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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y25
管理番号 1370181 
審判番号 取消2019-300675 
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2019-09-09 
確定日 2020-12-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第1188463号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1188463号商標(以下「本件商標」という。)は、「OUTRIDER」の欧文字を表してなり、昭和48年2月28日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同51年3月11日に設定登録、その後、平成18年9月6日に指定商品を第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,足袋,ショール,スカーフ,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」並びに第16類、第20類、第21類、第22類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、さらに、同28年2月9日に第24類及び第25類のみについて存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年9月27日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成28年9月27日から令和元年9月26日までの期間(以下「要証期間」という。)である。

第2 請求人の主張
1 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,足袋,ショール,スカーフ,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」(以下「請求に係る商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次の2のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
2 本件商標は、その指定商品中、請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用した形跡が見当たらないから、請求に係る商品に係る本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
3 請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
1 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次の2のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第23号証を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「乙第○号証」を「乙○」のように省略して記載する。
2 株式会社フィールドハウス(以下「フィールドハウス社」という。)は、被請求人であるケントジャパン株式会社(以下「ケントジャパン社」という。)から2017年10月1日に、本件商標の指定商品中「ネクタイ」を含む第25類の商品について通常使用権の許諾を受けた(乙1)。
2018年11月8日に、フィールドハウス社は、株式会社ドリームクリエイト(以下「ドリームクリエイト社」という。)に対し本件商標に係る「OUTRIDER」ブランドのレジメンタルタイ(ネクタイ)18本についての生産を依頼した(乙2)。
また、2018年11月8日に、フィールドハウス社は、丸八生糸株式会社(以下「丸八生糸社」という。)に対し本件商標に係る「OUTRIDER」ブランドのレジメンタルタイ18本に係る生地を注文した(乙3)。
2018年11月26日に、丸八生糸社は、フィールドハウス社に対し、「OUTRIDER」ブランドのネクタイに係る生地を納品した旨を連絡し、また、その代金を請求した(乙4)。
また、2018年12月10日に、フィールドハウス社は、東京吉岡株式会社(以下「東京吉岡社」という。)に対し本件商標に係る「OUTRIDER」ブランドのレジメンタルタイ18本に係るネーム100個及び下げ札100枚を注文した(乙5)。
2018年12月17日に、フィールドハウス社は、ドリームクリエイト社に対し本件商標に係る「OUTRIDER」ブランドのレジメンタルタイ18本についての縫製仕様を指図した(乙6)。
2018年12月27日に、東京吉岡社から、フィールドハウス社に対し、「OUTRIDER」のネーム100個と下げ札100枚を納品した旨を連絡し、また、その代金を請求した(乙7の1ないし乙7の4)。
2019年1月10日に、ドリームクリエイト社は、フィールドハウス社に対し、「OUTRIDER」ブランドのネクタイ18本を納品し、また、その代金を請求した(乙8)。
そして、フィールドハウス社は、株式会社ヴァンヂャケット(以下「ヴァンヂャケット社」という。)の店舗で「OUTRIDER」ブランドのレジメンタルタイを販売させるべく、当該レジメンタルタイ18本(品番:OR01001)を2019年1月11日付けでヴァンヂャケット社のVAN SHOP蔵前店に納品した(乙9ないし乙11)。
また、2019年1月31日に、フィールドハウス社は、「OUTRIDER」ブランドのレジメンタルタイ18本の代金を、ヴァンヂャケット社に請求した(乙11)。
ヴァンヂャケット社は、2019年1月16日に「OUTRIDER」ブランドのレジメンタルタイをVAN SHOP蔵前店の店内に陳列し、販売を開始した(乙12)。
2019年3月20日に、ヴァンヂャケット社は、フィールドハウス社に売れ残りの「OUTRIDER」ブランドのレジメンタルタイ(品番:OR01001)12本を返品した(乙21及び乙22)。
また、乙23は、ドリームクリエイト社の代表取締役社長が、2018年11月8日付けで、フィールドハウス社から商標「OUTRIDER」を付したネクタイ18本の注文を受け、2019年1月10日に納品したことを証明した2019年11月11日付けの証明書である。
以上のとおり、本件商標の商標権者である被請求人から許諾を受けた通常使用権者であるフィールドハウス社が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品のうち、ネクタイについて本件商標を使用している。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。
(1)本件商標の商標権者(以下、単に「商標権者」という。)は、2017年(平成29年)10月1日にフィールドハウス社に対し、本件商標に係る通常使用権を許諾した(乙1)。
(2)フィールドハウス社は、2018年(平成30年)11月8日にドリームクリエイト社に対し、品番「OR-01001」の「ネクタイ」(以下「使用商品」という。)の生産を発注した(乙2)。
(3)ドリームクリエイト社は、2019年(平成31年)1月10日にフィールドハウス社に対し、使用商品を納品した(乙8及び乙23)。
(4)使用商品には、「OuTRIDER」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されたネーム及び下げ札が付されている(乙23)。
(5)フィールドハウス社は、2019年(平成31年)1月11日にヴァンヂャケット社に対し、使用商品を納品した(乙10及び乙11)。
2 前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、前記第1のとおり「OUTRIDER」の欧文字を表してなるものであり、使用商標は、前記1(4)のとおり「OuTRIDER」の欧文字を表してなるものである。
そうすると、両商標は、2文字目の「U(u)」が大文字か小文字かの違いはあるものの、いずれも同じつづりからなる語を表したものと認められるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。
(2)使用商品について
前記1(2)のとおり、使用商品は「ネクタイ」であるから、本件商標の指定商品中、請求に係る商品に含まれているといえる。
(3)使用時期について
前記1(4)のとおり、使用商品には、使用商標が表示されたネーム及び下げ札が付されているのだから、使用商品には、使用商標が付されているといえる。
また、前記1(5)のとおり、フィールドハウス社は、平成31年1月11日にヴァンヂャケット社に対し使用商品を納品したのだから、フィールドハウス社は、平成31年1月11日にヴァンヂャケット社に対し使用商品を譲渡したといえる。
そうすると、フィールドハウス社は、平成31年1月11日に、使用商品に使用商標を付したものをヴァンヂャケット社に対し譲渡したということができる。
そして、平成31年1月11日は、要証期間内である。
(4)使用者について
前記1(1)のとおり、商標権者は、平成29年10月1日にフィールドハウス社に対し、本件商標に係る通常使用権を許諾したのだから、フィールドハウス社は、本件商標の通常使用権者であるといえる。
(5)小括
以上によれば、本件商標の通常使用権者であるフィールドハウス社は、要証期間内である平成31年1月11日に、請求に係る商品中「ネクタイ」に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したものをヴァンヂャケット社に対し譲渡したと認めることができる。
そして、この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品・・・に標章を付したものを譲渡・・・する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、本件商標の指定商品中、請求に係る商品に含まれる使用商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、請求に係る商品についての登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲


審理終結日 2020-07-13 
結審通知日 2020-07-15 
審決日 2020-07-29 
出願番号 商願昭48-35182 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y25)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 板谷 玲子
山田 啓之
登録日 1976-03-11 
登録番号 商標登録第1188463号(T1188463) 
商標の称呼 アウトライダー 
代理人 藤沢 昭太郎 
代理人 藤沢 則昭 
代理人 特許業務法人R&C 

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