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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W0532
審判 一部申立て  登録を維持 W0532
管理番号 1370258 
異議申立番号 異議2020-900200 
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-08-11 
確定日 2020-12-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第6254614号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6254614号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6254614号商標(以下「本件商標」という。)は、「BODY SUPPORT」の欧文字を標準文字で表してなり、平成31年4月19日に登録出願、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,プロテインを主原料とする栄養補助食品,その他のサプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」を指定商品として、令和2年5月14日に登録査定され、同月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、その指定商品中「プロテインを主原料とする栄養補助食品,その他のサプリメント」(以下「本件申立商品」という。)についての登録は商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は、「BODY SUPPORT」の欧文字を標準文字で表してなるところ(甲1)、辞書によれば、その構成中の「BODY」の文字は、「体、身体、肉体」等の意味を有し、「SUPPORT」の文字は、「支える、維持する、元気づける」等の意味を有するものであり、いずれも我が国の取引者・需要者が、その意味合いを容易に意味することができる平易な語から構成されている(甲2)。したがって、本件商標は、「ボディサポート(ボディーサポート)」の称呼を生じ、「体(身体)を支える(維持する又は元気づける)」程度の観念を容易に想起させる。
(2)業界における使用例について
本件商標に係る「BODY SUPPORT」の語は、その片仮名表記である「ボディサポート(ボディーサポート)」の語を含め、「サプリメント」を取り扱う業界において、普通に使用されている語であり、自他商品役務の識別力が弱い語である。
インターネット検索(甲3?甲15)によれば、商品「サプリメント」の説明等において「BODY SUPPORT(ボディサポート)サプリメント」、「BODY SUPPORT(ボディサポート)成分」のような記載をする例、商品名自体に「BODY SUPPORT(ボディサポート)」の語を使用する例、サプリメントを取り扱う店舗の名称に「Body Support Shop」の語を使用する例など、商品「サプリメント」を取り扱う業界において、現実に「BODY SUPPORT(ボディサポート)」という語が、普通に使用されている。
さらに、「サプリメント」の業界において、本件商標を構成する「BODY(ボディ)」及び「SUPPORT(サポート)」の語は、一般的な取引者・需要者であれば、容易に理解することができる平易な語であり、これらの語が商品との関係で普通に使用されている(甲18?甲21)。
(3)過去の判断例について
本件商標を構成する「BODY(ボディ)」「SUPPORT(サポート)」の各語は、過去の審査・審判において、自他商品の識別力の弱い語であると判断されている(甲22、甲23)。
(4)以上のとおり、「サプリメント」を取り扱う業界において、本件商標に係る語及びこれを構成する各語が実際に使用されている状況において、当該語について一私人にその独占を認めた場合、市場において無用な混乱と争いを生じさせることとなるため、商標法第3条第1項第3号の趣旨に鑑みても、本件商標の登録は認められるべきではない。
(5)まとめ
本件商標は、本件申立商品との関係では、「体(身体)を支える(維持する又は元気づける)商品」の意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本件商標は、上記以外の本件申立商品について使用した場合、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア(ア)本件商標は、上記1のとおり、「BODY SUPPORT」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成態様は「BODY」及び「SUPPORT」の欧文字を1文字分の間隔が空けて横一列に表してなるもので、同種の文字(欧文字)を、同じ書体及び大きさで、まとまりよく一体的に表してなるから、構成文字全体で不可分一体の語を表してなると理解できる。
そして、本件商標の構成中、「BODY」の欧文字は「身体。胴体。」の意味を、「SUPPORT」の欧文字は「支えること。支援。助け。」の意味を有する、いずれも我が国でも親しまれた英単語(「広辞苑 第7版」岩波書店、「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店、甲2)であるものの、構成文字全体で特定の意味を有する成語となるものではなく、両語を結合した「身体を支えること。身体を支援すること。身体を助けること。」程度の漠然とした多様な意味合いを連想させるとしても、直ちに特定の意味合いを認識させるものではない。
(イ)また、当審において職権調査するも、本件商標に相当する文字(「BODY SUPPORT」又は「ボディサポート」)が、商品の品質表示として広く一般に採択、使用され、本件申立商品の外装や広告などに表示されている事実は発見できず、また、本件商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質表示として認識するというべき事情も認められない。
イ 以上のとおり、本件商標は、直ちに特定の意味合いを認識させず、漠然とした意味合いを連想させるにすぎない一種の造語を表してなると理解されるものであって、商品の品質を直接かつ具体的に表示するものではなく、取引上特定の品質を表示する語として一般に採択、使用されているものでもないから、本件申立商品との関係において、商品の品質(機能)を直接表示するものではない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当せず、また、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないから、同法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)申立人の主張について
ア 申立人は、「BODY SUPPORT」(ボディサポート)の語について、本件商標権者以外の第三者の使用例を掲げて、本件申立商品を取り扱う業界において、取引上普通に使用されており、自他商品の識別力が弱い旨を主張する。
しかしながら、申立人の提出に係る使用例のうち、「ボディサポート」の語を単独で表示する事例(甲3、甲4、甲6)は、当該語を商品紹介の項に、具体的な用語説明なく列挙する数例の事例にすぎないところ、上記(1)ア(イ)の当審における職権調査の結果や、本件申立商品の需要者や取引者の範囲が、一般需要者や一般の小売店を含む極めて広い範囲に及ぶことに鑑みると、それら数例の事例だけでは、当該語が特定の意味合いにおいて商品の品質表示として一般に採択されているとまでは評価し難い。
なお、「BODY SUPPORT」(ボディサポート)の語を他の文字と結合した使用例(例えば「たくましいボディサポート」(甲5)、「ボディサポートサプリメント」(甲7、甲8、甲10、甲11、甲13、甲16)、「ボディサポート成分」(甲9、甲17)、「BODY SUPPORT PLUS」(甲12)、「GLOVY BODYSUPPORT Oligonol」(甲14)、「Body Support Shop Abe」(甲15))などは、単に商品名や店舗名に当該語を含む事例や、結合させる文字に応じて意味を補完した事例にすぎないから、当該文字単独で使用されたときの取引の実情を必ずしも示すものではない。
イ 申立人は、本件商標は、その構成文字の語義や取引の実情などを踏まえると、本件申立商品との関係では、「体(身体)を支える(維持する又は元気づける)商品」の意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎず、また、商品の品質に誤認を生じさせるおそれがある旨を主張する。
しかしながら、本件商標は、構成文字の語義を参酌したとしても、上記(1)ア(ア)のとおり、直ちに特定の意味合いを認識させるものではないばかりか、各構成文字の語義に相応して連想し得る「身体を支えること。身体を支援すること。身体を助けること。」程度の意味合いにしても、商品の品質表示としては具体性を欠く(複数の意味が連想でき、機能や効能を具体的に示すものではない。)ものである。
また、本件申立商品に係る取引においても、上記(1)ア(イ)のとおり、本件商標に相当する文字は、商品の品質表示として広く一般に採択、使用されているものではない。
そうすると、本件商標は、本件申立商品について、直ちに具体的な商品の品質を表示するものではないというべきである。
(3)結論
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、本件申立商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。


別掲

異議決定日 2020-12-14 
出願番号 商願2019-54863(T2019-54863) 
審決分類 T 1 652・ 13- Y (W0532)
T 1 652・ 272- Y (W0532)
最終処分 維持  
前審関与審査官 武谷 逸平 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 大森 友子
阿曾 裕樹
登録日 2020-05-27 
登録番号 商標登録第6254614号(T6254614) 
権利者 森永製菓株式会社
商標の称呼 ボディーサポート、サポート、ボディー 
代理人 特許業務法人松田特許事務所 
代理人 豊崎 玲子 

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