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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y25
管理番号 1370191 
審判番号 取消2019-300498 
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2019-06-28 
確定日 2020-11-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第1494108号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第1494108号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1494108号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和43年5月22日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同56年12月25日に設定登録、その後、平成14年3月13日に指定商品を第25類「被服」並びに第5類、第9類、第10類、第16類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、同24年1月10日に第25類の指定商品についてのみ商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年7月10日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成28年7月10日から令和元年7月9日までの期間(以下「要証期間」という。)である。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品、第25類「被服」(以下「請求に係る商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証について
ア 会社案内(乙1)には、被請求人事業として「アパレル副資材の製造・販売」とあり、「取り扱い商品」として「織ネーム」、「プリントネーム」、「ケアラベル」、「下札」、「シール」等が列挙され、「アパレル副資材を中心に、ロゴデザインや店頭展開の企画・制作まで幅広い商品を取り扱っています。」、「ブランディングから副資材や販促物までマーケットや消費者とのコミュニケーションを大切にしたご提案を行います。」と記載され、ブランドラベルやブランドタグ・ケアラベル等のサンプルの写真が掲載されるなどしている。
イ さらに、被請求人のウェブサイト中でも、被請求人の提供に係るサービスとして、「アパレル副資材」が主要取り扱い商品として記載してあり、具体的な商品として、「Hang tag(下札)」、「Care 1abe1(ケアラベル)」、「Woven label(織ネーム)」、「Sticker(ステッカー)」、「Package(パッケージ)」、「Printname(プリントネーム)」が掲載されている(甲3)。
ウ 以上のとおり、被請求人自身の作成による会社案内及びウェブサイトによれば、被請求人の主要事業は、「織ネーム」、「ケアラベル」、「下札」等の製造・販売であることが明らかであり、「Global」の文字を付した下げ札等は、それ自体が、被請求人の製造・販売に係る商品そのものであり、請求に係る商品「被服」についての使用を示すものではない。
(2)乙第2号証について
被請求人の提供に係る商品そのものである下げ札、パッケージシール、襟ネームに「Global」の文字が付されている事実を示すにすぎない。
(3)乙第3号証について
被請求人の提供に係る下げ札等に使用する「RFID」関連技術に関するパネル(入稿データ)であり、請求に係る商品について、本件商標の商標法第2条第3項各号の何れかに該当する「使用」の事実を示すものではない(甲4)。
(4)乙第4号証について
被請求人の製造・販売に係る襟ネーム等のサンプルの作成指示書にすぎず、請求に係る商品について、本件商標の商標法第2条第3項各号の何れかに該当する「使用」の事実を示すものではない。
(5)本件商標と使用標章との同一性について
本件商標の構成は、欧文字「g」、「l」、「b」、「a」、「l」、及び1番目の「l」と「b」の間に配置された略横長楕円形であり、その内部に一回り小さな略横長楕円形が配置され、さらに、上記2つの略横長楕円形の中心点を通る態様で垂直方向及び水平方向に引かれた2本の直線よりなる図形からなる。
かかる「l」と「b」の間に配置された該図形は、直ちに欧文字「o」と認識し得るものではないため、そもそも乙各号証に示される使用標章「Global」は、本件商標との関係では、社会通念上同一の範囲を超えたものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 被請求人は、本件商標を請求に係る商品(被服)において使用している。
2(1)被請求人の会社案内は、2016年1月に作成され、日本における販売活動の営業資料として現在まで使用されており、その最終頁において、洋服の下げ札、ラベル、襟ネーム、パッケージシールに「Global」が明確に使用されている(乙1)。
上記パッケージシール中に記載されている「インナークルーネックT」は、「インナークルーネックTシャツ」を表す。
また、洋服の下げ札、パッケージシール、襟ネーム(写真(写し))は、乙第1号証の最終頁に掲載されているものと同様のサンプルであり、これらにも「Global」が記載されている(乙2)。
以上から、本件商標が請求に係る商品に使用されていることがわかる。
(2)被請求人が展示会で使用していたパネルの入稿データには、「Global」ブランドに使用される洋服の下げ札等が掲載されており、「依頼日2018/5/10/THU」の記載がある(乙3)。
また、「Global」ブランドに使用される洋服の襟ネーム、パッケージシール、下げ札の作成指示書には、いずれも「Global」が記載され、表紙に手書きによる「2018.5.10」の記載、及び第2頁の「Issuing date」に「2018/5/10/THU」の記載がある(乙4)。
以上から、本件商標が要証期間に使用されていたことがわかる。
(3)本件商標は、被請求人によって要証期間に日本国内において、請求に係る商品「被服」について使用されていたことが明らかである。

第4 審尋
当審より被請求人に対し、令和2年6月3日付けで審尋を行い、回答を求めた。その要旨は、以下のとおりである。
1 2018年5月頃に、下げ札、ケアラベル及び襟ネームと思われるものなどのサンプルを作成しようとしていたことは窺え、それらには、円図形と共に「Global」の文字(以下、該文字を「使用商標」という。)が表示されている。
しかしながら、実際に当該襟ネーム等が作成され、それが商標権者により請求に係る商品に使用された事実は確認できず、商標の使用を認めることはできない。
2 使用商標は、本件商標と同一の商標ではないことが明らかであり、社会通念上同一の商標であるとも認め難いものであるところ、被請求人の主張において、本件商標と使用商標との態様の違いに関して、何らの主張、立証もされていない。

第5 審尋に対する被請求人からの回答
前記審尋に対し、被請求人からの回答はなかった。

第6 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)被請求人の事業内容は、アパレル副資材の製造・販売、並びに販売促進・マーケティングに関する企画及び立案などであり、その取扱商品として、織ネーム、ケアラベル、下げ札等がある(乙1(4、5葉目))。
(2)被請求人はブランディング開発も行うとしており、ブランドロゴ開発や副資材提案として下げ札、ラベル、襟ネーム及びパッケージシールが、同人の会社案内(写し)に掲載され、それらに使用商標が表示されている(乙1(12葉目))。
(3)インナークルーネックTシャツ用とされるパッケージシールや襟ネーム、下げ札のサンプル(写真(写し))に、使用商標が表示されている(乙2、被請求人の主張)。
(4)被請求人の名称が印字された、下げ札等の作成指示書とされる書面(写し)には、手書きにより、「Global商標」のサンプル作成のためのデータ作成を2018年5月10日に依頼したと解される記載や、「Issuing date」を「2018/5/10/THU」、希望出荷日を6月3日とする記載などがあり、使用商標が表示されたケアラベル、下げ札等の版下及び仕上がりイメージ図が表されている(乙4)。また、上記下げ札には、サイズとして「M」、「身長」、「胸囲」の記載がある。
2 前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)商標法第2条第3項各号に係る使用行為が行われたか否かについて
前記1(1)で認定した事実によれば、被請求人は、織ネーム、ケアラベル、下げ札等の商品を取り扱っている。
また、前記1(2)及び(3)で認定した事実によれば、インナークルーネックTシャツ用とされるパッケージシールや、その他の襟ネーム、下げ札のサンプルに使用商標が表示されている。
そして、前記1(4)で認定した事実によれば、2018年(平成30年)5月頃に、使用商標を付した衣類用の下げ札等のサンプルを作成しようとしていたことは窺える。
しかしながら、実際に、上記の下げ札や襟ネーム等が作成され、請求に係る商品に付された事実は何ら確認することができない。なお、この事実は、被請求人提出のその他の証拠(乙3)をもっても、左右されるものではない。
そうすると、請求に係る商品のいずれかについての本件商標の使用をしていることを認めることはできない。
(2)本件商標と使用商標とが社会通念上同一と認められるか否かについて
本件商標は、別掲のとおり、「gl」及び「bal」の文字並びに該各文字部分の間に配された図形からなるものであって、その全体が直ちに特定の文字から構成される商標であるとは認識されないものである。そして、本件商標は、上記文字と図形とが一体となって出所識別標識として機能するものであり、図形の有する特徴をも含め、これを見る者に印象づけるものである。
他方、使用商標は、「Global」の文字からなるものであって、構成文字の全てが格別特徴のない書体で、同書、同大で表されているものである。
そこで、本件商標と使用商標とを比較すると、本件商標と使用商標とは、図形の有無において顕著な相違があるものであり、使用商標は、その外観を著しく本件商標から変更するものである。
そうすると、使用商標は、本件商標と同一の商標ではないことが明らかであり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ともいうことができない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人が、請求に係る商品のいずれかについての本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したとはいえないから、商標法第50条第2項に規定されているその他の使用の要件について論及するまでもなく、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを被請求人が証明したとはいえない。
また、当該使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしたともいえない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲 本件商標



審理終結日 2020-09-30 
結審通知日 2020-10-05 
審決日 2020-10-21 
出願番号 商願昭43-34780 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (Y25)
最終処分 成立  
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 中束 としえ
板谷 玲子
登録日 1981-12-25 
登録番号 商標登録第1494108号(T1494108) 
商標の称呼 ジイエルバル、グローバル 
代理人 杉村 憲司 
代理人 恩田 誠 
代理人 恩田 博宣 
代理人 杉村 光嗣 
代理人 門田 尚也 
代理人 西尾 隆弘 

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