と「牛乳」が視覚上分離して看取されることなどとも相まって,使用商標に接する需要者は,「オーガニック」の文字部分に強く印象づけられるから,使用商標の要部は,「オーガニック」の文字部分と認められる。
過去の審決例及び裁判例でも,登録商標に文字に普通名称が付加されて使用されていても社会通念上の同一性を認めた例がある(乙8?10)。
したがって,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標である。
3 小括
以上のとおり,本件商標と社会通念上同一と認められる商標が,要証期間内に日本国内において,本件商標権者により,本件審判の請求に係る指定商品中,少なくとも「乳製品」に属する商品「牛乳」について使用されていたことは明らかである。

第4 当審の判断
1 認定事実
(1) 乙第1号証は,紙パックと思しき容器の写真であって,その容器の正面上部の位置に,「明治」の文字を横書きし,中央に「オーガニック牛乳」の文字を縦書きし,「オーガニック」の「ク」の右下にRを○で囲んだ記号を小さく付した構成からなるものと(以下「本件使用商標」という。),本件使用商標の文字の左には「成分無調整 種類別牛乳(「種類別」の文字は四角で囲まれている。)」の文字が縦書きで表示されている。
(2) 乙第3号証は,その右上に横書きで「meiji」の文字と「株式会社明治」の文字を上下二段に配した構成からなる文字があらかじめ印刷された受領書であって,その上部には,上記「株式会社明治」の文字に重なる形で「札幌工場」の文字や,作成日と思しき「2018年06月01日」の文字とともに「札幌生協」,「市民生協 札幌地区」の文字が印字され,その中央部には,「品名」として,「明治オーガニック牛乳 1000」,「数量 ケース」として「6」,「数量 本」として「1」の記載及び「受領印」の欄に手書きのサインと思しき文字がみてとれる。
(3) 被請求人の主張及び上記(1)及び(2)を総合すると,以下の事実を認めることができる。
ア 本件使用商標が付された紙パックは,その表示より,「牛乳」(以下「本件使用商品」という。)の包装容器であると認められる。
イ 本件商標権者は,「明治オーガニック牛乳」とする商品を,2018年(平成30年)6月1日に札幌生協に納品した。
ウ 本件商標権者が札幌生協に納品した商品は,商品の包装容器に表示された本件商標権者の略称と認められる「明治」の文字及びその商品名(オーガニック牛乳)より,その包装に本件使用商標が付された本件使用商品と認められる。
2 判断
上記1において認定した事実によれば,以下のとおり判断できる。
(1) 本件使用商標の使用者,使用場所及び使用時期について
包装に本件使用商標を付した本件使用商品を札幌生協に納品したのは本件商標権者であるから,本件使用商標の使用者は本件商標権者であり,その使用場所は日本国内であることが明らかであって,当該商品の納品日は平成30年6月1日であるから,その使用時期は要証期間内であると認められる。
(2) 本件使用商品について
本件使用商品は「牛乳」であり,これは,本件審判の請求に係る指定商品中,第29類「乳製品」の範ちゅうに属する商品であるといえる。
(3) 本件使用商標について
本件商標は「オーガニック」の文字を横書きしてなるものである。
これに対し,本件使用商標は,「オーガニック牛乳」の文字を縦書きし,「オーガニック」の「ク」の右下にRを○で囲んだ記号を小さく付した構成からなるところ,構成中の,「牛乳」の文字は本件使用商品の普通名称にすぎないものであるから,自他商品の識別標識としての機能がないことは明らかである。
また,Rを○で囲んだ記号は,登録商標を表す記号として一般に使用されているものであり,当該記号をもって商品を識別するものではない。
そうすると,本件使用商標の構成中,自他商品の識別標識としての機能があるのは,「オーガニック」の文字部分であるといえ,当該「オーガニック」の文字は縦書きと横書きの相違はあるものの本件商標と同一の文字からなるものであるから,本件使用商標は本件商標と社会通念上同一であるといえる。
(4) 使用行為について
上記(1)ないし(3)より,本件商標権者は,要証期間に日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「牛乳」の包装容器に,本件商標と社会通念上同一の商標を付して,札幌生協に納品していたことが認められる。そうすると,本件商標権者のかかる行為は,商標法第2条第3項第2号にいう,商品の包装に標章を付したものを譲渡又は引き渡しする行為に該当するものと認められる。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品に含まれる本件使用商品「牛乳」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していることを証明したというべきである。
したがって,本件商標の登録は,その請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
審判に関する費用については,商標法第56条第1項で準用する特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。

審理終結日 2020-11-26 
結審通知日 2020-12-01 
審決日 2020-12-21 
出願番号 商願平3-94046 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y052930)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 須藤 康洋
大森 友子
登録日 1994-04-28 
登録番号 商標登録第2649407号の1(T2649407-1) 
商標の称呼 オーガニック 
代理人 大橋 啓輔 
代理人 田島 壽 
代理人 特許業務法人RIN IP Partners 
代理人 新井 悟 
代理人 青木 篤 
代理人 外川 奈美 
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